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東京 入試情報
2020.9.4

〈2021年度入試〉東京都 「志望校選択に悔いを残さないために」-令和3年度

国と都の助成金が充実、公私の授業料格差が僅差に

新型コロナウイルスの感染予防のための小・中・高の長期休業などで、都立高校の入試策定が遅くなっているようだ。
例年だと9月上旬には入試選抜要綱が発表されるが、令和3年度入試の要綱は少し遅れそうだ。
28年度から、大きな入試改善が実施された都立高校入試だが、3年度では、前年と変わらないと見られる。
現在の入試の仕組みを理解して、調査書や推薦入試などの対策を考えていきたい。

今春の中学校卒業生の進路が発表された

令和2年3月の公立中学校卒業生の進路状況が発表された。卒業生は、76,246人と前年より1,137人減少していたが、高校等への進学者は98.5%になり、最近10年間では2番目に高い割合になっていた。
全日制進学者89.6%、都立高校が約59%、都内私立が約36%だった。
来春の卒業予定者は、今春より約2,500人減少する見込みだ。
(東京都教育人口推計値より)
都立高校の募集の減や、新型コロナウイルスの影響もあり、今後の変化から目を離せない。

入試の仕組みを知ることが、入試対策の開始に

例年、都の有識者による「入学者選抜検討委員会」から発表された報告内容を基に都教育庁は、入試要綱の作成を行い、例年9月上旬には、入試要綱や、各校の選抜方法等が発表される。今年は、新型コロナの関係から1か月程度遅くなりそうだ。
3年度入試は、前号に報告した「入試への配慮事項」として、学力検査問題への出題しない単元が発表されたが、今のところそれ以外の大きな変化はないもようだ。

都立高校改革推進計画が継続中

平成30年度に発表された「都立高校改革推進計画・新実施計画」では、①国際色豊かな学校の充実。②専門高校の改善。③定時制・通信制課程の改善。等の目標に沿って、統合再編が実行される。
令和3年度では、募集に変更はないが、全日制課程では、赤羽商業跡地へ「家庭・福祉系高校」の新設が発表されている。また、併設型中高一貫校だった富士と武蔵が高校募集を停止する。江北が定時制課程の募集を停止して全日制のみとなる。
4年度には荒川商業が足立地区チャレンジスクールに再編され、立川国際は、小・中・高の一貫校に転換される。中高一貫校の両国・大泉は高校からの募集を停止する予定。
などの具体的な再編計画が発表されている。
また、グローバル人材の育成やタブレット等を利用したICT教育、アクティブラーニングの研究等の推進も同改革計画に盛り込まれている。

オンラインを駆使して説明会・相談会に参加

新型コロナ禍ではあるが、9月以降、公・私立高校のほとんどの高校で、学校説明会や入試説明会・体験入学を実施している。事前申し込み制や密を避ける工夫がされており、制約は多いが、受験生に学校の雰囲気や施設、部活などをみてもらい、学校選択の参考にしてもらおうという目的だ。
こんな機会や、インターネット等を上手に利用して学校選択の機会として欲しい。
また、私立高校では、12月中旬までに、生徒・保護者対象の個別相談を実施している学校が多い。
個別相談とは、通知表や各種検定、その他の資料などの実績をもとに「合格の可能性を判定する機会」とする学校と「入試や学校に対しての個人的な質問に答える場」とする高校がある。
各学校で工夫して、オンライン説明会やオンライン相談会としているケースも多いが、高校の先生方と接する機会としても、個別の相談は重要だ。
また、説明会や相談会への参加は、合否の予測だけでなく、学校と自分の相性や、高校生活の実態を垣間見る機会としても利用しておきたい。
私立高校には、学校ごとに異なるコース(類型)や入試制度があり、中学校での三者面談などの前に希望するコースや利用したい制度や出願基準などを調べておくことも必要になろう。
私立志望者は勿論だが、都立志望者も、併願を前提として、私立高校の個別相談に参加したうえで受験に臨むことが必須になってきている。
説明会や相談会に参加の希望や、その報告を担任の先生にしておいて欲しい。

学費を気にせず、学校を選べる時代が来た

私立高校生に対して国から就学支援金という助成金が付く。今春から、家庭の年収の目安590万~910万円未満が年11万8800円、590万未満が39万6千円となっている。
また、東京都の令和2年度では、私立高校進学者(他県への進学者も対象)に対して、授業料の助成金制度がある。2年度入学生から家庭の年収目安910万未満は、国とあわせ授業料46万Ⅰ千円が支給されている。詳細は、東京都私学財団育英資金課まで。(03ー5206ー7929)
私学入学者に対する公的な助成金の充実によって、学費にとらわれない、より自由に学校選択できる時代になっているのだ。
いよいよ受験生は、『志望校の選択』の時期に突入する。
新型コロナの影響で、各高校の文化祭が中止になるなど、機会は狭められてはいるが、チャンスを見つけて、気になる高校や、目ざす高校を是非訪問しておきたい。
高校を見て、触れて、感じて、目指す志望校と出合って欲しい。
(岩佐教育研究所 岩佐 桂一)