遠い先だと思っていた入試本番ですが、もうそこまでやって来ました。
刻々と残り少なくなってくる時間に焦りを感じている人もいるかもしれません。
でも、まだ大丈夫、少しの工夫で、まだまだ力は伸ばせます。
師走の声を聞いて受験生の皆さんも、いよいよ本番が迫ってきたと実感していることでしょう。
本番試験は来年、と言うと少し先に感じますが、早い人なら来月、遅い人でも再来月には本番を迎えます。
そこで今回は、残り1、2か月の勉強法を中心にお伝えしていきます。
さて、勉強法に入る前に体の問題、体調管理についてお話しなければなりません。
受験は学力だけの戦いではありません。心も体も最高の状態で迎えなければ良い結果を得られません。当日体調不良の人には追検査のような制度が設けられていますが、ベストコンディションで本試験当日を迎えたいものです。
これから風邪やインフルエンザ等の流行期に入りますので、細心の注意が必要です。睡眠不足や不規則な生活で体の抵抗力が弱くなった時が危険です。今は1時間でも多く勉強したいところでしょうが、少しでも異変を感じたら思い切って休養をとり大事にならないようにしてください。
ここからは具体的な勉強法についてです。
残された日々で何をやるか、また、どうやるかです。
勉強の中心は当然ながら過去問を中心とした問題練習になるでしょう。
気持ちとしては次々に新しい問題に挑み(いどみ)、より多くの問題をこなしたいでしょうが、ちょっと待ってください。「その問題、本番で出たら完璧に解けますか」、大事なのはそこです。あやふやな知識は本番であなたを助けてはくれませんよ。頼りになるのは確かな知識だけです。
あの分野がまだだったとか、あの単元がまだだったとか、少しでも前に進めたい気持ちは分かりますが、自信が持てるまでは次に進まないというくらいの強い気持ちをもってください。
問題練習の方法について、もうひとつ提案しておきます。
それは、覚えてから問題を解くのではなく、問題を解いてから覚えるというやり方です。
自信がなくても、まず問題を解いてみます。そこで、もし出来なかったら、教科書や参考書、あるいはノートを取り出して、その問題を解くのに必要な知識を集めます。そうすると「そうか。この知識が欠けていたから解けなかったのだ」ということが段々分かってきます。
実はこの時、あなたは覚えているのです。目の前の問題を解くために調べたり考えたりしているわけですが、結果的には覚えることにもなっています。
もちろん勉強の仕方はいろいろあり、これがベストというつもりはありません。こんな方法を試してみたらという提案です。
皆さんはこれまでに受けた模試問題などをとってありますか。
手元にあるなら、解き直しをして出来るようにしておきましょう。ただ点数や偏差値、合格可能性を見てそれだけというのは非常にもったいない使い方です。
模試などの問題は、本番でも類似問題が出る可能性があります。ですから、あの時は出来なかったけど今なら出来るという状態にしておくべきなのです。これは、自分より前を行く人に追いついた、あるいは差をつめたというふうに考えることができます。反対にそのままにしておくと、あの時の差がそのまま今も続いていることになります。これでは勝負になりません。
大事なのは途中経過ではなく、本番当日、どこまで到達しているかです。
苦手教科や苦手分野、単元などは誰にでもあるものです。
しかし、諦めてはいけません。それは合格そのものを諦めるのに等しい行為です。
入試は基本合計点で争われますから、苦手の分は得意分野でカバーすることもできます。が、それにしても限度があります。大きく足を引っ張る教科があれば、いくら得意教科で頑張っても追いつきません。
それに、いま学んでいる教科は高校に入っても引き続き学ぶのです。その意味でも、いま諦めてはいけないのです。
(よみうり進学メディア編集部)
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