よみうり進学メディア

入試情報
2024.7.12

〈2025年度入試〉受験生Q&A 「志望校は部活の雰囲気で決めていいですか?」ほか-令和7年度

Q1
志望校を夏休み期間中の説明会に行って決めようと思っています。部活の雰囲気を最優先にしようと思っているのですが、他に注意しなければいけないポイントなど教えてください。よろしくお願いします。

 

A1
学校選びにおいて何を重視するかは人それぞれでいいと思います。ですから、部活の雰囲気を優先する考え方があってもいいでしょう。
ただ、質問を読む限り、あなた自身も「もしかしたら、それだけではまずいんじゃないか」と思っているようですね。
そうなんです。やはり学校選びはいろんな角度から考えてみる必要があるのです。

たとえば通学の距離や時間です。あまりにも遠く時間がかかるようだと体力的にもきついし、勉強にも支障が出てきそうです。
勉強の内容やレベルも考えなくてはいけませんね。自分の望む内容やレベルと違っていたら、たとえ部活は楽しくても高校生活全体は辛いものになるかもしれません。また、3年後の進路も考えなくてはいけませんね。部活生活は楽しく充実したものであっても希望する進路が実現できなかったとしたら、何のための3年間だったかということになりかねません。

そう考えると、部活の雰囲気さえ良ければ、あとはどうでもいいとはなりませんね。雰囲気と言うなら、むしろ学校全体の雰囲気とかクラスの雰囲気とかのほうが大事かもしれません。
いろんな学校を見て、比較してみて、そのうえで、最終的に「部活の雰囲気の良さで決めました」というのはあっていいと思います。でも、最初に部活の雰囲気はどうかというところから入っていくのは、学校の選び方、決め方としてはあまり良い方法とは思えません。

 

Q2
友達は塾の夏期講習に行くと言っていますが、私は申し込んでいません。夏休みの間、ひとりでどのようにしたら良いかわかりません。学校の宿題以外、受験勉強は、何からどのくらいの時間、始めたら良いでしょうか。

 

A1
塾の夏期講習は、参加するだけで自動的に成績が上がるというものではありません。講義をしっかり聞くのはもちろんですが、きちんと予習復習をするとか、プラスアルファの勉強を自分でするとかしないと、ほとんど意味がないと言ってもいいほどです。

1人でやる場合、いちばん気を付けなければいけないのが、時間にルーズになってしまうことでしょう。夏期講習に参加すれば、塾によって時間が管理される形になるので、その心配がありません。とにかく、一にも二にも時間管理です。気分で勉強してはいけません。自分に厳しくできるかどうかが全てと言っていいでしょう。

個人差はあると思いますが、一般的に言えば、3年夏のテーマは1・2年と3年1学期までの復習です。もっと絞れば1・2年の復習です。苦手な教科や苦手な分野・単元はこの機会に徹底的に復習しておきましょう。入試で出るのは3年生の内容だけではありません。

教科書やノートを読み返すだけでも復習にはなりますが、問題を解いたほうが効果は出やすいでしょう。これまでの定期考査問題をとってあれば、満点が取れるようやり直してください。ある程度得意な教科であれば入試過去問に挑戦してみるのもいいでしょう。

時間については、ふだん学校があるときに6時間授業を受け、さらに家で2時間程度の予習復習をしているとすれば合計8時間です。夏休みもこれくらいはやりましょう。
8時間寝て、8時間勉強しても、まだ8時間残っています。8時間勉強なんて余裕ですね。

 

Q3
中学3年の今から、内申点を上げることは難しいと聞きました。今からでも間に合う内申点を上げる方法を教えてください。友達から加点制度があると聞きましたが、よくわかりませんので教えてください。

 

A1
各都県の教育員会が発信する公式文書の中に内申書という言葉は登場しません。内申書は俗語であり、正式には調査書と呼びます。入試に関して何か調べるときは調査書という語で調べましょう。

質問にある内申点とは、調査書に記載される「学習の記録の評定」のことですね。つまり、通知表などで知らされる「5・4・3・2・1」のこと。
中3の今からでは、上げるのは難しいという話ですが、決してそんなことはありません。今からでも上げられます。3学期制の学校と2学期制(前期後期制)の学校があるかと思いますが、たとえば3学期制の学校であれば、現時点(6月末)で1学期の成績も2学期の成績もまだ出ていません。ですから、これからの努力で上げることはできます。
ただし、一般的に入試で用いられる調査書点は1年または2年から3年までの合計です。ですから3年だけ頑張っても1年または2年の成績が悪いと調査書点全体を大きく引き上げるのが難しい場合もあります。
とはいえ、上げられる可能性は残っているのですから、残りの定期考査や日々の授業を頑張って少しでも高い点を取るようにしましょう。

加点制度は主として私立入試のことを言っていると思われます。どの学校でも必ずあるとは限りません。また、どんなケースで加点があるかは学校ごとに異なります。友だちに聞くより、先生に聞いた方が正確でしょう。いちばん良いのは学校説明会や個別相談などで確かめることです。

 

(編集部補足)
・調査書に記載される内容や「学習の記録の評定」の記載期間などは、各都県によって異なり、さらに高校ごとでも異なります。また公立高校と私立高校での扱いの違いもあります。
・公立高校の調査書点の扱いについては、各都県の「入試要項」に記載されます。ですがちょっと難しいので、保護者の方といっしょに確認するようにしてみてください。

■例えば埼玉県公立高校の場合
・令和7年度の「一般募集入学者選抜要領」該当ページはこちら:埼玉県教育委員会
2 一般募集入学者選抜要領(PDF)

・埼玉県公立高校の場合、「各高校の選抜基準」が発表されています。
こちらのページで調査書の加点について・選考(合格)の仕組みが分かります。
〈2025年度入試〉埼玉県 公立高「各高校の選抜基準」を発表-令和7年度

■<参考>検定での加点については※東京都(都立・私立)の場合:よみうり進学メディア
〈2025年度入試〉東京都 都立・私立高校「内申点加点に役立つ検定」-令和7年度

 

 

Q4
受験勉強に取り組まなければいけない時期に入っているかと思ってはいるのですが、塾に行っている以外は、何も取り組めていません。勉強へのモチベーションを上げるにはどうすれば良いでしょうか。

 

A1
他の質問の回答でも言いましたが、塾に行っていることと受験勉強していることとはイコールとは限りません。文字通り「行っているだけ」という人が結構いるものです。
週に数日、数時間の塾での勉強だけでは受験勉強としては不十分です。と言うか、まったく不足しています。学校や塾以外でどれだけ主体的に勉強するかが合否を決めるのです。

モチベーションというのはたぶんやる気のことだと思いますが、これは人から与えられるものではありませんね。コンビニとかでも売っていません。やる気は自然と自分の中から湧いて出るものです。

ひとつは明確な目標とか希望を持つことでしょう。この学校にどうしても入りたい。そういう気持ちになったら、普通に人は頑張れます。言われなくてもやります。
では、どうしたら目標や希望が持てるかですが、ある日突然降ってくるというものではないので、行動することです。
調べることも行動には違いありません。人の話を聞いたり相談したりするのも行動です。でも、いちばん手っ取り早いのは、実際にその学校に行ってみるとか、フェアなどに参加してみることでしょう。要するにきっかけが大事なんです。自分で自分に刺激を与えなければダメなんです。

今の生活をそのまま続けていたのでは永久にやる気なんて出てこないでしょう。いつもと違うことをやってみましょう。今までやったことのない行動をしてみましょう。たぶん、それによって心に何らかの変化が起きるでしょう。

 

Q5
行きたい学校は公立で今の偏差値から10くらい上の学校です。学費の都合などで、絶対にそこに行きたいのですが、偏差値を上げる方法、合格する(合格に近づく)ために、どういう勉強をすれば良いのかアドバイスお願いいたします。

 

A1
今からだったら偏差値10くらい上げられるかもしれませんよ。
ただ、偏差値というのは一種の序列ですから、みんなが同じように頑張ると偏差値に変化は起きません。みんなより頑張った人だけが偏差値を上げられる、そういう仕組みです。

偏差値を上げるには大きく2つの方法が考えられます。
ひとは得意教科を作り、それによって3教科や5教科の合計点を上げることです。もうひとつは、不得意教科を克服することです。これによって合計点が今までより上がるので偏差値も上がります。

ということで、偏差値が上がる仕組みはいたって単純です。
さしあたり、この夏休みということで考えた場合、得意な教科をひとつ、不得意な教科をひとつ、計2教科にしぼってみたらどうでしょう。他を全然やらないのはさすがに不安だというなら、得意教科に3割、不得意教科に4割、残り2教科に3割といった形で時間と努力を配分します。配分の仕方はいろいろあるので、あくまでも一例です。

夏休みといってもたかだか1か月ですから、そんなに多くのことはできません。
スポーツ選手なども時期によって強化目標を変えていると思います。同じメニューを単純に繰り返すのではなく、今はここに重点、次はここに重点という具合に全体を意識しながらも部分に焦点を当てた練習をしているはずです。これは受験勉強にもあてはまるのではないでしょうか。
「数学強化週間」とか「英語強化月間」、あるいは「文法強化週間」とか「歴史強化月間」といった形で目標を明確にし、それに合わせた時間と努力の配分をすれば、結果はついてくるでしょう。

 

(編集部補足)
・「偏差値について」受験生から毎年、『10上げたい』『志望校の偏差値に近付きたい』という質問が多数寄せられます。ですが合格に向けては偏差値の数値だけにこだわるのではなく、総合的な学力アップに取り組むことをお勧めします。
学力アップの参考に、こちらの記事をご一読ください。
模試の結果『第一志望校の判定はC』合格できますか?-模試判定は勉強に生かそう!:よみうり進学メディア

 

(よみうり進学メディア編集部)

 

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