100年を超す歴史を持つ文華女子高校。放課後の校舎には、明るい笑い声が響いていた。Kさん(西東京市立田無第四中学校出身)、Mさん(練馬区立石神井南中学校出身)、Yさん(練馬区立上石神井中学校出身)は2年2組の仲良し3人組。
校名から〝華〟をとって「文華祭」、「昨年度の文華祭は中止だったので経験者がいなくて、2年生の今年はゼロからのスタートでした」と横山さん。本来は2日間のところ今年は1日、校内のみでの開催となった。
クラスによる展示企画ではオリジナル劇を上演。「予防ため声を出せないので、声優部の部員にセリフを吹き込んでもらい、舞台の俳優はその声に合わせ、あて振りで演技しました」とコロナ禍での工夫を教えてくれた。シナリオは、プリンセス5人がおとぎの国から飛び出してバトルする「姫たちの決闘」。大好評でも密を回避するため、観客は一人でも多く、かつ席の間隔を適切にとるよう工夫した。
会場装飾もかなり力を入れ、壁面装飾など手の込んだものを作った。「キャラクター像を立体で作りました、身長130㎝、天井の高さに苦労しました」と松島さん。花紙でシルエットを、鼻も手も紙で制作したカラフルな仕上がり。夏休みも登校し、みんなで作った思い出の大作だ。
生徒会副会長の小林さんは、パンフの表紙イラストをデジタルで描いた。「生徒会では〝何もやらない人〟を作らないことに配慮し、〝まずはやってみる〟が大切だと思いました」と小林さん。
本年の文華祭のテーマは「星華〜十人十色に輝ける祭り〜」。リーダー役、サポート役、縁の下の力持ち、様々な生徒が活動し自発性を育て、それぞれの新しい可能性を育くむ。制約の中での工夫が、一人ひとりを輝かせたようだ。
3人から受験生へ、「楽しくて気持ちが盛り上がる校風です。行事や委員会で人と関わり、女子同士で会話も弾み、仲良しも増えます。先生とも距離が近く、気さくで何でも話せる先生がいつもそばにいてくれます」と一番の特長を笑顔で話してくれた。