■こちらは前・後編の記事です。前編(5月号)の記事はこちら
〈2027年度入試〉埼玉入試情報「令和8年度入試の検証から9年度入試を探る【前編】」
悔いのない志望校の決定が、最大の課題
夏休みまであと1か月と少々、行きたい高校とは出会えただろうか?
今から夏休み期間にかけて、学校ごとの説明会や体験入学、多くの学校が参加する大規模な進学フェアが開催される。志望校との出会いのチャンスだ。こうした機会を活用し「悔いを残さない志望校の選定」をしてほしい。
「学力の向上のための努力」と「調査書対策」「悔いを残さない志望校の選定」が夏休み前の皆さんの課題だ。
県教育委員会から「令和9年度入試の基本方針」と「各校の選抜基準」「面接のリーフレット」が発表された。
大きく入試が変わるが、過去の入試を知ることで、来春の入試の参考になる事も多いはずだ。
今回は、先月号に引き続き2回目の公立高校の入試の検証をする。

令和9年度の入試日程等は、既に発表されている
7年度入試から全校でインターネット出願が採用され、これに伴って出願書類等の提出期間が2月12日から2月16日までとなった。
面接の全校実施によって、入試日程は2月25・26日の2日間になっている。※1
また、9年度の選択問題採用校は、市立浦和南が追加され23校となった。※2
■※1 「令和9年度の日程」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2027年度入試〉埼玉県 公立高「入学者選抜の日程」-令和9年度
■※2 「令和9年度選択問題採用校」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2027年度入試〉埼玉県 公立高校「出題の基本方針」「学校選択問題実施校」を発表-令和9年度
出題の基本方針は変わらない。授業に集中しよう
県が発表した入試問題の「出題内容」「出題形式」では、出題の基本方針は現行通りとするとされている。これは、
1:中学校における平素の学習を重んじ、中学校学習指導要領に基づいて出題する。
2:基礎的な知識及び技能をみる問題とともに、知識・技能を活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力等の能力をみる問題の出題に配慮する。
3:各教科の目標に照らして、受検者の学力を十分に把握できるように、出題の内容、出題数に配慮するとともに、記述による解答を求めるよう配慮する。
というものだ。
入試問題は教科書の内容に沿った基礎的・基本的なものという方針に変化はない。
また、国語の作文は出題しないが、英語のリスニングは実施する。
さらに、学力検査と追検査はマークシートを導入するとされている。※3
ただし、マークシートでの解答が9割、1割は記述問題となる。
思考力・判断力・表現力が重視されていることから、これからの中学校の授業に集中して臨む必要がありそうだ。
■※3 (参考)埼玉県から発表された「マークシート方式について」の資料はこちら:よみうり進学メディア
〈2027年度入試〉埼玉県公立高校「マークシート方式導入」まとめ-令和9年度
記述形式問題の攻略が入試のカギに
出題内容は同じでも、出題形式によって難易度は変わる。表1は8年度の出題内容を分析したものだ。
大問の数、小問の出題数は、ここ数年ほとんど変化がない。
教科によって記述式の問題数は増減があるようだ。
記述式の問いには、用語・単語を答えさせる形式と、論述形式の問題がある。
思考力・判断力・表現力を見る問題として、教科ごとに図表やグラフ、統計資料、実験結果などから、その意味することを読み取り、答えさせる問題が出題される。そんな問題に苦戦する受験生も多いようだ。
令和8年度入試の平均点については、表2を参照してほしい。
5教科合計の平均点は293.4点、選択問題を含む5科が309.4点となり、7年度入試より3.9点、選択問題採択校で14点上昇した。
5教科合計では、2年連続で国語の作文を含み137問の小問で構成(選択問題を含む5科は133問)、このうち76問、55.5%(同72問54.1%)が記述形式の問題だった。
うち、文章表現や作図・証明が33問(同34問)も出題されており、記述形式の問題の配点は全体の61.4%(同61.6%)になる。
文章表現などでは部分点を認める問題も多い。部分点を認める問題の部分点の採点については、高校ごとで検討することになっている。
記述問題が多いこと、記述問題の配点が高いことが埼玉県公立高校入試の特徴と言えるだろう。
就学支援金の増額で入試が変わった
高校生への授業料を支援する国の就学支援金が、8年度から45万7,200円に増額になった。また、家庭の年収による支給の上限も廃止となっている。
これにより、公立高校の授業料は実質無償となり、私立高校進学者の授業料は差額の支払いになっている。
埼玉県では父母負担軽減事業として、県内生の県内私学進学者を対象に、世帯年収609万円未満に対して入学金支援10万円、500万円未満の世帯に対して入学金支援22万3千円と施設費支援として20万円の支援を決定している。
このため8年度入試では、公立高校への志望者が約2,500人減少し、県内私学へ約1,600人、県外私学へ約800人志望者が増える変化があった。
11月に発表される志望校調査の結果から、9年度入試の動向の変化を見ておいてほしい。
(文責:岩佐教育研究所・岩佐桂一)
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