よみうり進学メディア

埼玉 入試情報
2024.10.10

<2025年度入試>埼玉入試情報「私立高校の入試要項出揃う」

令和7年度 私立高校入試変更点
私立高校の入試要項出揃う

 

令和7年度入試に向けて、私立高校の募集要項が出揃った。

今春に、4回目の大学入試改革が実行され、高校では、新学習指導要領の完成年度を迎えた。現在の中学3年生は、中学・高校で新課程が完成した2回目の学年となる。

新しい教育、新たな大学入試に対して、多くの学校で研究・対策が進められている。同時にそのための校名変更、共学化、コースの新設や改編が相次ぐ。

また、県内私立高校では7年度入試の要項がまとまり、発表された。

高校の説明会や相談会は、申し込み制や定員制など制約はあるが、できるだけ参加し情報収集をしておきたい。

 

志望校選択は、9月の進路希望調査でスタート

本紙で既報の通り、9月末に中学校を通じて、中学3年生の第一回進路希望調査が実施された。
はっきりと目標校が決まっている人がいる一方、まだ漠然としている人もこの時期では多い。
焦る必要はないが、将来つきたい職業や、やってみたい事を考えて、志望する高校の候補を挙げられるようにしてほしい。
進路希望の調査は、そんな皆さんの背中を押してくれる重要な意味合いがある。

学校説明会や私学の個別相談、模擬テストの結果などから、志望高校は変化することも多い。
第二回目の進路希望調査は12月の中旬に実施される。この時点では調査書の評定が決定していることと、私学の個別相談がほぼ終了しているため、多くの受験生が、公立か私立かを決めているようだ。

 

(編集部注)
参考に、昨年度(2024年度入試)の進路希望調査の結果を見てみましょう。2023年10月発表と12月発表の2回あります。

・〈2024年度入試〉埼玉県「進路希望調査結果(10月1日現在)」発表-公立校では市立川越3.79倍、市立浦和2.82倍
・〈2024年度入試〉埼玉県「進路希望調査結果(12月15日現在)」発表-公立校では市立川越2.64倍、市立浦和2.34倍

 

急ピッチで進む、変化への対応

令和4年4月からの高校の学習指導要領の改訂を機に、高校では新しい教科に加えて、思考力・判断力・表現力を育む教育を視野に改革を推し進める学校が増加している。
グローバルな視野、探究型授業、コミュニケーション能力の育成、プレゼンテーション能力の育成、英語力の育成、ICT教育などだ。
また、ネット社会の進歩や自動運転システム、人工知能(AI)やロボット、チャットGPTなどの発達で、社会の変化も激しい。

そんな時代の学校選択では、希望する学校を調べ、入試制度や基準だけでなく、施設や教育の特色、授業内容などを知ることが必要となるだろう。

 

志望高の変化を視野に入れて個別相談に臨もう

令和6年度、7年度の県内私立の主な変更点は次のとおりだ。まだ調査中のため、必ず該当する学校の入試情報を確認してほしい。
(岩佐教育研究所調べ9月10日現在判明分)

 

【令和6年度の変更点】
■コースの変更
浦和学院(さいたま市)→国際類型に国際バカロレアコース新設。国際類型はグローバルコースとバカロレアコースに再編。特進類型3コース、進学類型5コースと併せ10コース制に。

西武学園文理(狭山市)→グローバル選抜、グローバル、スペシャルアビリティの3コース制から、グローバル選抜、グローバル特進、グローバル、グローバル総合、スペシャルアビリティの5コースに再編。

栄北(北足立郡)→特別選抜、特類、Ⅱ類、Ⅰ類の4コース制から、特類選抜、特類S、特類Aの3コースに再編。

大妻嵐山(比企郡)→大妻グローバルコースを大妻進学コースに、スーパーアドバンスコースを総合進学コースに、スーパーアドバンスSSコースを特別進学コースに再編。

 

【令和7年度の変更点】
■募集定員の変更
狭山ヶ丘(入間市)→募集人員を400人から300人へ。

武蔵野音大付属(入間市)→募集人員を60人から36人へ。なお令和9年に東京都練馬区へ移転する予定。

 

■コースの変更
西武学園文理(狭山市)→グローバル選抜、グローバル特進、グローバル、グローバル総合、スペシャルアビリティの5コースからアカデミックチャレンジ、アカデミックマルチパス、デュアル、クリエイティブ、スポーツ、アートの6コースに再編。

本庄東(本庄市)→特進選抜コースを選抜コースに改編。選抜、特進、進学の3コース制に。

春日部共栄(春日部市)→選抜、特進E系、特進S系の3コースから東大選抜、選抜、特進の3コース制に再編、特進コースは習熟度によりαクラスと特進クラスを設置。

 

私学独特の入試制度を研究しておこう

県内外の私立高校の学校説明会や個別相談会が佳境に入った。申し込み制や定員制など制約は多いが、ぜひとも参加しておきたい。
説明会に参加することで各コースの内容、教育課程、進学実績、入試の種類や基準などの詳細な情報を得ること、学校での開催では校舎施設の見学もできる。

個別相談では、いろいろな質問に答えてもらえるだけでなく、「合格の可能性」を聞くことができる。

私立では、各学科に、多様なコース、類型などを設けている場合がある。
自分に適したコースの選択も重要な要件だ。

また、第一志望者を対象とする入試と、公立との併願を前提としての入試を設けている学校が多い。さらに、ほとんどの学校で、第一志望者と併願での受験生に対して、独自の優遇制度がある。
これらの優遇制度の利用が、私立受験で合格を勝ち取るカギとなる。

埼玉県の私立入試は1月22日から開始される。※1出願日や入試日程、手続き締切日などを調べ、受験カレンダーを作っておきたい。
また、学校情報のネット配信、出願や合格発表でのインターネット利用も増えてきている。
これらへの対応にも注意が必要だ。

 

■※1 令和7年度私立高校の入試日程の一覧はこちら:よみうり進学メディア
〈2025年度入試〉埼玉県 私立高「入試要項一覧」発表-令和7年度

 

令和6年3月卒業生の進路状況が発表された

8月、今春に中学校を卒業した先輩たちの進路状況が発表された。※2

卒業生は6万2,094人で、公立中学校卒業者が5万8,807人、県内私立中学校卒業者が3,147人、義務教育学校卒業者が63人などとなっていた。
高校等への進学者は98.8%となっている。そのうち全日制課程は88.4%、定時制課程は1.8%、通信制課程は7.2%だった。
全日制課程では、県内公立進学者が3万3,962人で54.7%、同私立が1万6,184人で26.1%、県外私立が4,619人で7.4%などとなっていた。

単なる数字の羅列と見えるかも知れないが、一人ひとりの進路には、先輩たちの喜怒哀楽の歴史が詰まっているはずだ。
これから皆さんの歴史が開始される。

 

■※2 「令和6年3月卒業生の進路状況」について詳しくはこちら:よみうり進学メディア
埼玉県 「令和6年3月高等学校卒業者の進路状況調査」を発表

 

令和8年度入試日程に変化はない
(※2024年4月に中学2年生になった学年の情報です)

5月末に現在の中学2年生が受験する公立高校の、令和8年度入試の日程が発表されている。

いずれも令和8年
出願(インターネット) :1月27日~2月10日
出願書類の提出 :2月13日(金)・16日(月)・17日(火)
志願先変更:2月18・19日

学力検査:2月26日(木)
実技検査(芸術系学科等):2月27日(金)

追検査:3月3日(火)

入学許可候補者発表:3月6日(金)

埼玉県では、7年度入試から全校で電子出願が実施される。

 

■※3 「令和8年度入試の日程」について詳しくはこちら:よみうり進学メディア
※現在中学2年生の情報です※〈2026年度入試〉埼玉県 公立高「入学者選抜の日程」-令和8年度

 

(岩佐教育研究所 岩佐桂一)

 

 

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