リード保てるか、追い上げ逆転できるか
すべてはこれからの勉強次第
入試本番まで残された時間はわずかとなりました。
受験生の皆さんはいま、体力面でも精神面でも、
最もきつい「正念場」を迎えていることでしょう。
現時点でリードしている人は、それをどうキープするか。
逆に後れを取っている人は、どのように追い上げるか。さらには逆転するか。
そのための勉強法をアドバイスします。

入試を目前に控え、皆さんは「最後の山場」に差し掛かっています。これは、目標達成まであと一歩という最も苦しい時期ですが、同時に最も伸びる時期でもあります。
夏以降、あるいはもっと早くから積み上げてきた学力が点数に結びつくかどうかは、この数週間で決まります。ですから、もしいま、成績が伸び悩んでいたとしても、決して諦めてはいけません。
「いまから頑張って間に合うか?」という問いに対する答えは、「間に合います。ただし、適切な努力を続ければ」です。
なぜなら、この時期の学習は、それ以前の学習と質が異なるからです。基礎知識の定着から応用力へと、学習のギアが一段上がるからです。
同じ時間勉強しても、成果の出方が格段に大きくなるのが、この時期の学習です。不安から逃げるのではなく、この「最後の山場」を乗り越えた先にある合格を信じ、学習量と集中力の両方でギアを上げていきましょう。
また、志望校を下げるという選択肢は、最後の戦略として間違いではありませんが、焦って判断する必要はありません。一時の不安に駆られて早々にランクを落とすのは、自身の可能性を閉ざしてしまうことになりかねません。
最後まで粘り、「この高校で頑張りたい」と心から思える学校への合格に向けて、最後の最後まで挑戦を続ける姿勢が大切です。
「奇跡の逆転合格」は、気持ちだけで出来るものではありません。必要なのは、具体的な作戦です。
その第一歩が現状分析です。まず、直近の模試や過去問の結果を見返して、自分が「何が原因で、どんな問題で点数を落としているのか」を徹底的に分析してください。
基礎知識の不足による失点なのか。応用力不足による失点なのか。ケアレスミスによる失点なのか。時間不足による失点なのか。
これらのうち、「最も点数を落としている要因」、すなわち自分の穴となっている部分を見つけ出すことが、最重要課題です。
例えば、「数学は図形分野が全てできていない」「英語は長文問題の点数が極端に低い」など、分野を特定しましょう。この「穴」を埋めることが、最優先事項となるのです。
この時期の学習の中心は、間違いなく過去問演習です。過去問演習の重要性は本紙でも繰り返し述べてきました。
過去問は、志望校からの「君たちに、こんな力を求めている」というメッセージであり、合格に向けた最強の教材です。
過去問演習の目的は、単に問題を解くことではありません。本番での実戦力と時間配分の感覚を身につけることにあります。
まず、この時期からの過去問演習では、本番と同じ時間・同じ順序で、時間を測りながら解くことも大切です。
過去問演習を通じて、本番の環境に慣れることが非常に重要です。そして、過去問を解いたら、次の手順で必ず復習を行ってください。
【1 採点と点数記録】
合格最低点や平均点と比較し、目標点との差を明確にします。
【2 失点分析】
間違えた問題の横に、なぜ間違えたのか(知識不足、ケアレスミス、時間不足など)をメモします。
【3 弱点克服】
間違えた問題を正解できるまで解き直します。特に知識不足で間違えた問題は、すぐに教科書に戻り、知識をインプットし直してください。
【4 解き直し】
間違えた問題は、時間を空けて再度、何も見ずに解けるか確認します。
現状分析で見つけた弱点分野を克服する際は、教科書をただ読み返すだけのインプット中心の学習は効率が悪くなります。
今後の勉強では、アウトプット(問題を解くこと)とインプット(知識確認)を循環させることが鉄則です。問題集と教科書を行ったり来たりするイメージですが、残り時間が少なくなってきているので、あまりのんびりではいけません。「高速循環」を目指しましょう。
皆さんはいま、ゴール前の最後の直線を走っている状態です。
焦らず、自分を信じて、これまでの努力と作戦に基づいた質の高い学習を継続していきましょう。その「粘り強さ」が、最高の結果を引き寄せます。
(よみうり進学メディア編集部)
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