体調管理で受験期を乗り切れ
いよいよ令和5年度入試の志望校決定の時期が来た。皆さんは、志望校は決まったろうか?
1月15日からの私立高校、12日からの都立高校の推薦入試への出願から、2月の都立第一次・分割前期(以下一般入試)の入試、3月1日の合格発表まで、一か月半に及ぶ高校入試がスタートとなる。
新型コロナやインフルエンザ感染のリスクのある三密を避け、健康に留意すること、志願校の高い倍率にくじけないこと、冬休み期間に向かって本気で勉強できるかなどが、受験に勝つための大きなポイントになるだろう。
今月号では、既報もあるが、現時点のチェックポイントをまとめた。
志望校確定の時、併願策戦でワンランクアップを
12月中旬には、調査書が確定する。同時に、中学校校長会の「都立高校への進路希望調査」が実施され、冬休み後には学校ごとの希望人数が発表される。令和5年度入試の動向を知るための重要な資料だ。
志望校の決定の時期となったが、都立希望者は、推薦・一般と2回の受験チャンスがある。私立併願を含め、受験作戦を立てて本番に備えてほしい。
■都立高校の入試について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉東京都 「都立高校募集案内」発表、都立高受験まとめ-令和5年度
私立の優遇制度を利用して、高倍率に備えよう
都立全日制の推薦入試は、4年度入試では平均倍率2・52倍、一般入試でも1・36倍となり、高倍率が続いている。
また、5年度入試では、男女別定員の緩和措置が10%から20%に拡大されるため、倍率以上に厳しさを増す学校が出現する可能性がある。
そのため、私立高校の併願制度を利用した受験を検討しておきたい。
ただし、私立高校の併願受験は、2月10日から開始されるため、一般入試の出願の時点では、まだ受験前となる。
このため、都内私立高校の多くで「併願優遇制度」が設けられている。
また私立が第一志望の場合は、単願・推薦の優遇制度がある。各校が設けた基準以上の生徒は、12月中旬から中学校を通じての(入試)相談を可能としている。
担任の先生への報告・連絡・相談を欠かさないことが何より重要だ。
■東京都内の私立高校「入試要項」は:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉東京都 「私立高入試要項一覧」発表-令和5年度
教科書は、最高の参考書 新たな分野は要チェック
都立高校の入試問題の出題範囲は「中学校の3年間で学習した内容」とされている。また、各学年の内容がまんべんなく出題されることも特徴となる。
一昨年においては、新型コロナの影響から、およそ3か月に渡り学校の臨時休校措置が採られた。
このため、都立高校の入試では、3学年後半の単元の多くが出題範囲から削除された。令和3年度入試の問題を紐解く場合には、このことに注意が必要となる。
さらに、前年から中学校では、新しい学習指導要領の施行(移行期間を含め)にあわせ教科書が改訂され、数学や英語などで、これまでにない分野を学んでいる。
7月号の本誌の再掲になるが、数学では、中1で「累積度数・累積相対度数」、中2で「箱ひげ算」「四分位数・四分位範囲」「反例」などが加わった。英語では、単語数が増加するとともに、「感嘆文」「仮定法」「原形不定詞」、「現在完了進行形」が、理科では「ダニエル電池の実験」が加わっている。
特にこの分野は復習しておいてほしい。
新たに、問題発見や解決を求める出題も
学習指導要領で目標とされた教育の目標として、各教科の知識・理解は無論だが、それに加えて思考力・判断力・表現力などを重視することとなっている。
このため、「資料文の提示」や「対話形式での出題」といった形式が増えてくるかもしれない。
先日実施された東京都中学校英語スピーキングテスト(ESAT‐J)も、英語の4技能(読む・書く・聞く・話す)のうち、これまで行われなかった話す力を見るためのものだ。
したがって今年は特に、教科書中心に中学1・2年生の内容から見直しておきたい。
また、都立・私立ともに過去数年の入試問題を繰り返し解いてみることは参考になる。
同じ問題は出題されないし、新しい分野が加わる可能性はあるが、入試の出題方法や難易度に変化はないはずだ。
都立一般入試のマークシートに注意
都立第一次・分割前期の学力検査に基づく選抜では、独自問題実施校を除く全校で、マークシート方式で実施される。
マークシート方式では、記述式解答と異なるコツがあるので基本を押さえておこう。
・H、HBなどの柔らかめの鉛筆を使用する。
・解答用紙に傷がつかないよう筆圧に注意する。
・書き直す場合、消しゴムであとが残らないようきれいに消す。
・「消しゴムのかす」が残らないよう注意。
・解答欄のずれや、2重マークを見直す。
などに注意してほしい。
冬休みは計画を立てて、無理なく実行しよう
私立高校の推薦の出願まで6週間、都立一般入試出願までも2か月余りとなった。
これから冬休み期間を含め、皆さんにやってほしいことは、計画を立てて実行すること、それと自身の健康管理だ。
無駄を省いて睡眠時間を確保すること。外から帰ったら消毒液で手を洗い、うがいを忘れないこと。外出時にはマスクを忘れず、3密を避けること。注意することはたくさんある。
風邪の症状や腹痛、発熱などがあったら、早めにお医者さんに行っておこう。担任の先生への報告も忘れずに。
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)
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