よみうり進学メディア

東京 入試情報
2025.9.18

〈2026年度入試〉東京入試情報「いよいよ秋の陣、志望校選択の時期だ」

いよいよ秋の陣、志望校選択の時期だ
高校は、君たちを迎える準備を整えている

間もなく令和8年度の都立高校入試に関する入試選抜要綱が発表され、10月には各校の募集人員が公表される。

そんな中、今春の中学校卒業生の進路状況が発表された。
都立が男女合同選抜へ移行して2年目を迎え、さらに私学の授業料助成の拡大などもあり、不安を乗り越えて見事に進路を切り拓いた先輩たちの姿が、数字の中に表れている。

8年度の都立高校入試は、分割募集が廃止され、推薦入試と前期募集で実施されることが発表されている。9月には要綱が、10月には募集人員が公表される。

次は君たちが、本気で受験に挑戦する番だ。

先輩たちの努力の跡が今春の中学卒業生の進路に

東京都教育庁から、令和6年3月の公立中学校卒業生の進路状況が発表された。※1

この年度の受験生たちは、感染症予防のため、大規模な相談会や各校の入試説明会が予約制・定員制となるなど制約が続いていた。また、私立高校入学者に対する助成金制度が大幅に見直された学年にあたる。
こうした変化が志望校確定までに影響を与えていた。
さらに、都立入試では男女合同選抜が2年目を迎え、倍率が読みにくい状況も続いていたようだ。

卒業生は78,901人で前年より59人減少した。一方、都立全日制では8学級320人の募集人員減を実施していた。
高校等への進学者は98.4%で、前年より0.1%低下。
全日制進学者は86.5%で、その内訳は都立高校約56%、都内私立約38%、都外約5%などとなっている。

来春の卒業予定者は、今春より200人程度増加する見込みだ(東京都教育人口推計値より)。
このため、3クラス程度の募集増が予想される。学科の改編や募集人員の増減と合わせて、こうした変化は人気動向に大きな影響を及ぼす可能性が高い。

 

※1 「公立中学校卒業生の進路状況」について詳細はこちら:よみうり進学メディア
東京都 令和6年度公立中学校等卒業者(令和7年3月卒業)の進路状況調査の結果(速報値)について

 

都立高校の新たな学科改編も志望校の検討材料に

10月には、8年度入試に向けた各校の募集人員が発表される。

6年度から実施されている「Society5.0を支える工業高校の実現に向けた戦略プロジェクト」では、以下の改編が行われている。
・都立科学技術→科学技術科の一部を創造理数科に改編。
・中野工科→キャリア技術科を食品サイエンス科に改編。
・杉並工科→機械・電子・理工環境の各科を統合しIT・環境科に再編。
・北豊島工科→総合技術科を都市防災技術科に改編。
4校に新しい学科が誕生している。

7年度では、
・六郷工科→これまでの5学科をものづくり工学科に再編した。

8年度の再編の予定では、全日制では、深沢(普通科)の教育課程や教育相談体制の充実のために新タイプの学校へ。

定時制課程では、六本木と大江戸で1クラスの学級増を行うほか、小山台、桜町、大山、葛飾商業、蔵前工科、北豊島工科の6校が募集停止となる予定だ。

また、今後、新国際高校(仮称) 国際科の開校にも注目があつまる。

 

まもなく入試選抜要綱が発表される

夏休みが明け、いよいよ受験に向けた重要な時期に突入した。
例年、都の有識者による「入学者選抜検討委員会」の報告を基に、都教育庁が入試制度の検討を重ね、9月下旬までに入試要綱や各校の選抜方法が発表される。
新型コロナやインフルエンザなどの感染症への配慮も、7年度入試に盛り込まれていた。

・推薦・一般選抜の出願は原則WEB出願とする。
・推薦・一般選抜の検査は、原則1日で実施する。
・合格発表は、掲示とウェブサイト掲載とする。
・不合格者への得点開示は、入学手続き翌日からとする。
・7年度から推薦での集団討論は解禁となった。

こうした制度面の変化がある一方で、感染症への注意は引き続き重要な入試対策となる。

 

説明会・相談会に参加して、志望校と出会おう

9月以降、多くの都立・私立高校で学校説明会や入試説明会、体験入学が実施される。
受験生に学校の雰囲気や施設、部活などを体感してもらい、学校選択の参考にしてほしいという思いが込められている。

また、私立高校では12月中旬までに、生徒・保護者対象の個別相談を行う学校が多い。
個別相談では、通知表や各種検定、その他の資料などを基に「合格の可能性を判定する機会」や「個人的な質問に答える場」として活用されているケースが多いようだ。

また、説明会や相談会への参加は、合否の予測だけでなく、学校と自分の相性や、高校生活を垣間見る機会としても利用しておきたい。

説明会や相談会に参加したら、担任の先生に報告しておこう。きっと良いアドバイスがもらえるはずだ。

私立高校には学校ごとに異なるコースや入試制度がある。希望するコースや利用したい制度、出願基準などを事前に調べておくことも必要だ。

高校を見て、触れて、感じて、自分に合った志望校と出会ってほしい。

 

 

学費を気にせず、学校を選択できる時代

都立・私立高校生に対して国から就学支援金という助成金が付く。7年度の都では、家庭の年収の目安や、授業料支援の限度額が廃止され、都立では、全員授業料が無償となり、私立では、都外進学者を含めて全員49万円までの授業料が助成対象となっている。※2

私学入学者に対する公的な助成金の充実によって、学費にとらわれない、より自由に学校選択できる時代になっている。
いよいよ受験生は、『志望校の選択』の時期に突入する。

※2 「就学支援金」について詳しくは(私立高校の例):
支援金は年度ごとに変わります、高校入学後、その年度の資料で再度確認してください。
・私立高校:私立中学校・高等学校等に係る東京都の学費負担軽減制度(東京都生活文化スポーツ局)
令和7年度学費負担軽減制度に関するリーフレット(PDF)(東京都私学財団)

 

(岩佐教育研究所 岩佐桂一)

 

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