野球・サッカーをはじめスポーツ強豪校として知られている飯能市の聖望学園高校。今回は女子バレーボール部を取材しました。
取材班がもっとも注目したのは、先生が元プロ選手という点です。むろん部活の主役は生徒ですから、練習風景もしっかり見て、部員の声も聞かせてもらいました。
最高峰を見てきた人を指導者に招く
まずは気になる「元プロ選手」の先生のお話から。顧問の原田美愛実先生は秋田県出身。大学卒業後はⅤ2リーグ・柏エンゼルクロス(現・千葉エンゼルクロス)の選手・スタッフとして活躍しました。もともと「将来は教員」にという希望があったそうです。
そんな原田先生(当時は選手)に、元プロの指導者を探していた聖望学園(関純彦校長)から声がかかりました。同校では、今後の部活のあり方を変えるため、「高み(最高峰)を見てきた人を指導者として招く」という方針を立てていたのです。
勝利至上主義ではない
同校ではサッカーやバスケット部でも、元プロ選手を教員として採用しています。
しかし、決して勝利至上主義というわけではありません。根底にあるのは「授業であれ部活であれ、生徒に最高レベルの指導を提供するのが私学の責任」という考えです。「原田先生には、勝つこと以上にプロとして、また社会人として、見てきた世界を生徒に伝えることを期待します」と関校長からのメッセージ。原田先生自身もその点は強く意識しており「バレーボールを通じて、社会で活躍できる人間を育てることが第一です」と語っています。
激戦西部地区をどう戦うか
近年の県内女子バレー界を見ると、細田学園、春日部共栄の二強時代といえますが、それを追うのが狭山ヶ丘・埼玉平成・市立川越といった西部地区勢です。ハイレベルな西部地区を勝ち抜くことが関東大会・全国大会出場への必須条件となります。
聖望学園高校は平均身長162㎝前後の小柄なチームのため、しぶといレシーブから速攻につなげるコンビネーションバレーを目指します。
実現へ向けて原田先生は、パスなどの基礎技術や身体能力の強化に重点を置いています。「練習の半分以上は身体トレーニングです」と原田先生。まずは身体の強化、技術は後からついて来るということでしょう。下級生も多いチームということで、将来の期待がふくらみます。
聖望学園ホームページはこちら