埼玉県では受験生の公立離れが進行しており,7年度の入試では志願倍率がダウンしました。
その一方で私立高の応募者数は,1月に発表された私立高の中間応募状況によると,1月11日現在59,830人で前年度より2,243人の増となりました。特に単願入試の増加が目立ち、私立志向の高まりを感じさせています。
7年度の県内私立高入試の動向を探ってみましょう。
そんな状況の中でも慶應義塾志木,早稲田大学本庄,立教新座の難関大学附属校ではほぼ例年通りで、私立志向による応募増は見られませんでした。
慶應義塾志木と立教新座は推薦・一般とも前年度並みの応募者数,早稲田大学本庄はα選抜の応募者が1割減ですが,これは前年度の実質倍率アップの反動と考えられます。
しかし上記以外の上位校では単願応募者の増加が目立ち,私立志向をうかがわせました。
栄東はもともと併願入試が中心で単願者は少ないのですが,7年度は約8割増しの57人になりました。また出願基準を緩和した狭山ヶ丘が6割増,開智が4割増,淑徳与野や川越東は3割増,星野は2割弱,コース改編2年目の栄北は減少から増加に転じています。
併願入試の応募者数はそれぞれ増減がありますが,トータルではほぼ前年度並みの応募状況といっていいかもしれません。
公立高入試で志願者減になると私立併願応募者も減ることになりますが,私立志向により私立高同士の併願が増え,2回目,3回目の応募増が目立っています。
栄東は1月22日の併願①は前年度並みの応募者数でしたが,23日の併願②は2割増,開智は併願①は2割弱の増に対し,併願②は2割強,併願③は2割増となりました。栄北も併願①は前年度並みで②が3割増え,本庄東は併願①は微減でしたが併願②では3割増えています。
応募減になったのは、出願基準を上げた浦和実業や花咲徳栄,都内の学校の共学化や基準の緩和の影響を受けた西武台などがあります。中には基準を上げたのにも関わらず応募増になった浦和麗明や国際学院といった人気校もありました。
また、獨協埼玉,東京農業大学第三,叡明,聖望学園,正智深谷など、前年度並みの応募者を確保した学校も多くみられ私立志向を支えました。
西武学園文理は前年度に引き続きコース改編を行いました。7年度はアートクラスを新設し、その他のクラスは名称変更です。各クラスの出願基準は据え置いたことから、普通科の応募者が単併合わせて2割増になりました。
秋草学園は特選の2クラスを一本化し募集人員を縮小,減らした分を選抜に上乗せしました。また幼保コースの基準の選択肢が増えました。その結果,変更のなかったADコースも含めて全体で2割減になっています。
春日部共栄は、それまでの3コース制から東大選抜,選抜など4コース制に改編,出願基準のハードルも若干上げました。そのため応募者は約2割減になりました。
出願基準や選抜方法については変更されることが多いので、説明会などに参加し個別相談を受けるなどして必ず確認しておきましょう。
昨年度21万ユーザーが利用した検索サイト、「併願ドットコム」のデータから県内私立高校の検索ランキングを見てみると、次の様な学校が上位となっています。
浦和実業・浦和学院・埼玉栄・細田学園・西武台・浦和麗明・西武学園文理・叡明・山村学園・星野・国際学院・昌平・狭山ヶ丘
上位(TOP3)にランクする学校は毎年同じ顔触れで、文武両道を実践している学校となっています。
これからの時期は、可能な限り多くの学校に足を運び、直接見聞きをして、自分にあった志望校選びをしていきましょう。
監修:株式会社 リヴィジョン
(編集部注)
私立高校の動きについては過去の概況も確認しておきましょう。
■「埼玉県 私立高校 令和6年度」:よみうり進学メディア
〈2025年度入試〉埼玉県 私立高校「令和6年度 私立高校入試の概況」
■「埼玉県 私立高校 令和5年度」:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉埼玉県 私立高校「令和5年度 私立高入試の概況」
■「埼玉県 私立高校 令和4年度」:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉埼玉入試情報 「私立高-令和4年度の入試の概況を見る」
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