※前後編の記事です:前編はこちら
〈2025年度入試〉埼玉入試情報「令和6年度公立高校入試の検証から7年度入試を探る」前編
説明会・相談会へ参加して、志望校と出会おう
気が付けば夏休みまで2か月を切り、高校入試期間まであと8か月あまりとなった。勉強、部活、学校行事に今こそ頑張る時だ。
君たちに今必要なことは「悔いを残さない志望校の選定」「学力の向上のための努力」「調査書対策」だ。
今から夏休み期間にかけて、学校ごとの説明会や体験入学、多くの学校が参加する大規模な進学フェアが開催される。
志望高との出会いのチャンスだ。こんな機会をぜひ活用してほしい。
3年生の夏は忙しい。健康管理に注意し、計画を立てて梅雨時期を乗り切れ。
県が発表した、入試問題の「出題方針」では、
1 中学校における平素の学習を重んじ、中学校学習指導要領に基づいて出題する。
2 基礎的な知識及び技能をみる問題とともに、知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等の能力をみる問題の出題に配慮する。
3 各教科の目標に照らして、受検者の学力を十分に把握できるように、出題の内容、出題数に配慮するとともに、記述による解答を求めるよう配慮する。
とされている。
入試問題は教科書の内容に沿った基礎的・基本的なものという方針に変化はない。
しかし、思考力・判断力・表現力を高めるためには、これからの中学校の授業に集中して臨む必要がありそうだ。
出題内容は同じでも、出題形式によって難易度は変わる。
記述式の問いには、用語・単語を答えさせる形式と、論述形式の問題がある。
思考力・判断力・表現力を見る問題として、図表やグラフ、統計資料、実験結果などから、その意味することを読み取り、答えさせる問題が教科ごとに出題される。そんな問題に苦戦する受験生も多いようだ。
(編集部注)
実際に出題された入試問題で出題形式を見てみましょう。こちらのページで過去の問題と解答をチェックできます。
■過去の入学者選抜学力検査結果:埼玉県総合教育センターホームページ
令和6年度入試の平均点については、こちらのページを参照してほしい。※1
5教科合計の平均点は280.5点、選択問題を含む5科が280.4点となり、5年度入試より約0.5点、選択問題採択校で6.2点低くなっていた。
5教科合計では、国語の作文を含み137問の小問で構成(選択問題を含む5科は134問)されており、このうち78問、56.9%(同76問56.7%)が記述形式の問題だった。
うち、文章表現や作図・証明が36問(同39問)も出題されており、記述形式の問題の配点は全体の63.4%(同64.4%)になる。
文章表現などでは、部分点を認める問題も多い。部分点を認める問題の部分点の採点については、高校ごとで検討することになっている。厳しく採点する学校と、そうでもない学校があるということだ。
記述問題が多いこと、記述問題の配点が高いことが埼玉県公立高校入試の特徴と言えるだろう。
過去の入試問題は「秋以降に解く」という人が意外と多い。しかし、1・2年生の学習範囲から多く出題されることや、問題の出題方法や解答の仕方など、早く見ておくことで参考になることは多いはずだ。
■※1 令和6年度入試の平均点について詳しくは:よみうり進学メディア
埼玉県 公立高校「2024年度入学者選抜実施状況(平均点など)」-令和6年度
令和7年度の入試日程は既に発表されている。※2
全校でインターネット出願が採用されたこと、これに伴って出願期間が1月27日から2月10日までと、これまでの3日間から2週間に広がったことが大きな変更点だ。
具体的な出願手続きは、まだ発表されていないが、前年(令和6年度)に施行された県立11校と市立4校の出願では、
・願書作成―入力しプリントアウトする。
・選考手数料―電子収納により納付
・提出書類―プリントした入学願書、調査書
・受検票―各自でプリントアウト
などとなっていた。
市立高校は、選考手数料の納付方法が異なっていることに注意が必要だ。
氏名は常用漢字を用いて入力するが、不可能ならばカタカナで入力し、出願情報の欄で「外字利用」でありを選択できる。
また、選択問題採用校は、22校で前年度と変わらない。
■令和7年度の入試日程について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2025年度入試〉埼玉県 公立高「入学者選抜の日程」学力検査は2025年2月26日 -令和7年度
今から夏休み期間中にかけて、各学校ごとの説明会や体験入学、大規模な進学相談会も実施される。
学校行事や部活・検定などで多忙な時だが、機会を作ってぜひ参加してほしい。行きたい学校にめぐり合おう。
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)
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