過去にないぐらいの酷暑の夏が過ぎ、これからは、1日ごとに秋の気配が近づいてくる。
そんな中で、学校ごとの設定検査の内容が発表され、まもなく令和7年度の公立高校の募集人員が発表される。
5年度に開始した、公立高校の改革推進計画・第一次プログラムは、5年度では1校、6年度では16校に及ぶ、大規模な課程・学科・コースの変更だ。7年度も土気で保育基礎コースが設置される。
学校を知る前に、自らの将来を考え、研究する必要がありそうだ。
夏休みが過ぎて、いよいよ秋の陣、志望校の選択の時期が来た。
令和4年から13年までの県立高校改革を目指す。
「改革推進計画・第一次プログラム」は、5年度に船橋豊富に福祉コースを設置。
6年度では
・教員養成/国府台、成東、大多喜
・保育基礎/鎌ケ谷西
・医療系/小見川
・グローバルスクール/松戸国際
・理数教育の充実/船橋
・農業経営者育成/茂原樟陽
・起業家育成/千葉商業
・観光系/一宮商業
・コンソーシアム/松戸向陽
・先進IT/袖ヶ浦
・総合学科/匝瑳
・地域連携のアクティブスクール/行徳、市原
・通信制協力/銚子商業
7年度では土気に保育基礎コースが設置される。
令和7年度公立高校の募集定員が発表された。※1
千葉県では、令和7年3月の国・公・私立中学校の卒業予定者は、約52,320人で前年度と比較して約870人減少する(教育庁発表)。
このため、公立高校・全日制の募集人員は24学級960人減少し29,880人となる。
内訳としては、県立では21校で1学級40人の減、柏の葉で1級増、市立は市立稲毛が国際中等教育学校になったため高校の募集が停止となり4学級減となる。
定員増 柏の葉
定員減 京葉工業・機械、千葉北、泉、幕張総合・総合、柏井、土気、犢橋、八千代西、船橋豊富、浦安南、沼南高柳、流山北、安孫子東、成田西陵・園芸、富里、八街・総合、銚子、一宮商業・商業、安房拓心・総合、君津商業・商業、姉崎
※学科ナシは普通科
なお、定時制課程、通信制課程の変更は無い。
定員の増減は、当該校の倍率だけでなく、競合する学校の応募者にも影響する。さらに、在籍の減少数を上回る定員の減少は、公立高校の全体倍率にも影響しそうだ。
今後の入試動向の変化に注目しておきたい。
いよいよ志望校の選択の時期に差し掛かる。
色々な機会をとらえて、将来の進路を考え、本当に行きたい学校を見つけていってほしい。
■※1 令和7年度「公立高校の募集定員」ついて詳しくは:よみうり進学メディア
〈2025年度入試〉千葉県 公立高「第1学年生徒募集定員」を発表-令和7年度
千葉県教育庁は、6年度入試から5点にわたる改善策を実施した。
【改善策1】学力検査問題の解答方法は、短答を含む記述式(以下、記述式という)とマークシート式の併用型とする。
【改善策2】記述式部分の採点は、デジタル採点システムにより、別の採点者がそれぞれ採点を行った後、結果を突き合せて確認を行う。
【改善策3】合否のボーダーライン付近の答案点検を実施する。
【改善策4】採点・点検を行うための臨時休業日を追加で設定できるようにする。
【改善策5】採点・点検は、原則として全ての学校において同一の方法で行う。
これによって採点の精度が格段に向上したと見られる。
受験生は、HB程度の鉛筆を使用すること、消しゴムできれいに消すこと、消しゴムのかすを答案に残さないなど、マークシートの対策が必要になる。
県教育局から、7月末に出題の基本方針と、学校選択問題で採用されている「思考力を問う問題」の基本方針が発表されている。※2
いずれも前年と同じで、一般入学者選抜の「本検査」と「追検査」が対象となっている。
学力検査問題の出題の基本方針は「学習指導要領に基づき」とされ、7年度入試でも基礎的な知識及び技能をみる問題とともに、思考力、判断力、表現力を問う問題が中心となりそうだ。
出題の基本は「中学校での学習内容」であることは変わらない。
出題の基本方針には「学校の授業を大切にして欲しい」というメッセージが込められている。
■※2 令和7年度公立高校「出題の基本方針」ついて詳しくは:よみうり進学メディア
〈2025年度入試〉千葉県 公立高入学者選抜 「学力検査の実施教科」「出題方針について」
全日制一般募集では、出願にあたり「志願理由書」の提出を求める学校が3校3学科あることにも注意が必要だ。
薬園台・園芸、君津・園芸、幕張総合・看護
また、受検2日目に学校設定検査が実施される。
学力検査が3教科の定時制課程(16校中6校)では、1日目に実施となる。
学校設定検査では、面接、集団討論、自己表現、作文、小論文、適性検査、学校独自問題による検査、その他として思考力を問う問題などの検査が全校・全学科で実施される。
学校選択問題(全日制)の「思考力を問う問題」は、前年と同様に県立千葉、千葉東、東葛飾で実施される。検査時間内で、国語・数学・英語の教科ごとの小問を、より正確に理解し、より深く思考する力が問われる。
また、面接と自己表現、作文など複数の課題を採用する学校も13校13学科ある。
学校設定検査では、面接が72校114学科、自己表現が44校63学科、作文が9校14学科、適性検査が8校12学科などとなっており、学校ごとの内容を調べ、研究しておく必要があるだろう。
検査の結果は調査書等の書類審査を含め得点化し、総合的に合否を決定するとされている。
例年9月中旬に発表される「入学者選抜実施要項」で、学校ごとの得点化の方法が明示される。
県内公・私学の高校募集をするほぼ全校で、学校説明会や体験入学等が実施されている。
コロナ感染症は5類になったとはいえ、申し込み予約制や、密を避ける工夫がされたうえとの制約はあるが、各学校の日程を調べ、ぜひ参加しておきたい。
また私学では、12月中旬までに、生徒・保護者対象の個別相談を実施する学校が多い。
個別相談とは、通知表や各種検定、その他の資料などの実績をもとに「合格の可能性を判定する機会」とする高校と、「個人的な質問に答える場」とする高校とがある。
説明会や相談会への参加は、合否の予測だけでなく、学校との相性や、高校生活を垣間見る機会としても利用できる。
個別相談での話し合いの内容は、担任の先生に報告しておこう。きっと、有効なアドバイスがもらえるはずだ。
各高校の学校見学会や説明会は、直接参加するだけではなく、インターネット等を利用して各高校を知ることも志望校選定の第一歩となる。
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)
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