よみうり進学メディア

東京 入試情報
2022.11.21

〈2023年度入試〉東京入試情報 「令和5年度都立入試(全日制)について/募集人員増減、改善点 ほか」-令和5年度

三田、向丘など20校で定員増。
中高一貫校の白鷗は高校募集停止に各校の倍率変化に注意

・都教育庁は、9月に入選抜実施要綱・同細目を、10月20日に令和5年度入試の都立高校の募集定員を発表した。
・来春の公立中学校卒業予定者は1,200人余り増加する。これに伴って都立高校の募集人員は、全日制16学級640人増加した。
・令和5年度入試では、出願がインターネットを利用するものになり、男女別定員は、全校で20%に緩和されるなどの変化がある。
・コロナ禍のため、学校説明会の実施が定員制や予約制となり、実際に高校へ行く機会が少なくなっているが、志望校決定の時期が近づいてきた。

都立の5年度入試の主な改善点は3点

9月に都教育委員会の入試検討委員会の方針が発表された。この方針に基づき都立高校の入試の改善が実施される。
・出願方法は、推薦による選抜(以下推薦とする)及び分割前期(以下一般とする)では、原則としてインターネットによる出願とする。その他出願に要する書類は郵送とする。
・男女別定員制は、対象となる108校の全校でで20%の緩和措置を実施する。
・東京都中学校英語スピーキングテストの結果を活用し、英語4技能のうち「話すこと」の能力を見る。
などの3点となっていた。

■都立高校の入試について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉東京都 「都立高校募集案内」発表、都立高受験まとめ-令和5年度

都立高校の募集人員増減は、23校に

都内公立中学校の令和5年春の卒業予定数は7万7,687人となっており,前年と比較して1,197人増加する(都内一貫校を含まず、公私連絡協議会資料より)。

これに伴って都立高校全日制の5年度募集人員は、167校で4万1,030人と前年より16学級640人増加した。 高校ごとでは、三田、向丘など20校で20クラスの学級増となる。
また、竹早と広尾は、学校施設の関係から1学級減になる。
中高一貫校の白鷗は、高校からの募集を停止する(2学級減)。
募集クラスの増減は23校に及ぶ。募集停止や定員の減少、更には男女別定員の緩和等は、各校の入試倍率を変化させるだけでなく、競合する学校の受験動向にも影響する場合が多いようだ。

なお定時制課程では、学年制で、南葛飾、江戸川で1学級減となり36校、募集人員は1,320人で60人の減、単位制の1学年募集は2,835人で変化はない。

■都立高校の募集定員について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉東京都 都立高「第一学年生徒の募集人員等」を発表-令和5年度

5年度入試は、推薦・一般とも高倍率が続く模様

コロナ禍で迎えた、今春の推薦入試では、全体で2・52倍、同普通科では2・94倍、一般入試では全体で1・36倍、同普通科では1・40倍と、前年度入試と比較すると推薦の倍率はやや下降し、一般は上昇した。いずれも高倍率が続いている。
特に普通科の推薦入試では、学校によっては5倍を超えるところもあった。

また例年、中学3年生の在籍の増減に対して募集人員の増減が実施されるため、入試全体としては極端な倍率の変化はないと考えられる。
5年度入試でも前年に続き、高倍率の学校が多くなると見られる。
推薦による選抜の倍率がやや低下した理由は、調査書の観点別評価の、観点の変更による評定変化、大学入試改革の実施により、現役進学率の高い私学志向になったこと、コロナ禍の中、早めに私学に進路を決めた受験生が多かったことなどが推測される。

■昨年度(2022年度)の倍率を調べたい場合は:よみうり進学メディア
〇都立推薦
〈2022年度入試〉東京都  都立高「応募状況(推薦応募)」倍率2.54倍 -令和4年度
〇都立一般
〈2022年度入試〉東京都 都立高校「都立高一般 受検状況(学力検査終了後)」発表-令和4年度

志望校の決定時期は、12月中旬が目安

12月中旬に、中学校で、都立高校への希望状況の調査が実施される。
この時期では、調査書がほぼ決定しており、私立高校の推薦や併願優遇などの制度の利用も学校を通じて確定しているため、ほとんどの受験生の第一志望校は固まってきている。
この調査の結果は1月上旬に新聞発表されるが、これは受験生の動向を知るための、精度の高い資料として注目される。
公立の具体的な高校の決定は、出願の日程から、この資料を見てから決めることもできそうだ。

コロナ禍の中で、志望校の決定には、情報の収集がますます重要となる。
各高校の説明会は、定員制や予約制となる事が多いようだ。予約開始から数時間で定員が一杯になるなどの不満も聞かれ、特に複数校への参加が難しくなっている。
予約が取れなかったり、説明会が終了している場合には、希望校に資料請求をしたり、インターネットを利用して調べることが重要となる。
学校の特色、入試の仕組み、私立では入試制度やコースごとの基準を調べておきたい。
いろいろな高校を見て、調べ、第一志望の高校にめぐり合って欲しい。

(岩佐教育研究所 岩佐桂一)

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