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後悔した瞬間が新たなスタートの時です。今日から勉強を始めてください。挽回できるかどうかなど関係ありません。とにかく、今この瞬間からです。
あなたは苦手だと言って逃げてきませんでしたか。今からやる必要はない、後でいいやと先送りしてきませんでしたか。何とかなるだろうと高(たか)を括(くく)ってきませんでしたか。どれか当てはまれば、それが今日の結果を招いています。
ただ、後悔しているのはある意味で救いです。ついでに反省もしてください。後悔と反省とは違いますよ。後悔は「しまった」「やっちまった」という感情の問題です。それに対し反省は、どこがまずかったか、これからどうすればいいかと考える理性の問題です。心でするのが後悔、頭でするのが反省です。
目の前に迫った高校入試ということで考えれば、挽回できる方法はほとんどありません。早くから頑張ってきた人たちがいて、その人たちはこの先もっと頑張ると予想されるからです。ただ、ウサギとカメのウサギさんのように油断している人も中にはいるかもしれないので、そういう人には追いつけるかもしれません。それと、ここで差をつめておけば、高校に入ってから追いつける可能性がでてきます。
具体的な話をひとつしておけば、教科書と問題集の間を行ったり来たりすることでしょう。出来なかったら教科書で確認、確認したらもう一度問題集という繰り返しです。無理に覚えようとしなくても自然に記憶できているでしょう。
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やる気というものは何かのきっかけで自然に出てくるものなのか、それとも努力して自ら出すものなのか、そのあたりは分かりません。どちらか一方かもしれないし、両方かもしれません。
ただ、いずれにしても、今この時期ということで考えると、いつ出てくるか分からないやる気に期待するわけにはいきませんから、頑張って自分で出しましょう。
やる気はものごとを成し遂げたいという欲求から湧いてくるものです。ですから、まず自分はどこの学校に受かりたいのか、そこをいま一度はっきりさせてください。そこが明確にならないと、どんな方法をもってしてもやる気は出てきません。逆に言えば、やる気が出てこないのは目標がはっきりしていないからです。受かりたいという気持ちが弱いからです。
ただ、そうは言っても時々やる気が低下することがあります。腹が減っている時や、疲れている時や眠い時なので、しっかり食べてしっかり寝てください。
それと、何でもいいので、とにかく取りかかってみてください。じっとしているとやる気は出てきません。体を動かしたほうがいいです。あなたは前に進まなければならないのだから、最初の一歩を踏み出しなさいということです。
自分への声掛けも良い方法です。声には自分の気持ちを切り替えたり、高めたりする効果があると言われています。近所迷惑にならない範囲で大声を出し、自分を鼓舞しましょう。
成績が下がっているのではなく伸び悩んでいるのですね。誰にでもそういう時期はあるのですから心配いりません。
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良いところが何もない人なんていないと思いますよ。気づいていないだけです。
まず考え方として、他人との比較をやめることです。たとえば、運動が得意な人にしても、勉強が得意な人にしても、世の中には大勢いるんですよ。ですから、自分より優れている人と比較して、「自分はそれほどでもないな」などと言い出したら、一生かかっても良いところなんて見つけられません。
あなたが「自分はこれが好き」と思えば、素直に言えばいいし、「自分はこれが得意」と思えば、堂々と言えばいいのです。自己PR文を読む側、つまり高校の先生も聞きたいのはそこなんです。
仮にあなたが英語の成績がそれほどではなくても、「英語が好き」「英語に興味がある」と書いて構わないのです。高校の先生は、「好きな割に成績良くないじゃないか」とは考えず、「好きなんだからそのうち成績も伸びるんじゃないかな」と考えてくれます。現にそういう人はいっぱいいます。
それと、PR文には得点や順位などのように数字で表せないことを書いて欲しいですね。別の言い方をすれば、学力試験や調査書では出てこないあなたの良さです。「誰とでも仲良くなれるほうです」とか、「なにごとにも慎重に取り組むほうです」とか、「困った人を見たら助けたくなります」とか、そういうことを書けばいいと思います。今はまだ完全でなくても構いません。そういう方向で努力しているということでも十分自己PRになります。
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可能性という言葉を使われていますが、この場合、可能性とは何を言っているのでしょう。よく分かりませんが、仮に「大学に進める可能性」ということであれば、専門学科に進んでも大丈夫です。専門学科から上級学校(大学・短大や専門学校)に進学している人は大勢います。
専門学科の高校に進むとその学科の専門科目を多く学ぶことになりますので、その分だけ英数国といった一般教科の授業が少なくなります。したがって、大学等の受験に際しては指定校推薦制度などを利用することが多く、受けられる大学等の数はある程度限られるのが実情です。したがって、このことをもって可能性が狭まると言うなら、そこは否定できません。
以前は専門学科を卒業した人の進路はほとんどが就職でしたが、今は多岐にわたっており、就職者の割合の方が少ない学校もあります。そこで、各校とも就職指導だけでなく進学指導にも力を入れていますので、そのあたりの方針や実際の指導がどうなっているかについては、学校説明会等でしっかり聞く必要があります。
可能性の話に戻れば、それは、どの高校に進んだかよりも、努力をしたかどうか、挑戦したかどうかに左右されるでしょう。
専門学科に進めば、専門的な知識や技術が身につきます。また、国家資格なども得られます。これらは人生を切りひらいていくための武器になります。つまり、可能性を狭めるどころか、むしろ拡げていると考えることもできるのです。
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詳しい事情は分かりませんが、親が進んでもらいたいと考えている方向と、あなた自身が進みたいと考えている方向が違うということでいいですか。
だとしたら、それほど特殊なケースとは言えないと思います。つまり、悩んでいるのはあなた1人ではなく、多くの受験生が多かれ少なかれ同じような悩みを持っているということです。こんなことで悩んでいるのは自分1人と思うと他人には相談しづらいものですが、大丈夫、みんな似たようなものです。もちろん、家族や親子のあり方はそれぞれですから、「うちの親は何にも言わない」とか、「自分の好きなようにしていいと言われている」とか、そういう人もいるでしょうが、このQ&Aコーナーにも毎年、同様の質問が多数来ているところをみると、滅多にないケースとは言えません。
思い切って友達に話してみたらどうですか。きっと「実はうちも」みたいな話になると思いますよ。また、今も言ったように先生にとっては何度も経験してきたケースですから、良いアドバイスがもらえると思います。
一般的には自分のやりたいことを貫いたほうがいいのかもしれませんが、必ずしもそれが将来の成功を保証するものではありません。親の意見にしたがったほうが結果的に良かったということもあり得るのです。また、親の側から見ても本人の望むようにしたほうが良かったとなる可能性もあるのです。いわば正解のない問いなのですが、親子で知恵をしぼってください。
(回答者 教育ジャーナリスト 梅野弘之)
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