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〈2023年度入試〉神奈川県 私立高校 「2022年度(令和4年度) 神奈川県内私立高入試の概況」

前年度に引き続き、コロナ禍の中で行われた神奈川県の私立高入試。どのような特徴が見られたか検証します。

難関校に志願者戻る

ひとつは難関校の応募者増です。一般入試では慶應義塾が152人14.1%の増になったのをはじめ、法政大学国際(学科)が61人16.6%の増、法政大学第二(学科)も52人7.5%の増と、前年度の安全志向から挑戦志向への傾向が見られました。

日大系は苦

一方日本大学では214人27.6%の減、日本大学藤沢は書類選考を学科試験の併願入試に戻したことも影響したのか、466人33.5%の大幅減と、日大勢は振るいませんでした。大学の問題が影響したのかもしれません。

推薦入試の志願者増

次の特徴が、推薦入試で志願者増になった学校が目立ったことです。県全体では約500人、前年度比で約10%増えました。
出願基準の選択肢を増やした横浜創英の推薦志願者が倍増したほか、加点項目を追加した横浜清風、コース改編した平塚学園、出願基準を緩和した東海大学相模や鵠沼、横浜創学館、横浜隼人、柏木学園なども大幅に増えました。
これは私立高校に対する学費補助金制度が充実してきており、私立高に向かいやすくなっていることが背景にあります。それに加えてコロナ禍により、早く進学先を決めたいという受験生が1月の推薦入試に集中していると考えられます。

オープン入試の応募増

もうひとつの特徴がオープン入試の応募者増が目立ったことです。中央大学附属横浜は93人27.0%増、桐蔭学園(A方式)は266人49.2%増、横須賀学院(アビリティ)は52人から124人へと倍以上増え、麻布大学附属も56人52.3%の大幅増でした。
県内の私立高校は併願入試を受ける場合、他の私立高を受験することはできませんが、オープン入試は受験可能です。このオープン入試の応募者増は、私立高同士の併願者が増えていることを示しているようです。

書類選考利用者増

県内の私立高入試は首都圏でも特異な地域です。それは書類選考型の入試を多くの学校で取り入れており、受験生は学力検査を受けることなく書類審査のみで合否が決定するところにあります。書類選考はコロナ禍の2021年度入試で一気に広がり,2022年度では一般入試の志願者のうち約6割がこの制度利用者で占めるに至っています。
これは公立高入試と私立高入試の期日が近く,公立志望者の負担が大きいという本県の事情があります。しかし併願受験者にとっては検査を受けずに併願校が抑えられるため,第一志望校に集中できる便利な制度といえます。

「併願ドットコム」から見た検索校

首都圏16万ユーザーが利用している検索サイト、「併願.com」のデータから県内私立高校のエリア別検索ランキングを見てみると、次の様な学校が上位にきています。

【川崎・横浜エリア】山手学院・日本大学・横浜・桐蔭学園・横浜富士見丘・横浜翠陵・橘学苑・横浜清風・横浜創学館

【横須賀・鎌倉エリア】鎌倉学園・湘南学院

【県央・湘南エリア】東海大相模・光明相模原・柏木学園・アレセイア湘南

【小田原・足柄エリア】相洋

また、これらの学校群の他、複数の学校を早い段階から検索し、情報収集していたこともうかがえます。
さらに、川崎・横浜エリアや相模原エリアを中心に東京の品川区・大田区・目黒区や町田市などの私立高校を検索している動きも見られ、広い視野で志望校選びをしている受験生が多いことも特徴と言えます。来年の受験に挑戦する皆さんも、これからはさらに情報を先取りし、自分に合った志望校選びをしていきましょう

監修:高校入試活性化委員会(株式会社 リヴィジョン)

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