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東京 入試情報
2019.9.6

〈2020年度入試〉東京都「悔いの残らない志望校選択のために」-令和2年度

国と都の助成金が充実、公私の授業料格差が僅差に

学力検査の平均点は、教科によってばらつきが

6月末に都立高校の第一次・分割前期の共通問題の学力検査結果が発表された。
自校作成問題での実施校を除き、国語と数学は約36,300人、英語は約36,000人、社会と理科は約41,600人の平均となっている。
国語71・0点(65・9)
数学62・3点(66・5)
英語54・4点(68・0)
社会52・7点(61・5)
理科67・1点(61・5)
( )は前年度の平均
5教科合計では、前年度より15・9点下がっていた。共通問題の平均点は、これまで、国語は65~70点、他教科は55~60点になることが多く、作問の目安と見られる。
自校作成問題実施校は入っていないため、数値だけで教科の難易度は測れないが、高い平均点から、ケアレスミスには注意が必要なことがわかる。

入試の仕組みを知ることが、入試対策の開始に

「入学者選抜検討委員会」から発表された報告内容を基に都教育庁は、入試要綱の作成を行い、例年9月上旬には、入試要綱や、各校の選抜方法等が発表される。
28年度入試から「学力検査に基づく選抜の改善」が実施され、大きな入試変化があった。2年度入試は、前年に引き続き、この改善の定着の年度とされ、大きな変化はないもようだ。
ただし、30年度年から、進学指導重点校と進学重視型単位制高校は、入試問題の作成がグループから各校で作成する形に戻されている。
28年度からの大きな変更点(全日制課程)は、
①第一次・分割前期は、学力検査と調査書の比率を7対3とし、分割後期・第二次募集では6対4とする。
②調査書点の算出では、学力検査を実施しない教科の評定を2倍する。
③体育科・芸術科は、3教科に実技検査を加え、学力検査と調査書の比率を6対4とする。
④エンカレッジスクールは、調査書・面接・小論文(作文)・実技検査などを実施する。
⑤傾斜配点の実施…普通科・外国語系コース、科学技術科、ビジネスコミュニケーション科、国際科で実施できる。
等だった。また、学力検査の得点と答案は希望があれば本人に開示される。
また、実技系4教科の評定が2倍されるため、調査書対策では、提出物や実技への参加などに細心の注意が必要だ。
第一次・分割前期の共通問題での学力検査は、マークシート方式で実施される。

説明会・相談会に参加して、志望校を感じよう

高校募集をするほとんどの公・私立で、9月以降、学校説明会や入試説明会・体験入学を実施している。受験生に学校の雰囲気や施設、授業風景、部活などを実際にみてもらい、学校選択の参考にしてもらおうという流れは急速に拡大している。
また、私立高校では、12月中旬までに、生徒・保護者対象の個別相談を実施している学校が多い。
個別相談とは、通知表や各種検定、その他の資料などの実績をもとに「合格の可能性を判定する機会」とする学校と「入試や学校に対しての個人的な質問に答える場」とする高校がある。
高校の先生方と接する機会としても、個別の相談は重要だ。
また、説明会や相談会への参加は、合否の予測だけでなく、学校と自分の相性や、高校生活の実態を垣間見る機会としても利用しておきたい。
私立高校には、学校ごとに異なるコース(類型)や入試制度があり、中学校での三者面談などの前に希望するコースや利用したい制度や出願基準などを調べておくことも必要になろう。
私立志望者は勿論だが、都立志望者も、併願を前提として、私立高校の個別相談に参加したうえで受験に臨むことが必須になってきている。
説明会や相談会に参加の希望や、その報告を担任の先生にしておいてほしい。きっと良いアドバイスがもらえるはずだ。

私立入学者に対する学費助成制度がさらに充実

私立高校生に対して国から就学支援金という助成金が付く。来年4月から、大幅な増額が発表された。家庭の年収の目安590万~910万円未満が年11万8800円、590万円未満が全国の私立高校の平均の授業料となる見込みだ。
また、東京都の令和元年度では、私立高校進学者(在校生も対象)に対して、授業料の助成金制度がある。国の支援金に加えて支給されるが、元年度入学生から家庭の年収目安760万円未満は、国とあわせ授業料45万6千円が支給されている。国の助成金の拡大で、益々私学が身近になっているようだ。詳細は、東京都私学財団育英資金課まで(03-5206-7925)
私学入学者に対する公的な助成金の充実によって、学費にとらわれない、より自由に学校選択できる時代になっているのだ。
いよいよ受験生は、『志望校の選択』の時期に突入する。
9月から各高校は文化祭のシーズン、先輩たちが生き生きと活躍する姿を見るチャンスだ。
機会を見つけて是非訪問してみたい。高校を見て、触れて、感じて、目指す志望校と出合ってほしい。

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