松戸向陽高校は普通科と県内唯一の福祉に関する専門学科である福祉教養科を持つ高校だ。普通科にも福祉コースを設置し、学校を挙げて福祉マインドの育成に取り組んでいる。
福祉教養科は卒業時に介護福祉士国家試験合格を目指す。全国平均の合格率が70%ほどなのに対し、例年90%程度の生徒が合格する。
学校には2つの実習室を備え、それぞれ10床のベッド、車椅子、多数の介護実習モデル人形など充実した環境だ。
そんな福祉教養科で学ぶ3年生の先輩たちに話を聞いた。
皆が話してくれたのは、2年の11月に行った15日間の老人ホームでの長期実習のことだ。「移動介護のお手伝いをさせていただきましたが、あまり表情を出さない人が実習の最後には笑顔をみせてくれました」(Oさん)、「個室に呼んでいただき、写真や押し花、手紙などの宝物を見せていただきました」(Iさん)、「昔の遊びや戦争のころの話を教えていただきました」(Aさん)。皆、入所者さんの笑顔が印象的だったと話してくれた。
阿部さんは介護の仕事について「大変なことも多いですが、自分が誰かの力になれること、助けになれることがうれしいです」とやりがいを話す。
Sさんは進学して社会福祉士の資格取得も目指している。「精神、身体の両面、また介護に携わる人へのケアも出来る人材」になることが目標だそうだ。
全員が話すのは「クラスの団結力が凄い」と言うこと。女子が多いクラスだが、運動会の綱引きで学年一位だったことを紹介してくれた。同じ目標を持つ者同士の強い絆がある。
同校について気になった人は8月22日、23日に夏の1日体験入学に参加してほしい。
実習教室、介助実習に使用するモデル人形と一緒に。