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〈2025年度入試〉 神奈川県 「私立高校入試の動向 令和7年度」

今春(2025年度)の神奈川県私立高入試はどのような特徴があったのか、振り返ってみましょう。

私立一般入試の応募者は減少傾向から横ばいへ

2025年2月3日に発表された県内私立高一般入試の中間応募によると,1月30日現在の応募者数は45,541人で、前年度(45,497人)とほとんど変わりませんでした。
生徒数は約700人減っているほか,公立高への志願率は70.6%から69.6%に下がっているので,応募増にはなっていませんが私立高に向かっていると考えられます。
特にオープン入試や推薦入試の志願者増が目立っていることから,7年度(2025年度)は私立志向の入試になったといえるでしょう。

 

推薦入試の状況

推薦入試では,出願基準を利用しやすくした日本大学藤沢鵠沼東海大学相模横浜翠陵横浜清風のほか,進学コースを女子から共学に変更した横浜富士見丘,コース改編した橘学苑も志願者増になりました。

また募集要項の大きな変更がなかった日本大学横浜隼人麻布大学附属相模女子大学などでも増加し,公立から私立推薦に転換した受験生が増えたような動きがみられました。

 

一般入試の状況

一般入試で目立ったのは,オープン入試の志願者が増加したところです。

通常,私立高の併願入試は他の私立高を受験することはできませんが,オープン入試であれば可とする学校があります。
つまり,オープン入試の志願者が増加しているということは私立高を複数校受験する生徒が増えていることになり(もちろん,オープン入試のみに挑戦する受験生もいるでしょう),私立志向の傾向と捉(とら)えることができます。

特に学力上位校でオープン入試の志願者増が目立っており、難関校に学力勝負で挑戦する受験生が増加したようです。
山手学院は併願基準のハードルがやや上がったためか,オープンにスライドしたような形ですが約4割増,桐蔭学園は1割増えてオープンの志願者が1,000人を超えました。また日本大学が2割弱の増,横須賀学院は2割強の増になっています。
フリーに加えてオープンを導入した日本大学藤沢は合わせて110人の志願者を集めました。

このほか一般入試で目立った動きとして、横浜翠陵が書類選考を導入し,横浜隼人が復活させたことが挙げられます。両校とも志願者増になり,書類選考が受験者にとって利用しやすい入試であることを証明しました。

 

難関校はほぼ前年度並みの入試で人気を確保

難関校の状況をみると,まず慶應義塾は安定傾向で,志願者数は前年度並み,実質倍率もこの3年間2.6倍で推移しています。法政大学第二も前年度並みの志願者を集め,実質倍率は男女とも動いていません。法政大学国際(学科)は1割増でしたが,実質倍率は3年ぶりに3倍台に上がりました。

 

監修:高校入試活性化委員会(株式会社 リヴィジョン)

 


(編集部補足)
■私立高校の動きについては、過去の概況も確認しておきましょう。
・「神奈川県 私立高校 令和6年度(単願・併願情報)」:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉神奈川県 私立高校「令和6年度 私立高入試の概況」
・「神奈川県 私立高校 令和5年度(単願・併願情報)」:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉神奈川県 私立高校「令和5年度 私立高入試の概況」
・「神奈川県 私立高校 令和4年度」:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉神奈川県 私立高校 「2022年度(令和4年度) 神奈川県内私立高入試の概況」

 

(よみうり進学メディア編集部)

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