入試の過去問題集(カコモン)への挑戦はまだ早い? いえいえ、そんなことはありません。
では、どのようにカコモンに取り組めば良いのでしょうか。 カコモンに詳しいシゲさん(S)と受験生カズ君(K)の会話をみてみましょう。
取り組み方のヒントがあるかもしれません。
S 過去問題集、買ってあげようか?
K いいよ、まだ。できる自信ないし。塾の宿題とか他の問題集もあるし。
S カコモンはすぐ解こうとしなくていいし、他の使い道もあるのよ。
K 枕とか?
S そのボケ、嫌いじゃないけど、ツッコまないからね。問題だけじゃなくて、情報も載ってる、っていうこと。
K 問題集は問題集じゃないの?
S それはそうなんだけど、読み物情報として『合格のめやす』では総合得点と偏差値がわかるし、埼玉県内公立高校の入試結果や小問ごとの正答率なんかも載っているの。それを読んで欲しいな。
K へえ、受験者平均点や「入試がどう行われたか」なんていうのもあるんだ。でも、文字数が多くて読む気がしない。マンガとかないの?
S マンガが入試問題で取り上げられることもたまにあるけど、今年の公立高校ではなかったみたいね。でも、読む気がしないカズ君の気持ちもわからないではないわね。気になる高校が一覧表のどこにあるのか探してみる、っていうのはどう?
K 実は『合格のめやす』はちらっと見たんだけど、意外に偏差値高いんで、ちょっと読む気が失せた。
S 目標が高くなるのは悪いことじゃないよ。
K それだけ勉強しなきゃいけない、っていうことになるのがイヤだなあ、って思ってさ。
S 勉強がイヤなのは自信がないからじゃない?
K うーん、勉強しようとすると眠くなるし、ゲームで遊びたくなるし。
S なかなかそうは思えないだろうけど、ゲーム感覚で勉強するのって悪くないのよ。
K 勉強は勉強でしょ。
S たとえば社会だったら、歴史マンガを読んでひととおり時代の流れをつかむとか、英単語や熟語を語呂合わせや歌で覚えるとか、ゲーム感覚でできることって結構あるものなのよ。
K カコモンだとそうはいかないでしょ?入試問題だから。
S 工夫次第じゃないかな。たとえば、解答用紙だけ見て、どんな問題が出ているのか想像してみる、というのはどう?
K 解答用紙だけでわかることなんてある?
S 定期テストで開始前に伏せてある試験用紙を透かして見て、解答欄が大きいとイヤだな、って思ったことない?
K ある!解答欄が小さいと記号選択問題だから0点は取りにくいしね。
S まあそういうこと。問題数と試験時間もチェックすることで、ペース配分も考えられるでしょ。
S 実際に出題された入試問題自体、情報でもあるのよ。ちょっとご覧なさいよ、この埼玉県公立高校の数学の学力検査の問題。最初の問題なら、解けそうじゃない?
K 文章題じゃないか、って思ったけど、計算問題なんだね。でも、入試問題だから、実は難しいんじゃない?
S ちょっと古いけど、2020年度の正答率を見ると最初の6題は90%前後だから、そうでもないんじゃないかな。
K それ、よっぽど難しい学校を受ける、頭の良い人達の話じゃないの?
S なに言ってんの。公立はキホン、共通問題よ。
K え?公立って学校によって問題、違わないの?
S 埼玉県の場合、英語・数学は学校選択問題と一般的な学力検査問題の2種類があるけど、国語・理科・社会は全て共通問題。学校選択問題のほうが応用問題や記述問題は多いけれど、計算問題も出題されているし、一般の学力検査との共通問題もあるわ。
K じゃあ、いろんな公立高校を受けた先輩たち全員のうち、10人中9人以上が正解だった、ということか。
S そうなるわね。他にも正答率の高い問題があるから、まず90%台の問題だけやってみる、っていうのも悪くないんじゃない?それができたら80%台の問題だけ、っていうふうにやっていくのも良いと思うよ。
K 入試問題って入試本番と同じように時間計ってやるもんじゃないの?
S それが一般的なやり方だけど、まだ習ってない単元もあるし、習っていたとしても自信の無い単元だってあるでしょ?最初は手をつけ易い問題だけ解いて、難しそうなのは答を見てもいいから、出題の傾向を探っていくのも大事。どんな問題が出るのか解ると、対策も立てやすくなるでしょ?
K でも、正答率90%以上の問題が解けなかったらショックだな。
S そうかな?学力を伸ばすチャンスだと思うよ。ほとんどの人ができた問題なら、きっとカズ君でもできるはずだし、それができるようになれば得点力は上がるってことじゃない。
K 解けなかった問題を解けるようにするのってどうやるの?
S 漢字とか単語とか知識問題だったら、覚えることね。何回も声に出して読んだり、ノートに繰り返し書いたりすれば、何とかなるでしょ。考えなきゃ解けない問題は、まず解説をよく読むの。なかなか頭に入らなかったら、解説文を書き写すのも良いわ。それでもよくわからなかったら、その問題の単元の教科書を読んで、演習問題があったら解いてみること。
K 教科書の単元の探し方がわかんないよ。
S カコモンの解説ページでは小問の最初に単元が書いてあるから、その単元を3年分の教科書から探せばいいの。教科書の巻末に索引が載ってる場合もあるし、目次から探せば何とかなるでしょ。
K 3年分の教科書か。中1と中2のときのを探さなきゃ。
S 5教科だけでも何とか探しなさいね。復習できたと思ったら、副教材や科目別問題集で類似問題を解いてみて、最後はその入試問題の小問をもう一回解いてみること。それでできていれば、得点力上がった!って自分を褒めてあげていいんじゃない?
K これさあ、1年前の問題も似てるよねえ?
S いいところに気が付いたねえ。そうなのよ。同じ科目の同じ大問を何年分も解いてみると効果的なの。類似問題を何度も解くことになる場合もあるから、結構練習にもなるのよ。
K 6年分まとめて英語のリスニング問題やってもいいってこと?
S そうした方が良いの。どんなことがきかれそうか見当がつくしね。
公立は出題順もそう変わらないけれど、私立高校の場合には大問の順番が年によって変わる場合があるの。でも、類似問題は多いから、そこだけ繰り返してみるといいわよ。
K ふーん。入試問題でも、それなら何とかできそうな気がしてきた。
S でもね、時間を計って実際の入試と同じようにやるのも大事。直前になったら試験時間を5分短縮するといいの。
K それ、キツそうだ。
S キツいくらいで丁度良いのよ。試験のときって緊張して時間が足りなくなりやすいから、その対策ってことね。答案を見直す時間も必ず確保して、ケアレスミスを防ぐのも大事よ。
K そこまでやるの?
S 普段やってる以上のことを本番に期待されるよりいいでしょ?
(監修・㈱声の教育社)
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