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東京 入試情報
2019.7.5

〈2020年度入試〉東京入試情報「自分を鍛えて夏を乗り切ろう」-令和2年度

志望校の選択に、学校説明会や体験入学は必須

令和2年度都立入試の日程と、入試の基本方針が発表された。
平成28年度入試から、第一次・分割前期入試を中心に、都立高校の大きな入試改善か実施されたが、2年度では日程以外の変化はないと見られる。
一方、夏休み中には、都内全私立高校が出そろう「進学相談会」が実施され、各高校でも体験入学や学校説明会が予定されている。
部活の仕上げに、勉強に、志望校の選択に、計画を立てて、悔いのない夏を過ごそう。

悔いの残らない、志望校の選択をするために

一昨年から、私学へ進学する都内生への授業料補助が大幅に充実された。
家庭の年収目安が760万円未満の場合、国と併せ45万6千円余りの授業料補助が出るというもので、入学金や施設費などの負担は継続するが、授業料は実質0円になる学校は多い。
学費を気にせず志望校が選べるようになってきたことになる。
8月17・18日には、科学技術館で都内私学の「進学相談会」が実施される(注1)。
進学相談会には、いろいろな学校の先生方に、直接、話を聞くチャンス。是非参加しておきたい。
都立・私立高校の学校説明会や相談会、体験入学、体験部活などの日程が、各学校のホームページなどで発表されている。
秋の文化祭とあわせて、先輩たちの高校生活に触れて、確信を持って志望高校を選択して欲しい。
注1・各種相談会への参加者は、1・2年生も年々増えている。

調査書の重要度は増している

調査書といえば、中学校での3年次の成績(各教科の評定、観点別評価)、総合的な時間の内容と評価、出欠の記録、諸活動の記録が記載されている。
都立高校の入試では、各学校が定める基準によって、評定もしくは観点別評価が点数化される。
推薦入試では、各教科の評定、または、その基になる観点別評価が選択され、学校ごとに定めるウェイトによって点数化され、作文・小論文、面接・集団討論、実技等の点数と合算され、選抜に使用されることになる。
一般入試では、学力検査に調査書の各教科の評定点が合計(実技系教科は2倍の予定)と、面接、小論文・作文、実技など(注2)が点数化され加算され選抜される。学力検査が重視されるのは勿論だが、各教科の評定も重要な選抜資料だ。
注2・学校によって実施しない検査がある。

前年の学校ごとの作文・集団討論等の課題に注目

前年度に実施された推薦入試での集団討論、小論文、作文、実技検査のテーマが発表されている。
集団討論では、オリンピック開催、学校活動や学級活動について、人工知能やインターネット、直下型を含む地震に対して、などテーマは多岐にわたっていた。
小論文では、「静岡県にある市の2枚の地形図を比較し、3つの資料を参考に、その変化について述べる(戸山)」、「社会のタイプに関する2種類の意識調査の図を関連させて、読み取れることを文章にまとめる(竹早)」など、普段からいろいろな資料等に接し、読み取る力を持つことや、自分の意見を持つことなどが必要となりそうだ。
また作文では、高校での学びや高校生活についての目標など、与えられたテーマに沿ってまとめるという形式が目立った。
これらのテーマの一覧表は東京都のホームページに掲載されているので、推薦入試を希望する人は、是非参考にしてほしい。
http://www.kyoiku.metro.tokyo.jp/admission/high_school/ability_test/theme/2019.html

入試制度の理解が高校入試の第一歩

28年度の入試から、都立全日制の一般入試の学力検査では、共通問題で実施する学校は、マークシート方式が採用されている。
また、学力検査と調査書の比率7対3(分割後期、二次募集は6対4)へ統一され、実技系教科の調査書点を2倍にするなどの変更が実施された。
進学指導重点校グループと進学重視型単位制高校グループは、入試問題を自校作成の形に戻されている。
2年度入試では、入試制度そのものの大きな変化はない見込みだ。
ただし、都立高校改革推進計画の実施に伴い、雪谷‐定時制を閉課程し全日制のみに、五日市‐商業科を普通科に改編等が予定されている。
入試日程は、ほぼ前年を踏襲しているが、曜日の関係からか、一般入試の合格発表日が前年度より1日遅くなっていることなどが注目される。

推薦出願 1月22日
受験   1月26・27日
合格発表 1月31日
一般出願 2月5・6日
受験   2月21日
合格発表 3月2日

私立高校でも、推薦や併願優遇などの制度の具体的な内容や、その基準が決定し、説明会などで告知が開始されている。
都立高校の選抜基準や私立高校の入試制度を研究すること。
各教科の評定や学力は、「自分なりの目標」を決めること。
さらに、それを達成するための努力をすることなどが、これから夏休みに向けての皆さんの課題となるだろう。

計画を立てて、夏に伸びよう

夏休みを境に、いよいよ受験で最も重要な時期に突入する。
夏休みはおよそ40日間、9月の授業が始まれば、私立高校の推薦入試が開始される1月22日まで140日程だ。
また、定期テストだけでなく、会場テストや校内実力テスト、各種の検定試験を受けながらの志望校の選択が控えている。受験生の秋は超多忙だ。
部活から引退し、比較的自由な、夏休みは、勉強の仕方の見直しや、1・2年生の復習をするには絶好の機会だ。
苦手科目の克服に、得意科目の充実に、夏を有効に過ごしてほしい。

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