よみうり進学メディア

千葉 入試情報
2022.11.18

〈2023年度入試〉千葉入試情報 「私立高校学科・コースの変更、公立高出題範囲のチェック」ほか

目標を定め、悔いのない受験期を過ごそう

いよいよ11月、志望校決定の時期が近付いてきた。既に公立入試では、学校設定検査の内容、学力検査の出題方針、募集人員、入試選抜実施要項が発表され、令和5年度入試の内容が出揃っている。また、私立高校も募集要項が出そろった。

いよいよ、入試本番が近づいてきた。

今春に、高校で学習指導要領改訂が実施され、研究・改善を進める学校は多い。

コロナ禍の影響で、今年も入試相談会や説明会の多くが先着順の予約制等となり、受験生の学校選択に影響が出ている。

そんな中だからこそ、ネット等を駆使して各高校を研究し、しっかりとした目標を持って、志望校を選択してほしい。

教科書は、最高の参考書。新たな分野は要チェック

公立高校の入試問題の出題範囲は「中学校の3年間で学習した内容」とされている。また、各学年の内容がまんべんなく出題される。

特に理科や社会は、各分野が独立していることが特徴となる。1年生の時からの教科書や実験観察ノートから出題されるため、復習が必須だ。

前年からの学習指導要領の施行にあわせて教科書が改訂され、数学や英語などではこれまでにない分野を学んでいる。

数学では、中1の時に「累積度数・累積相対度数」、中2で「箱ひげ算」「四分位数・四分位範囲」「反例」などが加わった。

英語では、単語数が増加するとともに、「感嘆文」「仮定法」「原形不定詞」「現在完了進行形」、理科では、「ダニエル電池の実験」が加わっている。

これらの分野は過去の入試問題では、出題されていないため、要チェックとなる。

思考力・判断力・表現力の充実がカギに

昨年度から中学校で施行された学習の指針となる新しい学習指導要領では、「グローバル」を合言葉に、「思考力・判断力・表現力」を重視し、「コミュニケーション能力」「問題解決能力」などを養うという大方針が発表されている。

読み取ること、聞き取ること、それを基に考えること、自分の言葉で書くこと、英語では「読む、聞く、書く、話す」の力が求められる。

このため「資料文の提示」や「対話形式での出題」「自分の言葉で説明する」といった形式が増えてきている。

公立入試も、新しい教育に合わせた入試選抜に移行してきているのだ。

国語の聞き取り検査、英語のリスニングテストなどは、それらを先取りする形で実施している。

入試で重視される内容が変わったのだから、勉強の仕方も、単に言葉や事象を覚えるのではなく、内容を理解し、自分の言葉で組み立てられるようにしておく必要がある。

1回の入試機会で、失敗が補えない入試だからこそ、過去の入試問題を解き、出題や解答方法など早めの対策が重要となるだろう。そんな時期が到来している。

公立入試の全体倍率は5年度も1・2倍程度か

来春の県内の国・公・私立中学の卒業予定者は、約5万3千人、今春の卒業生から80人程度増加する見込みだ。

一方で、県公立高校全日制の令和5年度募集人員は3万1,120人と、4年度の募集人員より9学級360人減少する。

これまでは卒業予定者の増減に合わせて募集人員を増減させていたが、5年度入試では一転して定員減となった。

このため公立の全体倍率は、やや上昇する可能性がある。

ただし、私立高校への授業料助成制度が充実してきたこと、公立の1回募集による不安感、コロナ禍で早く進学先を決めたいなどの理由で、私立を第一志望とする受験生が増加傾向にあるようだ。

前年並みの公立希望者の割合と考えると、公立の平均倍率は、1・2倍前後になる。

恐れる必要はないが、体調に配慮して、強い気持ちで受験期を過ごしてほしい。

高校への進学は、皆さんの最終目的ではない。目的に到達するためのステップアップの手段になる。だからこそ、自分を伸ばしてくれると確信が持てる学校を選択したいものだ。

■「公立高校 募集人員の増減」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉千葉県 公立高「第1学年生徒募集定員」を発表-令和5年度
■「私立高校 募集人員」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉千葉県 私立高校「募集人数・募集要項」発表-令和5年度

公立希望者は、私学の併願受験を心がけよう

県教育庁より、5月に公立高校の選抜要項が、7月に各校の学校設定検査の内容が、8月に募集定員が発表された。

受験生は、1回募集という入試改革3年目に立ち向かうことになる。

折から、新型コロナウイルス感染症の蔓延と、その予防という障害が立ちはだかっている。

強い意志で入試に臨むことは無論だが、健康を維持することがますます重要となるだろう。

また公立高校受験には、一定の倍率がある。公立志望の人こそ、併願で私立高校を合格しておくことが、自信を持って受験本番に臨むためのポイントとなる。

志望する私立高校の入試変化に注意

5年度の県内私立高校では、前期選抜《1月17日開始》と後期選抜《2月5日開始》の入試期間を設けている。

しかし私立高校の入試は、公立の入試変化に伴って、後期募集を取りやめる学校が増加しており、前期選抜中心なってきているようだ。

県内私立高校では、学科・コースの改編や新設を行う学校がある。

県内私立高校の令和5年度入試変更点より10月中旬までにまとめた、主な変更点をみてみよう。

まだ調査中のため、必ず該当の学校の入試情報を確認してほしい。

■学科・コースの変更

○昭和学院 (市川市) ⇒ サイエンスアカデミーコースを新設、アスリートアカデミーコースをアドバンスアカデミーと統合。インターナショナルアカデミー、トップグレードアカデミー、アドバンスト・アスリートアカデミー、ジェネラルアカデミーの各コースと併せ5コース制に再編。

○西武台千葉(野田市) ⇒ アスリート選抜コースを進学コースに統合。特別選抜、進学の2コース制に再編。
(岩佐教育研究所調べ10月20日現在)

等となっている。

また出願をインターネットとする学校が増加しており、説明会や相談会をネットで実施する学校が増えていることを考えると、受験生は、インターネットの使用環境を確保する必要がありそうだ。

私学独特の入試制度や基準を調べておこう

コロナ禍のため申し込み制や、インターネットによる説明会などではあるが、5年度入試に向けて、私立高校の学校説明会が佳境に入っている。

これらの説明会では、各コースや類型、特別クラスなどの内容、教育課程や、入試の単願や推薦、併願制度の内容や基準など、詳細な情報を得ることができる。

さらに、その後に実施される個別相談では、学校に対する個人的な質問をすることができたり、合格の可能性を教えてもらえたりする。

あらかじめ質問内容などをまとめておきたい。私学の入試を調べ、知ることが私立高校受験の合格の秘訣となるだろう。

計画をたてて、無理なく実行しよう

公立高校の出願まであと3か月弱、これから皆さんにやってほしいことは、計画を立てて、それを実行することだ。

自分なりの勉強のスケジュールを作ってみよう。そして、強い意志で実行していってほしい。

学校や塾での勉強とは別に、自学・自習の必要があるということだ。

計画が実行できたなら、それは受験だけに限らず、今後の皆さんの自信につながることになるだろう。

コロナ禍の中での受験は、健康管理から

急速に朝晩冷え込む時節になってきたが、入試当日だけでなく今日から受験までの日々の、皆さん自身の健康管理も重要な入試対策となる。

無駄を省いて睡眠時間を確保すること。外から帰ったら消毒液等で手を洗い、うがいを忘れないこと。外出時にはマスクを忘れず、3密を避けること。

風邪の症状や腹痛、発熱などがあったら、早めにお医者さんに行っておこう。

(岩佐教育研究所 岩佐桂一)

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