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埼玉 入試情報
2026.5.15

〈2027年度入試〉埼玉入試情報「令和8年度入試の検証から 9年度入試を探る【前編】」

公立高校入試
令和8年度入試の検証から9年度入試を探る【前編】

 

入試を知って、計画を立て、実行していこう
連休が明けて、中学3年生は令和9年度入試に向けて本格的に始動する時節が到来した。

令和8年4月から、県立高校の統合再編により6校の新校が誕生した。

また、8年から国の就学支援金の家庭収入による上限が廃止され,私学入学者に対しての授業料支援が45万7,200円に拡大された。このため私学志向が強くなったと思われる。

現3年生の受験する9年度入試では、調査書の大きな改訂から、大きく入試が変わる。大きな変化を知って、今回と次回では8年度の公立入試を振り返りながら、9年度入試への対策を感じ取ってほしい。

 

令和8年度の公立入試は、大きな変化が
令和8年度の公立高校(全日制)の入試では、3万5,080人(転編入枠240人/伊奈学園中、市立浦和中、川口市立中からの内部生を含む)の募集人員に対し、3万6,264人が出願した。
12月に行われた進路希望調査での公立希望者3万7,104人の97.7%が出願したことになる。
出願倍率(出願者÷募集人員)は1.05倍で、前年より0.06倍低下した。

出願日は2026年2月13日・16日・17日(13日は郵送)、県内私立の入試は終了しているが、都内私立の一般入試直前にあたる。
志願先変更を経て、受験当日の欠席者が195人、確定から当日までの志願取り消し者が92人出て、受検倍率は、前年より下降し1.03倍になった。

合格発表では転編入枠を含め、募集人員を上回る合格者を出す学校もあったが、実質倍率は、1.10倍(実受験者数÷合格者数)となっていた。

8年度入試の不合格者は、3,489人だった。前年の5,225人の不合格者より減ってはいるが、市立浦和1.87倍、市立川口1.56倍、大宮1.53倍、浦和西1.44倍、など人気校の入試の厳しさは継続している。※1・2

■※1 「合格発表日」の数値について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉埼玉県 公立高校合格おめでとう「合格者数・各校倍率」-令和8年度
■※2 欠員補充等を行った「最終数値」はこちら:よみうり進学メディア
埼玉県 公立高校「2026年度入学者選抜実施状況(平均点など)」-令和8年度

 

6月には公立の要項、募集人員が発表される

令和9年度の入試は、ほぼ前年に準じた日程で実施される予定だ。※3
また、出願が1月26日から2月9日、出願書類の提出期間が2月12日、15日、16日となり(12日は郵送)、志願先変更が2月17日・18日と発表された。
出願は、全校で電子出願(インターネット出願)になる。
入試選抜についての期間に変化はないとみられる。

例年、募集定員は6月に、各学校の入試選抜基準や、選抜要綱などは5月ごろに発表される。
来春の入試に臨む公立中学校卒業予定者は、およそ5万6,033人、前年から900人程度減少する見込みだ。(令和7年度学校便覧より・義務教育学校9年生を含む)
全日制の募集人員はそれに伴い14 学級程度減少すると見られる。

埼玉県は、「魅力ある県立高校づくり」の第二期計画で、昨年度に次の統合による新校開校が実施された。
和光国際と和光、岩槻と岩槻北陵、秩父と皆野、越生と鳩山、八潮南と八潮、大宮工業と浦和工業。
新校では、伝統文化を継承する秩父新校の国際教養科、グローバルな国際人の育成を目指す和光国際新校の国際科、アニメーションと美術の融合を目指す越生新校(新校名/越生翔桜)の美術表現科、先端産業分野で大宮工業新校(新校名 大宮科学技術)のロボット工学科などが注目される。
和光、岩槻北陵、皆野、鳩山、八潮、浦和工業の6校は、6年度から募集停止となっている。

■※3 「令和9年度の日程」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2027年度入試〉埼玉県 公立高「入学者選抜の日程」-令和9年度

 

選択問題は、難問が続く 事前の研究は不可欠に

入試選抜は、調査書と学力検査の得点の総合評価(合計得点)で行われる。
受験生には得点力を高めるための自ら学ぶ力と、評定を確保するための努力(中間・期末考査の頑張りや授業への集中力)が求められる。

数学・英語の学校選択問題は、8年度では以下の22校で実施された。
浦和、浦和第一女子、浦和西、市立浦和、大宮、蕨、川口北、川越、川越女子、川越南、所沢、所沢北、和光国際、熊谷、熊谷女子、熊谷西、不動岡、越ケ谷、越谷北、春日部、市立大宮北、川口市立

選択問題には難問が多いとされるが、志望校が選択問題採用校ではないから、難しい内容の勉強をしなくてよいということではない。
難問まで含めて中学校での学習範囲であり、高校での学習はそこからの積み重ねだからだ。
令和9年度入試の選択問題採用校は、まもなく発表される見込みだ。

 

2回の志望校調査が志望校を決めるタイミング

埼玉県では、例年10月1日と12月15日付で、国・公・私立の中学3年生、義務教育学校9年生の進路希望調査を実施している。1人1校、第一志望校を中学校に提出した結果が集計される。
10月1日付けは10月下旬、12月15日付けは、1月上旬に発表される。※4

2回目の調査は私学の個別相談が終了し、調査書の評定も確定する時となる。第一志望の高校が決まる人が多くなるため、その年度の入試の動向を知る重要な資料だ。
志望校の決定のタイミングは、この調査の時点とする人が多いようだ。

■※4 昨年度の調査の結果(2回分)は:よみうり進学メディア
〈2026年度入試〉埼玉県「進路希望調査結果(10月1日現在)」発表-川口市立3.01倍など
〈2026年度入試〉埼玉県「進路希望調査結果(12月15日現在)」発表-市立浦和2.35倍など

 

9年度からの公立の入試変化を読み取ろう

9年度からの埼玉県公立高校の入試改革は、
①調査書から出席の記録、特別活動の記録、その他の記録の欄が割愛され、各教科の学習の記録と総合的な学習の時間の記録のみとなる。
②生徒個人が受験校に充てて自己評価資料を記入して提出する。
③各高校では、提出された自己評価資料を基に、集団または個別面談を実施し、採点する。
④各高校では、発表された選抜基準に基づき、特色化選抜または、一般選抜を実施するが、この際、学力検査得点及び評定の得点を一定の割合で得点化し面接点との合計で合否を決定する。特色化選抜では、学力検査得点を傾斜配点することができる。
などとなっている。

また、学力検査の解答にはマークシートが使用される。※5

既に学校ごとの選抜基準や特色化選考の実施、面接が個人か集団かなどは発表されている。

■※5 (参考)埼玉県から発表された「マークシート方式について」の資料はこちら:よみうり進学メディア
〈2027年度入試〉埼玉県公立高校「マークシート方式導入」まとめ-令和9年度

 

面接はMY VOICEからスタート

3月末に面接に係る内容が発表された。※6
9年度入試での面接は、入室後マイボイスからスタートする。これは、受験生がこれまでの経験を振り返り、力を注いだことや将来取り組んでみたいことを1分半から2分程度で述べるものだ。
面接官は自己評価資料とマイボイスを基に、3分半から6分間の質問、応答を実施することになる。
面接は、30点を基本点とし、各高校は、学科・コースの特色に応じ1倍又は2倍とする。
マイボイスは自己評価資料と関連付ける必要はない。自分を振り返り、それを言葉にして、面接官に伝える姿勢が重要となる。自分なりに考え、伝えることが大切だ。

■※6 (参考)埼玉県から発表された「面接について」のリーフレットです:よみうり進学メディア
〈2027年度入試〉埼玉県 公立校「面接試験について」発表‐令和9年度

 

就学支援金の増額で私学の授業料無償化が進む

令和8年4月から、国の就学支援金の各家庭の年収制限が廃止され、私学の授業料への支援金が45万7,200円に増額となった。これにより公立の授業料は完全無償化となり、私学も多くの学校の授業料が無償となった。学費無償化により公立志望から私学志望に変わった人が8年度入試では多かったようだ。

ただし知っておいてほしいのは、公立は入学金が必要、私学は授業料が45万7,200円を越える分は家庭の負担になること、授業料以外に入学金、施設設備費が必要になることだ。
また、制服や教科書は有償、修学旅行積立金やパソコン費用が発生する場合もある。学校ごとの費用の違いも調べておく必要があるだろう。
さらに就学支援金は7月以降の支給となるため、4月の時点では、各家庭で先行して支払っておく必要があることに注意が必要だ。

 

連休があけ、いよいよ受験態勢に

令和9年度入試に臨む際のポイントは、各教科の評定の扱いだ。
各教科の評定の基となる観点別評価は、全教科「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点となる。
すべての観点がA~Cで評価され、それを基に評定が決まることになる。

定期考査の結果はもちろんだが、日々の授業態度や積極的に授業に臨む姿勢、考えて発表する内容、提出物などが大きなウェィトを占める。
連休が明け、いよいよ受験を意識する時期となった。早めのスタートで志望する高校と出会ってほしい。

 

(文責:岩佐教育研究所・岩佐桂一)

 

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