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東京 入試情報
2019.6.14

東京都「2019年度(令和元年)都内私立高入試の概況」

2019年度の都内私立高校の入試概況とトピックを振り返ってみたいと思います。
今春の都内私立高校募集は成城高校(新宿区)が高校募集を停止したため、昨年より1校少ない182校が外部募集を行いました。
2019年度入試は、昨年に引き続き私立高校進学希望者への授業料軽減措置の効果もあり、多くの私学で第一志望である単願推薦での応募者が増えました。ただ、一般入試の応募者は学校によっては減少傾向が見られました。理由の一つには、進学指導重点校などを中心とした都立高校への志願者は減少していないため、これらの都立高校の併願校候補になっているかどうかが一般入試の応募状況にも影響をあたえたと考えられます。更に、他県からの流入に歯止めがかかっている事も減少の一因としてあげられます。また、多様な学びのスタイルを求めて通信制高校を志望する受験生も引き続き増加傾向にあります。
これら全体的な傾向を踏まえた上で、今春の動きからいくつかの学校を紹介したいと思います。
大学附属校では、早稲田実業学校高等部(国分寺市)や慶應義塾女子高校(港区)の応募者増が続いています。その他では、専修大学附属高校(杉並区)や東京家政大学附属女子高校(板橋区)、明星高校(府中市)、日本工業大学駒場高校(目黒区)などが応募者増となっています。また、共学化2年目の文化学園大学杉並高校(杉並区)も好調です。
大学附属校以外でも進学校として堅調な学校があります。朋優学院高校(品川区)はここ数年応募者の増加傾向が顕著で、今春も一般入試で特進コース1,220名、国公立コースで1,441名の応募者数で昨年より大幅増となりました。また、駒込高校(文京区)、東洋高校(千代田区)、八王子実践高校(八王子市)なども応募者が増加しています。
今年から共学となった明法高校(東村山市)も推薦・一般入試ともに応募者増となりました。特に一般入試は昨年の約3・8倍の応募者でした。
校名変更とコース改変を行った武蔵野大学高校(西東京市)も推薦・一般入試ともに応募者増となり期待の高さを示しました。このような共学化やコース改変などは受験に大きく影響しますので、今年も情報をしっかり収集するようにしましょう。

【2020年度に向け共学化やコース変更などが続々公表】

小野学園高校(品川区)は、2020年4月より共学化し、「品川翔英高校」に校名変更。さらに、コースを再編し、理数選抜コース・国際教養コース・進学コースⅠ(特別進学)・進学コースⅡ(総合進学)を設置。
中村高校(江東区)は国際科の募集に続き、普通科の募集を再開。
この他にも、募集定員の変更やコースの新設などを予定している学校もありますので、受験生の皆さんは、今後開催される学校説明会や合同相談会などで情報収集を積極的に行っていきましょう。

「併願ドットコム」から見た検索校

昨年度9万ユーザーが利用した検索サイト、「併願ドットコム」のデータから都内私立高校のエリア別検索ランキングを見てみると、次の様な学校が上位にきています。
【23区エリア】
東洋・駒込・淑徳巣鴨・順天・専修大学付属・日本工業大学駒場・朋優学院
【多摩エリア】
八王子学園八王子・八王子実践・錦城・拓殖大学第一・昭和第一学園・明星

いずれの学校も、例年多くの応募者を集めている学校です。早い段階から受験生が情報収集していたことが伺えます。
受験生の皆さんは、可能な限り多くの学校に足を運び、自分にあった志望校選びをしていきましょう。
監修:高校入試活性化委員会(株式会社 リヴィジョン)