1日の勉強時間は人それぞれだと思います。やるべきことがたくさんある人は多くなるでしょうし、それほどない人は短くなるでしょう。
「私は1日6時間勉強して合格しました」といった話を聞くと、それくらいやれば合格できるのかと思ってしまいますが、6時間やった本人がそう思っているだけで、実はその6時間の中でやった内容が良くて合格したのかもしれません。いや、たぶんそうでしょう。力のつく中身の濃い勉強をやって、それをやるのに6時間かかったということでしょう。同じ内容をやるのに、ある人は7時間かかるかもしれませんし、また別の人は5時間で済むかもしれません。時間はあくまでも結果であり、ひとつの目安なので、それを目標にするべきではありません。
集中(力)については、この質問コーナーでたびたび取り上げました。繰り返し言っているのは、人間の集中などそれほど長くは続かないということです。まずは15分か20分、長くても30分くらいと考えましょう。間に5分とか10分の小休止を入れて、再び集中。これを何セット繰り返せるかです。
集中は元々長くは続かず、すぐに切れるものです。集中の度合いが高ければ高いほど長くは続きません。ですから、そこを悩んでも仕方ありません。短い集中を何回繰り返せるかを目標にしてみてください。そうすれば結果的に4時間、5時間の勉強ができるようになるでしょう。
高校は小中学校と違って義務教育ではありませんから、行くも行かないもあなたの自由です。行く意味がないと思っているなら、中卒で就職するのもひとつの選択です。ただ、50年前の日本と違って、中卒を好んで採用する会社は稀です。大学生でも就活(就職活動)で苦しんでいる時代なので、仕事探しは困難を極めるでしょう。
世の中には高校や大学を出ないと就けない仕事があります。皆さんにとってもっとも身近な先生という職業も、基本的には大学や大学院を出ないとなれません。最低でも高卒の資格を必要とする職業が世の中では多いのです。ですから、職業選択の可能性を広げるという意味では、高校には行ったほうが圧倒的に有利と言えます。
高校では、ひとつひとつの科目を中学校より深く学びます。その分難しくなるとも言えますが、面白さも増してきます。これも高校に行く意味のひとつです。
高校には全日制、定時制、通信制などがあります。また、普通科や専門学科という区別もあります。なりたい職業が決まっている人であれば専門高校や専門学科に進むことが考えられます。
そこまではっきりしていないなら普通科という選択になるでしょう。5教科や9教科を幅広く学ぶという点では中学校と基本的に変わらないからです。その中から何を本格的に学ぶかは高校に入ってから決めても遅くはありません。
模試の結果はあくまでも途中経過です。大事なのは入試当日に過去最高(自己ベスト)を叩き出すことです。出来なかった問題があったとしたら、「本番までに出来るようにしておきなさい」という警告だと受け取りましょう。早く気づいて良かったのです。本番までに対策しておきましょう。
ケアレスミスは受験生からよく聞かれる言葉です。「分かっていたのに不注意で出来なかっただけで、力がないわけではないのだ」、そう言いたいのかもしれませんが、注意していようがいまいが、失敗は失敗です。そこに区別はありません。ですから、まずケアレスミスという言葉を自分の中から追放しましょう。
同じようなミスを繰り返す人に共通するのは、原因を究明しないことです。ケアレスミスという言葉を使う人は特にそうです。
どんなミスにも必ず原因があります。「なぜ、そうしてしまったのだろう」「なぜ、そこに注意が行かなかったのだろう」ということを徹底的に追究しましょう。そして、原因がわかったら、それを取り除く方法を考えましょう。あなた自身は「気を付けている」つもりかもしれませんが、気を付ける方法や気を付けるポイントが違っているのかもしれません。このままではずっと繰り返す恐れがあります。
自分だけでは不安なら先生に相談に乗ってもらいましょう。先生方は同じような例をたくさん見てきていますから、きっと良いアドバイスをもらえるでしょう。
高校受験はみんな辛いと思いますよ。でも、それを乗り越えた先に楽しい高校生活が待っています。
先生が「諦めなさい」というのは余程のことだと思います。普通、生徒の方が弱気になって「諦めます」と言っても、「簡単に諦めてはいけない」と励ますのが先生の役割です。回答者も元先生ですが、無理とか不可能とか諦めろといったネガティブな言葉は滅多なことでは使いませんでした。
想像するに、今のあなたの成績とその学校の難易度とがあまりにもかけ離れているのでしょう。先生は、あなたの受験勉強に対する姿勢を物足りないと感じているのかもしれません。その程度の努力では到底合格しそうもないから、もっと頑張って欲しい。そういう激励の意味を込めての「諦めなさい」なのかもしれません。生徒の不合格を望んでいる先生なんているはずがありません。
あなたは、第一希望校合格に見合うだけの勉強をしてきましたか。夢を現実にするための努力をしてきましたか。そこを冷静に、そして謙虚に振り返ってみてください。もしも自分に反省すべき点があると思ったら、今日この瞬間からそれに相応しい努力を始めてください。
勉強は「やっても伸びない」などということはありません。やればやった分だけ必ず伸びます。すぐには目に見える結果として現れなくても、1か月、2か月先には必ず現れます。気持ちを切り替えて今日から始めてください。
逆算して試験に間に合う時間に起きればいいと思います。仮に8時30分ごろが集合時刻だとすれば、8時から8時15分を目途に現地に到着するとして、あとは家から学校までどのくらい時間がかかるか、起きてから食事して出発するまでにどのくらいの時間を要するかなどは個人差がありますから自分で計算してください。
入試の1時間目は9時とか9時半あたりかと思います。頭がフル回転できるようになるためには起床から3時間くらいかかるという説もありますから、そうすると試験会場までの所要時間などと関係なく6時か6時半ぐらいには起きていたほうが良いということになります。ただし、これも個人差があると思われますから参考程度でいいでしょう。いろいろな情報がありますが、それに振り回されず、自分にとって無理なく快適であるかどうかを重視したほうがいいと思います。
朝型、夜型というものをどのように考えられているのか分かりませんが、仮に普段、夜中の2時、3時まで起きている人を夜型というなら、そういう人が入試前夜だけ12時前に寝て当日朝6時起床というのはきついかもしれません。3~4日前から慣らしておいたほうが無難です。
こうでなければならないとか、あまり神経質になるのは良くありません。入試で大事なのは普段の力をフルに発揮することです。そのためには、あまり変わったことはせず、可能な限り普段通りの生活を心がけてほうがいいと思います。
(回答者:教育ジャーナリスト 梅野弘之)
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