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動画に登場する先生方は皆さんとても説明が上手ですね。
が、ここに注意しなければならない落とし穴があります。あまりにも説明が上手なため、つい「分かった気」にさせられてしまうのです。もちろんそれ自体は悪いことではありませんが、動画勉強にはひとつ重要な部分が抜けています。それは、本当に分かったのか、それとも分かった気になっているだけなのかの確認作業です。
たとえば学校の授業であれば、先生が解き方を説明した後に、「では、実際の問題を解いてみましょう」という場面があると思います。また、指名されて立って答える場面もあると思います。これが確認作業です。本当に分かっているのであれば問題も解けるでしょうし、先生からの質問にも答えられるでしょう。
動画を見て、「分かった」「覚えた」と思ったら、そこで終わらせずに本当にそうなのかを確かめてみましょう。具体的には入試問題などを解いてみるのがいいでしょう。そうすれば「分かった」「覚えた」が本当なのかどうか判断できます。もし問題が解けなければ、「分かった気」「覚えた気」になっているだけですから、動画を見返すなり、教科書を見返すなりしたうえで、もう一度問題を解いてみましょう。
動画を利用するかしないかに関わらず、受験勉強では問題練習によって知識を確認し、定着させるという作業が欠かせません。長時間やっている割に効果がないのであれば、実際の問題を解いて試す作業を加えてみてください。
■よみうり進学メディアのメニューにある「勉強」カテゴリーに、公立・私立各校の実際の入試問題を載せています。動画で見た単元の問題を探し、解いて確認作業をしてみましょう。
また、各都県公立高校の入試問題はこちらでも確認できます。
・都立高校の入試問題と解答(全教科):よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉東京都 2023年度 都立高校入学者選抜「学力検査問題・正答表」-令和5年度
・埼玉県公立高校の入試問題と解答(全教科・学力検査/学校選択問題):よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉埼玉県 2023年度 公立高学力検査「入試問題&正答」-令和5年度
・神奈川県共通選抜の入試問題と解答(全教科):よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉神奈川県 2023年度 公立高校共通選抜「学力検査問題」「追検査問題」-令和5年度
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入試に絶対はありませんが、合格の確率を限りなく100%に近づけるには自分の実力より2ランク、3ランク低い学校を受けることです。また、その学校の倍率が1.00倍を下回っていれば、基本全員合格ですから、そういった学校も選択肢に入ってくるでしょう。
本来であれば倍率や難易度に関わらず自分がいちばん入りたい学校を受けてほしいところですが、「入りたい学校」より「入れる学校」を優先するのもやむを得ないでしょう。ただ、そんな中でも、「ここなら3年間続けられる」と思える学校を選んでいただきたいと思います。倍率の低い学校は、他の学校と比べて相対的に人気がないということであって、教育内容に問題があるということではありません。学校説明会などに積極的に参加して、自分に合った学校を見つけてください。
都道府県ごとに制度・仕組みが異なりますが、公立高校は、定員に達しなかった場合、二次募集や欠員募集(都道府県により呼称はさまざまですが)を行っています。それらを利用すれば、どこの高校にも入れないという事態は避けられるでしょう。
ここで都道府県ごとの制度・仕組みを詳しく解説することはできませんので、入試選抜要項(要領)などで確認してください。また、中学校の先生方は、過去のさまざまなケースをご存知だと思いますので聞いてみてください。
■私立高校に進学する場合、各都道府県と国と両方に「就学支援金」制度があります。
「私立高校を受験もしない」と最初から決める前に、支援金額を確認し、先生と相談してみるのはいかがでしょうか。以下は埼玉県と神奈川県の例です。
・昨年度(令和4年度)埼玉県の場合
特別寄稿「私立高合格を確保してから、公立高にチャレンジしよう」大学通信情報編集部 大野香代子先生
・本年度(令和5年度)神奈川県の場合
〈2024年度入試〉神奈川県 私立高校「私立学校学費支援制度」-令和6年度
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やるべきことがたくさんあって時間が足りない。
そういう経験は誰にでもあります。この先、高校や大学に進んでも、あるいは社会人になっても同じような経験をすることになるでしょう。
この悩みの解決策のひとつは、やるべきことに優先順位をつけることです。
普段の優先順位第1位は受験勉強であったとしても、定期テストが近づいてきたら、その時期だけはテスト前勉強を第1位に繰り上げます。その結果、受験勉強(1・2年の復習など)の優先順位が下がったので、それに割り当てる時間を減らします。仮にゼロにしたとしても、定期考査用の勉強も受験につながるものなので、全体として見れば受験勉強を全くやっていないということにはなりません。
3学期制の学校を想定した場合、定期テスト前勉強を最優先にする時期が、あと3回あります。1学期期末、2学期中間、2学期期末です。調査書点(いわゆる内申点)にも関わるので、直前1週間から10日は定期テストに全力集中でいいでしょう。が、それが終わったら、直ちに受験勉強(1・2年の復習など)を優先順位第1位に戻します。
質問の中に、受験勉強(1・2年の復習)は夏休みからとありますが、その考え方はどうなのかなと思います。期末テストが終わったその日くらいは少しゆっくりするのもいいですが、受験勉強を再開するのに夏休みまで待つ必要はどこにもありません。翌日からは中断していた受験勉強に戻ってください。
■関連情報として「今月のテーマ~6月の勉強法」もご一読ください
〈2024年度入試〉6月のテーマ「いまが重要、6月の勉強法」-令和6年度
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模試成績が良かったら、その時は褒めてあげてください。結果が良かった時はそれを褒め、結果が悪かった時はそれまでの経過(プロセス)を褒めてあげればいいのです。「良かったね」「がんばったね」くらいでいいと思います。記述問題がどうとか、応用問題がどうとか、英語がどう数学はどうとか、そんなことを言っても聞かないと思います。お子さんは親を入試の専門家とはみなしていないと思いますから、そういうのは中学校や塾の先生に任せておきましょう。
さて、それはそれとして模試成績のことですが、今が良好だからといって、それが本番まで続くかどうかは分かりませんね。合格判定にしても、単に現時点における可能性を示しているだけであって、合格を保証するものではありません。まあ、このあたりはお子さんも分かっていると思いますが。
親目線で見れば、本気度に疑問符が付くかもしれませんが、やるべきことをやっているから現在の成績があるわけです。家ではダラダラしているようでも、学校の授業中は人並外れた集中力を発揮しているかもしれません。
まだ夏休み前ですから、本気で受験勉強に取り組んでいる人は少なく、半分以上の人はまだ寝ている状態です。が、そういう人たちも、さすがに夏休みあたりからは目覚めて活動を始めるでしょう。そうなると今度は追われる立場になりますが、受験勉強というのは「先行型」が断然有利です。このリードを最後までキープできるように応援してあげてください。
(回答者:教育ジャーナリスト 梅野弘之)
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