今月のテーマ「いまが重要、6月の勉強法」
勝負の分かれ目は実は6月、
1年でもっとも実力差がつきやすい季節
受験生にとって夏休みは重要です。が、それよりもっと重要なのがいま、6月です。
みんなが頑張っている時は、自分の実力は伸びていても、
人との差は広がったりも縮まったりもしません。
まだ受験生になり切っていない人が多いこの時期の努力こそが、素晴らしい結果につながります。
受験生の実力差はどこでついているかを考えてみます。
まず受験勉強の期間は4月から翌1月までの10か月であると仮定します。本番試験は1月から3月にかけて実施されるので、地域差や個人差はあるにしても、大体そのくらいでしょう。
では、その中で実力差がいちばんつきやすいのは、どの時期でしょうか。
本番直前は差がつかない
例年の受験生の動きを見ていると、本番試験の1・2か月前はみな猛勉強します。寝る間も惜しんで勉強します。ですからどの受験生もどんどん実力を伸ばして行きます。しかし、このように全員が頑張っている時は、実力差はつきません。
相手が立ち止まっていたり、のんびり歩いていたりすれば、ほんの少しスピードを上げて走るだけで追い越せますが、みんなが必死で走っているときは、差をつけることも差を縮めることも難しいのです。
後半戦より前半戦で差がついている
さて、このように考えると、本番試験から遠い時期ほど差がつきやすいだろうということが容易に想像できます。
前述した受験勉強の期間10か月を2つに分けると、4月から8月までの5か月間が前半戦、それ以降が後半戦となりますが、差がつきやすいのは前半戦、つまりいまの時期なのです。
部活の試合や学校行事(修学旅行や体育祭など)で忙しいこの時期ですが、そんな中でも、受験生としての自覚を強く持ち、地道な勉強を続けている人も多いでしょう。そういう人が相手との差を広げたり、相手との差を縮めたりができる人です。
夏休みより、夏休み前
夏休みに入ると部活も引退し、受験勉強に取り組む人が増えてきます。塾の夏季講習に参加する人も出てくるでしょう。みんな少しずつ頑張り始めます。ということは、差がつきにくい季節に入っていくということです。
もちろん頑張れば実力は間違いなく伸ばせます。ただ、実力差という観点からは、夏休みは差を広げたり差を縮めたりということができにくいのです。
6月についた差が最後まで響く
さあ、ここまで話せばもうお分かりでしょう。
夏休み・冬休み、定期考査の直前。これらは実力を伸ばすことはできても、差はつきにくい時期です。
本番まで時間があり、前半戦であり、さらに言えば夏休み前であるいまの時期こそが、もっとも実力差がつきやすい時期なのです。
合格にもう一歩足りなかったと悔やむ人がいますが、最後の頑張りが不足していたわけではないのです。足りなかったのはこの時期の頑張りです。
毎日30分、その積み重ねがものを言う
6月の重要性は分かった。夏休み前の重要性も分かった。では具体的に何をどうやればいいのか。そう思われた人も多いでしょう。
そこでいくつかアドバイスします。
家での学習は学校の予習・復習が中心になるでしょう。あるいは宿題・課題が中心になるでしょう。これらはそのままでいいでしょう。というか、手を抜いてはいけないところです。
これらに加え毎日1時間、当面の学校の授業を離れた受験勉強の時間を設けてください。1時間が無理な人は30分でもいいです。
内容は1・2年の復習です。用意するのは教科書と問題集(できれば過去問)です。
5教科まんべんなく出来ればベストですが、自信がない人は比較的得意な教科から始めるのがいいでしょう。
これで間違いなく差がつけられます。
授業の受け方にも一工夫
授業に取り組む姿勢も変えてみましょう。
大事なのは意識です。方法も大事ですが、それ以前に意識です。
試合に臨むのに「勝ちたい」と思うのと「負けてもいい」と思うのとでは、どちらが好結果を生むでしょう。おそらく「勝ちたい」の方でしょう。気持ちの持ち方はとても重要です。
授業は受験勉強の一部なのだ。この場で理解し覚えてしまうのだ。
持って欲しいのはこのような意識です。たったこれだけで授業の成果はこれまでとまったく違うものになるでしょう。
(よみうり進学メディア編集部)
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