よみうり進学メディア

埼玉 高校レポ
2025.11.14

狭山ヶ丘高校(埼玉県入間市)「緊張感の中で考える力を育てる」-これが高校の授業だ

狭山ヶ丘高校でⅡ類特別進学コース3年生の「数学Ⅲ」の授業を見学しました。担当は教員12年目の中角元先生です。


ひとりで考える時間を大切に

理系クラスなので数Ⅲの授業は週5回あります。教科書の内容はすでに1学期中に終えていて、今は大学入試問題を使った演習形式で進められています。
この日の授業でも、まず大学入試問題のプリントが配られました。生徒たちは約20分間、黙々と取り組みます。
「周りの鉛筆の音が聞こえる中で考える。その緊張感が集中を生みます」と中角先生は話します。

その後で先生の解説を聞き、生徒同士が自然に「どこまでできた?」「この考え方は難しかったね」と話し合う姿が見られます。
「グループで答えを出すよりも、まず自分の頭で考えることが大切です。そうすることで、自分の力を正確に知ることができます」。

「苦手な生徒の気持ちがわかる先生」でありたい

中角先生は中学生の頃から教員になりたいという希望を持っていました。
大学は慶応大学理工学部数学科に進みましたが、実は得意科目は英語で、数学には苦手意識がありました。しかし、あえて数学を選びました。「できない人の気持ちをわかってあげられる先生になりたかったから」です。

大学では数学の難しさに何度もぶつかりましたが、それが今の授業作りにつながっています。
「学生時代の経験があるからこそ、どこでつまずくのかが見えるようになりました」。
狭山ヶ丘高校に赴任してからは、周囲の先生方の授業を見て多くを学び、自分のスタイルを磨いてきました。

先生はまた、答案作成を通じて「表現力」を養うことにも力を入れています。計算し答えを出すだけでなく、数式と日本語をどうバランスよく使って書けば相手に伝わるかを考えることが大事で、それが他の教科にも通じる力になるというのが先生の持論です。

「間違い」も含めて共に考える授業を

授業中、中角先生が黒板の前で「あれ?」と立ち止まることもあります。そんな時、生徒たちは静かに見守りながら、自分のノートを見返します。
「先生でも迷うことがあるんだ」と気づいた生徒たちは、いっそう真剣に考え始めます。間違いも含めて、一緒に考えることで教室が一体になる瞬間です。

 

狭山ヶ丘高校ホームページはこちら

 

(よみうり進学メディア編集部)

 

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