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2019.7.5
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この学校ここに注目 花咲徳栄高校(埼玉県加須市)

選んだ道で頂へ

花咲は、いつでも現在進行形
結果は後からついてくる

加須市花崎の地に誕生して38年。野球部の活躍などもあって「とくはる」の名は、ようやく全国に知られるようになった。だが、人々の知る「とくはる」は、この学校のほんの一部に過ぎない。
大学入試改革を見据え、いち早く授業改革に取り組んできたこと、その結果、着実に大学合格実績を伸ばしてきたこと、日本で唯一「食育実践科」を持つ高校であること、など。
今回はまだよく知られていない「とくはる」の一面を紹介しよう。

知られざる
授業改革先進校

「アクティブ・ラーニング(以下略してAL)」という授業形態が世の中で注目され始めたのは、ここ3~4年のことだが、同校の取り組みは早かった。
多くの学校がALの導入を開始したころには、すでに全教員がその手法をマスターし、全科目全授業がこの授業スタイルに切り替えられていた。そのため、AL先進校の一つとして知られるようになり、全国各地の中学高校から視察団が訪れるようになった。
あまり知られていない花咲徳栄の一面だ。

記述力重視でも先取り

花咲徳栄の入試問題には英数国それぞれに記述式問題が含まれている。6年前の入試からだ。
採点処理の効率性の良さから全問マークシート方式の私立高校が多い中、当初はその意図がなかなか理解されなかった。
しかし、センター試験に代わる新しい大学入試制度の方向性が明らかになるにつれ、同校の狙いがどこにあったかが見えてきた。
新制度の大学入試で「記述問題」が導入されることは、今や広く知れ渡っているが、そんな話題がまだどこにも出ていない段階で「これからは記述重視の時代」というメッセージを受験生に伝えたのは、同校の「先取り精神」の現れと言えるだろう。

チャレンジブーム到来か

昨年度、英検準1級合格者が2人出た。
一昨年までは受検者も出てきたという程度だったが、合格者が出るのは早かった。昨年は、英検・数検などの新たな資格取得者が460人誕生したという。ちょっとしたチャレンジブームが起きているようだ。
基本は授業にある。
たとえば英語であれば、多読や速読、プレゼンやディベートなどに取り組む。
中学時代にあまりなかった経験を通じて、今まで知らなかった英語の世界に触れ、興味がわき、意欲も増してくる。
受験生の皆さんも、機会があればこの学校の放課後を見てみるといい。広々とした進路センターや図書館、食堂、教室など、あらゆる場所で自学自習に励む生徒の姿を目にするだろう。
グランドや体育館で汗を流し「頂(いただき)」を目指す者がいれば、勉学で頂点を目指そうという者もいる。それが現在の「とくはる」の姿だ。

近隣でも評判
美しい登下校風景

駅から真っ直ぐ歩いて8分。
これが同校の立地だが、東京ドーム3個分というあまりにも広大な敷地のため、教室にたどり着くには、あと5分ほどかかりそうだ。
集中する時間帯以外、駅や通学路に先生方が指導に出ているわけではないが、整然と登下校する生徒たちの姿は近隣でも評判だ。
これもまた「とくはる」の一面である。

プロの技と精神を鍛える食育実践科

花咲徳栄を特色づけるのが食育実践科の存在だ。
5年前、食物科から改称した。
以来、ただ料理を学ぶだけにとどまらず、食に関する考え方や栄養に関する知識、さらには食文化まで幅広く学び、日本の食育リーダーをめざす学科に変貌を遂げた。
ここ数年、「スーパー食育スクール指定校」、「つながる食育推進事業モデル校」など、立て続けに文部科学省から指定を受けているが、こうした事例は、全国の数ある高校・家政系の中ではきわめて稀であり、同科への期待の高さがうかがえる。
「スタディメシ」、「アスリートメシ」、「café(カフェ)メシ」といった独自メニューの開発にも熱心であり、これらを在校生や学校内外の関係者に調理、提供する場面も多い。プロの技と同時に心構えを鍛える教育だ。

頂へ、明るくチャレンジ

目標・国公立大50人
全ての部が全国出場

一部活一施設。それぞれの部活が専用の練習場を持っている。普通の公立では考えにくいことだ。
野球部を筆頭に、昨年は陸上競技部・競泳部・レスリング部・ボクシング部・空手道部・女子サッカー部・女子硬式野球部・女子ソフトボール部などが全国大会に出場している。
文化部では吹奏楽部が西関東大会金賞の栄誉に輝いている。同部は今春、ヨーロッパに遠征し、世界的なホールで演奏するという貴重な機会を得た。
強い部活がそれなりの厳しさを持つのは当然だが、どの部活も、練習風景を見ると意外なほど明るい。好きなことに打ち込み、高みを目指す者のみが醸し出す独特の雰囲気とでも言えばいいのだろうか。そこには「やらされている感」というものがない。
「進学では国公立に50人以上、部活は全ての部が全国出場。これが本校の目標です」(田中一夫校長)。

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