新型コロナ感染症による臨時休業の長期化でいつもと異なる夏となりました。
しかし、夏休みをどう使い、どう実力を高めて行くかの基本はそれほど大きく違うわけではありません。
夏休みを目前に控え、心構えと過ごし方について考えてみます。
最初に勉強量の差は家でついているという話をします。
学校では時間割に基づいて全員が同じ内容を同じだけ勉強していますから、量的には差がつきません。もちろん予習を十分にやっている人とやっていない人、先生の話を集中して聞いている人と聞いていない人、ノートやメモを積極的に取る人と取らない人とでは質の面では差がつきますが、量にだけ着目すれば、その差はありません。
一方、家での勉強は自分の考え方や気持ち次第ですから、たくさんやる人から全くやらない人までさまざまです。
学校の授業がない夏休みは、家での勉強だけになりますから勉強量に大差がつく可能性があります。
皆さんは今年、これまでに経験したことのない夏を過ごすことになります。
新型コロナ感染症の影響で臨時休業が長引き、その分の授業の遅れをばん回するため夏休みを短縮する学校が多いからです。
夏休み期間は元々市町村ごとに異なっており、だいたいは7月21日から8月第3週または8月いっぱいまでです。それが今年は短縮され、7月いっぱい、あるいは8月第1週まで授業を行う地域が多くなっています。また、8月第3週から2学期が始まる地域も多いようです。したがって地域によっては夏休み期間が昨年までと比べ半分以下となっている場合もあります。
長い夏休みをどう過ごすかも難しいですが、短めの夏休みをどう過ごすかも難しい問題です。
長い夏休みは中だるみが心配ですが、途中から立て直すこともできます。しかし短い夏休みは、うまくスタートを切らないと、勉強のリズムがつかめないうちに、あっという間に終わってしまう可能性があります。
どちらにしても、しっかりと勉強プランを立てておくことが大切です。
昔からよく「夏休みは受験勉強の天王山」であるとか「夏を制する者は受験を制する」などと言われています。いずれも夏休みの重要性を言っているのですが、過去の例を見ると、この期間の過ごし方を失敗している受験生がかなり多く見受けられます。
失敗しないためのもっとも有効な方法は、テーマを明確にすることです。いくら長い休みとは言え、あれもこれもとそれほど多くのことができるわけではありません。まして今年は例年より短いわけですから、やるべきテーマを絞るべきです。
基本5教科を偏りなく勉強すべきなのですが、できればその中の1教科か2教科の強化をメインテーマとし、集中学習してください。
弱点教科があっても、今から始めれば十分間に合います。
計画はよほど意識しないと盛りだくさんなものになりがちです。中には「これをやろう」ではなく「これだけやれればいいな」という願望になっている人もいます。
計画はやや控えめにしましょう。その代わり完全実行してください。
計画を完全実行できると自信になります。一定の時間の中でどれだけの勉強ができたかという経験が自分の中にあると、次からの計画も適正に立てられます。