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東京 入試情報
2020.11.6

〈2021年度入試〉東京都 令和3年度都立入試(全日制)赤羽北桜が開校、学級減は31校31学級

赤羽北桜が開校、中高一貫校の武蔵・富士は高校募集停止に学級減は31校31学級、倍率変化に注意

都教育庁は、9月に入選抜実施要綱・同細目を、10月8日令和3年度入試の都立高校の募集定員発表した。
新型コロナウィルス感染症の予防措置から、入試への出願は、原則郵送と変更された。
来春の公立中学校卒業予定者は、2,340人余り減少する。これに伴って、都立高校の募集人員は、全日制31学級1,220人、減少した。
3年度では、改革推進計画に基づき、赤羽北桜が開校し、中高一貫校の富士と武蔵が募集停止となる。
学校説明会の開催が人数制限や予約制となり、実際に高校へ行く機会も失われているが、志望校決定の時期が近づいてきた。

3年度入試の改善の基本方針が発表された

8月に都教育委員会の入試検討委員会の方針が発表された。この方針に基づき都立高校の入試の改善が検討された。
方針では、新型コロナウィルス感染症に係わる対応が第一番に挙げられている。
・出願方法が郵送による出願と窓口での出願となっているが将来的にはweb出願を検討する。
・推薦による選抜(以下推薦とする)で集団討論を止め1日で行うことを検討する。
・学力検査による選抜(以下、一般、後期とする)では、入試の集合時間や休み時間を検討する。
・新型コロナに罹患した生徒の再受験を可能とする。
などとなっていた。
また、一般・後期では、分割募集や、男女別定員制の継続他が発表された。

3年度入試での変更点について、出願は郵送に

綱・同細目では、先に発表された入試検討委員会の方針を受けて
①推薦及び一般入試の出願は原則として郵送によるものと変更。これに伴って、6月に発表された3年度入試の日程のうち、推薦及び一般の願書受付日が
推薦 1月12日~15日
各校の指定郵便局に必着
一般1月29日~2月4日
同 と変更された。他の日程の変更はない。
立川高校の出願は、Webによる出願が試行される。また、国際高校のバカロレアコースは窓口出願となる。1月20・21日。
②推薦は、原則1日の入試となる。集団討論は実施しない。
また、文化・スポーツ等特別推薦に大会等の実績、資格・検定等の成績に関わる内容を含めず、「実績等を証明する書類等の写し」を求めない。
③一般の検査間の休憩時間は20分から30分に変更となる。
④合格発表は掲示とウェブサイトの併用となる。
⑤全日制課程の一般の得点の開示は、入学手続き終了後から開始とする。⑥新型コロナ罹患により追検査が受検できない場合は別に定める。
などの変更が発表されている。

立高校の募集人員増減は、34校に

都内公立中学校の3年生の卒業予定数は、7万3062人となっており、前年と比較して2,340人減少する。(都内一貫校を含まず、公私連絡協議会資料より)
これに伴って、都立高校の全日制の令和3年度募集人員は、170校で4万470人と前年より31学級1,220人減少した。
高校ごとでは千歳丘、杉並、葛飾野など31校で1クラスの学級減となる。また、都立高校改革推進計画により、赤羽商業跡地に赤羽北桜が保育・栄養、調理、介護福祉の3学科で開校し、中高一貫校の富士、武蔵が高校からの募集を停止する。
募集クラスの増減は34校に及ぶ。募集停止や開校、定員の減少は、各校の入試倍率を上昇させるだけでなく、競合する学校の受験動向にも影響する場合が多いようだ。
なお、定時制課程では、足立が1学級減となり、学年制36校、募集人員1,410人で30人の減、通信制の募集定員(4月入学)は、前年と同じだった。

2年度入試は、推薦・一般とも高倍率が続く

今春の推薦入試では、全体で2・55倍、同普通科では2・92倍、第一次・分割前期募集(以下一般入試)倍率では、全体で1・32倍、同普通科では1・39倍と、前年度入試と比較すると、やや倍率は下がったものの、いずれも高倍率が続いていた。
特に、普通科の推薦入試では、平均2・92倍、学校によっては、5倍を超えるところもあった。
また、例年、中学3年生の在籍の増減に対して、募集人員の増減が実施されるため、入試全体としては、極端な倍率の変化はないと考えられる。
3年度入試でも、前年に続き、高倍率の学校が多くなると見られる。
学力による選抜の倍率がやや低下した理由は、都の私学入学者への助成金の拡大や、大学入試改革の3期生の入試だったこと、首都圏の大学の「定員の厳格化」などから、私学の大学附属校の人気が高かったことが挙げられる。

志望校の決定時期は、12月上旬に

12月上旬に、中学校で、都立高校への希望状況の調査が実施される。
この時期では、調査書が、ほぼ決定していることや、私立高校の推薦や併願優遇などの制度の利用も、学校を通じて確定しているため、ほとんどの受験生の第一志望校は、固まっているようだ。
結果は、1月上旬に新聞発表されるが、これは、受験生の動向を知るための、精度の高い資料として注目される。
都立の具体的な学校の決定は、出願の日程から、この資料を見てから決めることもできそうだ。
新型コロナウィルス感染症予防のため、各高校の説明会は予約制となっている。予約開始から数時間で定員が一杯になるなどの不満も聞かれ、特に、複数校への参加が難しくなっている。
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)