都立高校の入試問題ってどんなものなのでしょう?先輩たちが受けた試験問題を実際に見てみましょう。
「家庭教師のトライ」の先生による、解答付きです。
『都立高「数学」の全体傾向と対策』『数学の勉強法』もあります。
試しにチャレンジ、今は正解でなくても大丈夫です。
「都立高校の学力検査問題」のイメージをつかみ、今後の勉強に生かしていきましょう。
■都立高校の入試問題と解答・採点表(全教科)はこちらから:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉東京都 2023年度 都立高校入学者選抜「学力検査問題・正答表」-令和5年度
【解説】
【解説】
【全体的な傾向】
問題量と出題形式は例年通りでした。平面図形に関して取り上げられる大問4では、4年ぶりに相似の証明が出題されました。教科書内容の取り組みやすい問題が多く、難易度は昨年並みと言えます。普段から作図や証明問題を含む標準的な難易度の問題に触れ、自力で解き切る練習を積んでおくことが重要となる問題でした。
【大問1】 計算・基本問題(小問9題・46点)〔基本〕
問1~問6は基本的な計算問題、問7は確率の問題、問8は図形問題、問9は例年通り作図問題でした。どれも教科書内容の問題で、学校の授業内容を理解できていれば、全問正解できたでしょう。
【大問2】 文字の利用・規則性(小問2題・12点)〔標準〕
例年通り「先生や生徒が作成した問題」という設定で、図形分野から計算問題と証明問題の2問が出題されました。問1は直角三角形の性質を使って、正方形の1辺の長さを求められるかを問われました。問2は扇形の面積を求める中で、適切に式変形をする必要がありました。
【大問3】 1次関数(小問3題・15点)〔標準~応用〕
問1は座標を求める問題、問2は直線の式を求める問題でした。問3はグラフ中の三角形に関する式が与えられ、そこから座標を求める問題でした。自分で補助線を引き、三角形の面積を文字で表せるかが問われました。補助線を引く位置の候補がいくつかあり、適切な方を選べば教科書内容の計算で対応できました。
【大問4】 平面図形(小問3題・17点)〔標準~応用〕
問1は図形の性質を利用して角度を求める基本的な問題でした。問2の①は例年通り証明問題でしたが、近年出題が多かった合同条件を使った証明ではなく、相似条件を使った証明が出題されました。問2の②は相似条件を使って面積比を求める問題でした。
【大問5】 空間図形(小問2題・10点)(応用)
昨年に引き続き、立体の辺上を動く点が描く図形に関する問題でした。問1は動点を結ぶ直線の長さに関する問題でした。問2は例年通り体積を求める問題でしたが、立体の高さや底面積を求めにくく、難しく感じた受験生も多かったでしょう。辺の長さの比から体積比が求められるかを問われました。
【対策】========================================
都立入試の数学は各分野からバランスよく出題されるため、日頃から苦手分野を作らないように勉強しておくことが大切です。一部では難しい問題が見られますが、大部分は基本的な問題です。これらを取りこぼすことなく正解することが、着実な得点につながります。さらに高得点を狙う場合は、難問になりやすい図形分野の応用問題を解いておくと良いでしょう。
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都立入試の数学では、中1から中3までの内容が幅広く問われます。その多くが教科書内容の知識で解ける問題です。普段の授業ではわからないことをそのままにせず、基本的な問題は確実に解けるようにしておきましょう。また、中学1・2年生ですでに中学数学の半分以上の内容を習っているため、既習単元の復習も大切です。ただ解き方を覚えるのではなく、なぜその解法を使ったのか自分の言葉で説明できるようにすると、応用問題でも得点できるようになります。
【計算問題】
計算力は正確さと速さの2つに分けて考えることが大切です。都立入試においては特に、正確さが重要になります。計算ミスの原因は、『途中式を書かない』『文字が似ていて自分でも見間違えやすい』『検算を行わない』などがあります。まずは計算ミスにつながる原因を把握し、普段の問題演習のときから意識的に対策しておくと、計算の正確さが徐々に身につきます。
【関数の問題】
都立入試では、1次関数か2次関数のどちらかが出題される傾向にあります。どちらの出題でも、グラフ中の図形について考える問題がよく出されます。座標を文字で表して計算する問題が多いため、複数の文字を使った計算にも慣れておきましょう。また、わかった情報をグラフの中に書き込むことでより解き方のヒントを見つけやすくなります。
【図形の問題】
図形の問題を解くときのポイントは2つあります。1つ目は図形の性質をすべて理解しておくことです。平行線と角の性質や、合同条件はすべて思い出すことができますか。忘れている場合は復習しておきましょう。2つ目は問題中の図形に書き込んで考えることです。文中で与えられている条件は全て図形に書き込みましょう。補助線が必要な問題は多く出題されるため、実際に自分の手で線を引いて考える練習もしておきましょう。
【データ・統計問題】
まずは言葉の定義を確認しましょう。似た言葉が多いため、それぞれの定義については注意が必要です。また、表やグラフから読み取れる内容を自分の言葉で説明する練習も効果的です。
【応用問題】
応用問題を対策するときに大切なのは、できることからやってみるという意識です。応用問題では、答えにたどり着くまでの手順を最初から想像することは難しいです。しかし、手を動かしているうちに正解にたどり着くヒントが出てきます。このヒントを見つけるために、できそうなことからやってみてください。『まず値を出してみよう』『まず式で表してみよう』という気持ちが大切です。普段からこの意識を持つことで、入試本番で使える粘り強さが身につきます。
【これからの勉強方法】=================================
3年生の授業を大切にするだけでなく、今まで習った内容の復習も定期的に行いましょう。数学は1年生で習った内容が3年生まで繋がっていきます。苦手分野があると、これからの学習に影響します。まずは週に数時間でも良いので、1・2年生の内容を復習する日を作ってみましょう。3年生で習う内容は普段の授業で確実に理解しましょう。都立入試は基本的な知識で解ける問題が多いため、教科書や学校の問題集でも対策することができます。授業でわからなかったことは必ずその場で質問し、問題を解けるようにしましょう。
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出題:東京都教育委員会 解説:家庭教師のトライ
(よみうり進学メディア編集部)
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