言い古された言葉ですが「夏を制する者、受験を制す」です。
勉強に適しているとは言えないこの季節。受験の勝者たちは、どのように乗り切ったのでしょう。
夏休みを目前に控え、心構えと過ごし方について考えてみます。
夏休みを中心とする夏の学習は、受験結果(合否)を左右します。そのことを言い表したのが「夏を制する者は受験を制す」です。よく塾や予備校の広告などで見かけますが、夏の勝者がそのまま受験の勝者になるという意味です。
では、なぜ夏の勝者が受験の勝者になるのか。今回はそのことについて考えてみます。
最初に結論を言っておけば、夏休みを中心とした夏の学習では、一人ひとりの勉強量に大きな差がつきやすいからです。たくさんやった人が勝ち、あまりやらなかった人が負けです。
夏の勉強量に差がつきやすいのは、学校が休みで授業がないからです。
授業がない分だけ、自分の計画に基づいた受験勉強をしっかり出来る人もいますが、授業がない分だけ勉強を怠けてしまう人もいます。ですから、ふだん学校があるときに比べ、勉強量に大きな差がついてしまいます。
学校や授業という強制力が働かない場面で自分自身をコントロールできるかどうか。ここが勝敗の分かれ目です。
皆さんは小学校以来、何度も夏休みの計画を立てたと思います。
計画と聞くと、何時に起きて、何時から何時まで勉強してと、一日の日課表を思い浮かべる人がいるかもしれません。また、いついつは模擬試験を受け、いついつは体験入学に行ってと、日程表を想像する人もいるでしょう。
もちろん、それらも計画には違いありませんが、受験生に求められている計画は、それではありません。強化プランです。
この長い自由な時間を使って、あなたはどの教科を強くしたいのですか。どの分野を強くしたいのですか。まず、これに対する明確な答えを用意してください。答えは夏休みが始まる前に出してください。
たとえば夏休みの強化プランとして「英語」を定めたとします。しかし、これではあまりにも漠然としています。もう少し具体化しましょう。「語い力(単語力)」なのか「文法力」なのか「長文読解力」なのか。
そして、方法として、どの参考書や問題集を使うのかを決めましょう。
一日に何時間勉強するとか、朝やるか夜やるかなどを決めるのはその後の話です。
目いっぱいの計画を立てて、その一部しか実行できないのと、控えめの計画を完全に実行するのとでは、どちらが自分のためになるのか。そこを考えてみてください。
夏休みの勉強は、量にこだわってください。量というと、「何時間」と時間だけを思い浮かべるかもしれませんが、「何ページ」も「何問」も量を表しています。
何時間かかろうと、今日は何問解くまで勉強をやめない。量にこだわるというのは、むしろこのような考え方のことです。
勉強は量より質という考え方もありますが、質の高い勉強を大量にやれれば、それが一番いいのではないでしょうか?
「こんなに勉強した夏は今までなかった」。後で振り返って、そう言える夏にしましょう。目指すは自己ベスト更新です。
夏は暑さという大敵があるので、勉強に適したシーズンとは言えません。だから学校も夏休みになるのです。そういう悪条件を乗り越えられれば、その先は条件が良くなる一方です。夏の勝者を目指し頑張りましょう。