令和7年度(2025年度)入試戦線が幕を開けました。この戦い(レース)にはスタートの合図がありません。すでに走り始めている人もいます。
早い学校は2月・3月に説明会を開催しており、そこには定員を上回る受験生(当時は中学2年生)が押し寄せました。また、GWの連休明けに入試イベントを予定している学校もたくさんあります。
さあ、一歩踏み出しましょう。このページでは、受験勉強の方法をはじめ、入試を乗り切るための4つのヒントをお送りします。
皆さんは平日、一日の多くの時間を学校で過ごします。そこでは先生の指示や助言もあり、皆同じように勉強に向かいます。勉強時間も差がつきません。
差がつくのは家での勉強です。3~4時間の人もいれば、1時間に満たない人もいます。この差が1年後(実際はあと10か月程度)、どれだけ大きな差となるか、ちょっと計算してみればすぐに分かるでしょう。
夏休み前半までは部活を続ける人もいるでしょう。修学旅行など学校行事も多いでしょう。ですからあまり多くの勉強時間は取れないかもしれません。しかし、そんな状況だからこそ、家での学習時間を確保し習慣化できた人と、そうでない人の差が現れるのです。
まずは毎日家で机に向かう習慣をつけることから始めましょう。
スポーツや習い事もそうですが、勉強もただ長く、「量」をたくさんやればいいというものではありません。どんなに「量」をこなしても中身の「質」が悪ければ上達につながりません。
しかし一方、「質」が同じであれば、差がつくのは「量」の違いです。
ですから皆さんは「量」と「質」を共に追求し、その両立を図ってください。
勉強方法については次の項で扱いますが、「質」の高い最適な勉強法を発見するには試行錯誤が必要です。最初から自分にぴったりの方法は見つからず、いろいろ試してみなければなりません。それには時間が必要となります。
自分の限界まで時間、イコール量を増やし、その上で、同じことをもっと短時間でできないかと工夫してみましょう。
基本、入試問題は教科書の内容に沿って出題されます。
ですから理屈の上では教科書を完全にマスターしていれば、どんな問題も解けるということになります。
受験勉強においては参考書や問題集も重要なアイテムですが、その前に教科書です。受験勉強は教科書に始まり教科書に終わると考えてください。
入試問題の出題範囲は1年から3年までの全範囲です。
たとえば問題を解いていると1・2年の知識が必要になることがあります。そんなときはすぐに教科書で確認しなければなりませんが、肝心の教科書が目の前に無ければ復習の機会を逃してしまいます。
今すぐ1・2年の教科書を手に取れる範囲に置くことにしましょう。
入試問題はふだん皆さんが受けている定期考査とは性格が異なります。問われている内容は変りませんが、問われ方(出題形式)が違います。つまり、聞かれている内容は同じだが、聞かれ方が異なるということです。
一般的に入試問題は定期考査より問題文が長いです。複数の資料やグラフ、表、写真や図などを読み取ったうえで解答する問題が多いです。試しに実際の入試問題を見てみれば、両者の違いがすぐに分かるでしょう。
その意味で、今すぐにとは言いませんが、過去問練習は欠かせない勉強法です。
模擬試験は出題内容や出題形式が実際の入試問題と近いので、できるだけチャレンジしましょう。自信がないという理由で避けていると、入試問題特有の出題形式に慣れる機会を失います。
■昨年度(令和6年度)の、実際の入試問題を見てみましょう:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉埼玉県 2024年度 公立高学力検査「入試問題&正答」-令和6年度
予習と復習が授業理解を深めます。
時間的には「予習3・復習7」あるいは「予習2復習8」程度と考えればいいでしょう。どちらかと言えば復習重視です。
教科書にざっと目を通すだけでも立派な予習です。新しく出てきた単語の意味を調べたり、例題を自力で解いてみたりすれば完璧な予習です。
予習は不要と言われる先生もいるかもしれませんが、その習慣がないまま高校に入ると苦労します。授業スピードも格段に速くなり、予習前提の授業をする先生も少なくないからです。今のうちに、ほんの少しでも予習をする習慣をつけておきましょう。
受験生が必要とする情報は主にふたつあります。
ひとつは入試に関する情報、もうひとつは学校に関する情報です。
1 入試に関する情報
入学試験の制度や内容・方法などに関する情報です。
これらの情報は公開されています。特に公立入試に関してはこれが徹底されており、極秘情報などは一切ありません。入試の公平性を保つために情報も公平に行きわたらせるべきだと考えられているからです。
2 学校に関する情報
学校ごとの情報です。
これについては、各校のホームページや案内パンフレットなどが主な情報源となります。
後述しますが、実際にその学校を訪れ、自分の目と耳で集める情報も非常に重要です。
他にも知りたい情報はたくさんあると思いますが、主なものは以上のふたつです。
公立入試情報に関してですが、受験生が必ず押さえておかなければならないWEBサイトがあります。
まず埼玉県教育委員会のサイトです。重要な情報は中学校を通じて皆さんに伝えられますが、その元になっているのが県教育委員会のサイトです。※1
さらに県立総合教育センターのサイトです。ここは県教育委員会の関連機関です。過去3年間の入試問題と、その分析などがこのサイトで見られます。※2
このふたつのサイトは必要に応じていつでもアクセスできるようにしておきましょう。
私立入試に関しては、学校ごとに制度や仕組みが異なるので、各学校のホームページで情報収集しましょう。
■※1 埼玉県教育委員会のサイト
(トップ~入試・転編入学~高等学校~令和7年度埼玉県公立高等学校入学者選抜に関する情報)
令和7年度埼玉県公立高等学校入学者選抜に関する情報
■※2 県立総合教育センターのサイト
(トップ~入試情報へ進むと「過去の入学者選抜学力検査結果」「令和7年度入試情報」「学校説明会情報」などのコマンドがあります)
県立総合教育センター
ここまではスマホやタブレットさえあれば居ながらにして集められる情報でしたが、それだけでは不足です。学校選びで真に重要なのは自らの行動によって集める情報です。
その機会が学校説明会や体験入学などです。
本格的な開始は夏休みに入ってからという学校が多いのですが、早い学校は5月、6月にも説明会や授業公開を実施します。一般的には事前申し込みが必要で、1か月前から予約開始となるようです。
今の時点では志望校がはっきりしていない人もいると思いますが、最初の1校目をできるだけ早く訪問してみましょう。いくつか見ているうちに徐々に自分の気持ちも固まってくるでしょう。
計画を立てる前に必要なのは目標です。なぜならば計画とは、目標を実現するための手順のことだからです。
まずは目標を明確にしましょう。
たとえば「苦手な数学を強化する」という目標があったとします。では、そのために何をやるか、どうやるか、いつやるか。これが計画です。
計画は、達成の度合いを見ながら途中で変更してもかまいません。むしろ定期的に見直しをしたほうがいいでしょう。要するに最終的に目標を達成できればいいのです。
さあ、今すぐ目標を掲げましょう。
最初からものすごく細かい計画を立てないほうがいいです。
まずは学期単位の計画、次に月単位、週単位という具合に徐々に期間を短く、そして具体的にしていくのが立て方のコツです。
何時に起きて、何時から何時まで勉強してというのも計画の一種には違いありませんが、本来の計画は目標達成に向けた「工程表」であることを忘れてはいけません。
連休が明けると数週間後に中間考査という学校も多いでしょう。そこで手始めに中間考査に狙いを定めて目標を決め、それを実現するための計画を立ててみましょう。
その次は期末考査。さらに少し長めですが夏休みの計画。
本来ならば本番までの計画を立てたいところですが、なかなかイメージしにくいでしょう。
目標設定や計画立案も練習しないと上手くなりません。
(よみうり進学メディア編集部)
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