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特選記事
2020.7.7
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この学校ここに注目 花咲徳栄高校(埼玉県加須市)

選んだ道で頂へ

成長著しい大学合格実績
地道な授業改革の成果、

加須市花崎の地に誕生して39年。野球部をはじめとする部活の活躍などもあり今や「とくはる」の名は全国に知られるようになった。
しかし、人々の知る「とくはる」は、この学校のほんの一部に過ぎない。
そこで今回は、大学合格実績において目を見張る成長を遂げていること、日本で唯一「食育実践科」を持つ高校であること、授業改革では全国から注目されている先進校であることなど、まだよく知られていない「とくはる」の一面を紹介しよう。

国公立40人超
早慶上智にも現役合格

令和2年春の大学入試では筑波大学をはじめ国公立に41人が合格。
また、私立最難関の早稲田(10人)・慶応(2人)・上智(3人)のほか、明治(10人)・中央(5人)・法政(20人)・立教(5人)・青山学院(4人)など私立難関にも多数の合格者を出している。
特筆すべきなのは、難関大合格者が同校最上位クラスである「アルファ理数選抜」に限らず、すべてのコース・クラスに広がりを見せている点だ。また、部活と両立しながら結果を出している生徒が多いのも特徴と言える。

他校に先がけ授業改革

同校は、「アクティブ・ラーニング(以下「AL」)」という授業形態が世の中で話題になるずっと以前から、これに取り組んできた。
ALというとグループ学習や体験学習のようなものを思い浮かべる人も多いようだが、実はそれはほんの一例であって、本来は生徒が自分から能動的に学び、かつ深く学ぶ学習スタイルのことを言う。
同校は、ALを特別な授業形式として扱うのではなく、全教科全授業のAL化を目指した。
その結果、生徒にとって授業は受けるものから、自ら積極的に参加するものに変わって行った。質問もよくするし、互いに教え合うようにもなった。予習や復習も当然になった。
AL式授業は受験指導には不向きという声も聞かれるが、その徹底化を図った同校が大学合格実績を急成長させているところを見ると、むしろプラスの面が多そうだ。

休校中も学びを継続

新型コロナウィルス感染症の影響で長期の休校が余儀なくされたが、同校が生徒の学びをストップさせることはなかった。
授業は主にテレビ会議システムを用いたオンライン形式で行われた。
時間割が設定され、教室での対面授業さながらのリアルなやり取りが行われた。もちろん生徒同士の意見交換も盛んに行われた。このあたりは日ごろから「授業は自ら積極的に参加するもの」という意識が全員に根付いているので、オンラインになっても実にスムーズだ。
ホームルームもあり、担任との二者面談もあり、3年生向けには進路対策講座(補講)も実施された。先生と生徒のコミュニケーションの良さが困難な時期を乗り越える原動力となった。

恵まれた環境の下
それぞれの「頂」を目指す

同校は東武伊勢崎線「花崎駅」から真っ直ぐ歩いて8分。この道を整然と登下校する姿は近隣でも評判だ。
東京ドーム3個分という広大な敷地も大きな魅力で、何をやるにも場所や施設がないという悩みとは無縁だ。
部活でトップに立つか、勉学や技術で頂点を極めるか。恵まれた環境の下、それぞれが選んだ道で「頂(いただき)」を目指す。

食育実践科
もう一つの頂きを目指すプロの卵たち

花咲徳栄には普通科と並び、食育実践科がある。
ただ単に調理の技術や資格を習得するだけではない。栄養学や食文化まで幅広く学び、日本の食育リーダーの育成を目指しているす学科だ。
ここ数年、「スーパー食育スクール指定校」、「つながる食育推進事業モデル校」など、立て続けに文部科学省から指定を受けているが、こうした事例は、全国の数ある高校・家政系の中ではきわめて稀であり、同科への期待の高さがうかがえる。
「スタディメシ」、「アスリートメシ」、「CaFé(カフェ)メシ」といった独自メニューの開発にも熱心で、これらを在校生や学校内外の関係者に調理、提供する場面も多い。
ツイッターやインスタグラムなどSNSによる情報発信にも熱心なので、志望者にはフォローをお勧めする。

オリンピック選手も誕生

全国出場は通過点
目指すは頂点

残念ながら延期となった2020東京五輪だが、もし予定通り行われていれば二人の同校出身アスリートが日本中を沸かせていただろう。
一人は女子ボクシング・フライ級代表となった並木月海さん(21)。同校OBの内山高志選手(元世界スーパーフェザー級王者)に憧れて入学。高校時代は五度の全国優勝を果たした。卒業後は自衛隊に所属し、世界選手権にも出場。その活躍により代表の座を射止めた。
もう一人は空手・女子組手61㎏級の染谷真有美さん(27)。最新情報によれば延期に伴い代表再選考となる模様だが、世界ランキング日本人最上位である染谷選手の優位は動かないだろう。
同校の部活は一部活一施設。それぞれの部活が専用の練習場を持っている。その恵まれた環境を生かし、全国制覇を成し遂げた野球部を筆頭に各部が全国出場を、さらには全国制覇を目指している。
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