よみうり進学メディア

埼玉 高校レポ
2021.6.13

県立春日部工業高校(埼玉県春日部市)【機械科】 特集:専門分野を学ぶ2021年 知識・技術とともに社会性を磨く

東武スカイツリーライン「北春日部駅」から徒歩3分。駅からの近さではおそらく全県の公立高校の中でも三本の指に入るでしょう、電車で通うには抜群に便利な学校です。

学科は電気科・機械科・建築科の3学科構成です。電気科と機械科は工業高校には必ずある学科ですが、建築科があるのは同校を含め県内に4校です。

 

これがやりたくて入学した

今回は主に機械科を取材しました。

機械科3年生には課題研究という授業が週3時間あり、1年間かけて各自の課題に取り組みますが、この中に「電車班」というグループがあります。

同班が制作したミニ電車は地域イベントなどでも大活躍しており、見たり乗ったりしたことがある人もいるかもしれません。「これがやりたくて、この学校を選んだ」(電車班リーダー)という生徒も多いようです。

取材当日の授業では、生徒たちはレールの調整などについて実地で学んでいました。好きなことに取り組んでいるので皆積極的なのは当然として、生徒同士が互いに意見を述べ合い、協力して作業を進めている姿が印象的でした。

また、生徒たちは繰り返しや、やり直しを厭わないようです。納得行くまで何度でも繰り返しています。3年生ともなると「ものづくり」の精神がしっかりと身についているようです。

学びの場は校内にとどまらない

前述したように地域のイベントにはよく参加します。伝統があるので主催者からオファーがあるのでしょう。

近隣の小中学校には出前授業に出かけます。幼稚園などとの交流事業も行います。電車の制作では鉄道会社と連携することもあります。専門性が高い作業では企業の協力を仰ぎます。

かれらの学びの場は校内にとどまりません。

取材に協力してくれた電車班リーダーのコミュニケーション力の高さに驚かされましたが、こうした校外活動を通じて得たものでしょう。工業高校で学べるのは専門知識や技術だけではないようです。

体験授業、授業見学は必須

今回は機械科・課題研究「電車班」の活動の様子を主に紹介しましたが、機械科のその他の授業も見学しました。

さまざまな工作機械を使って、ものづくりの知識や技術を学ぶのが機械科の基本ですが、そのためには実習設備が欠かせません。実習室にごく普通に備えられている機械の値段を聞いて何度も驚かされました。言葉は適切ではないかもしれませんが「贅沢な教育」が行われていると感じました。もっとも、これは他の工業高校や他の専門高校でも同じことで、実物に触れなければ技術は身につかないので当然でしょう。

高校の授業がどんなものであるか。英語や数学の授業なら中学生でもある程度イメージできるでしょうが、専門高校、特に工業高校の場合は、中学校では経験したことのない授業が多いので実際に見てみないと分かりません。学校選びにあたり、授業見学は必須です。

【学校基本情報】

【創立】1964年(昭和39年)

【生徒数】707人(男637人 女70人)

【学科】機械科・電気科・建築科

【所在地】春日部市梅田本町1-1-1

【アクセス】東武スカイツリーライン「北春日部駅」東口から徒歩3分

【前年度入試データ】

▼機械科 募集人員80人、受験者70人、入学許可候補者70人、倍率1.00倍

▼電気科 募集人員80人、受験者51人、入学許可候補者51人、倍率1.00倍

▼建築科 募集人員80人、受験者64人、入学許可候補者64人、倍率1.00倍

【直近の説明会等】

令和3年8月6日(金)第1回春工見学会

令和3年8月28日(土)第2回春工見学会

令和3年7月26日(月)第1回部活動体験入部

令和3年8月5日(木)第2回部活動体験入部

令和3年8月24日(火)第3回部活動体験入部

 

春日部工業高校WEBサイト https://kasukabe-th.spec.ed.jp/