9月の神奈川県公私立高等学校設置者会議で令和3年度公私立高校(全日制)の入学定員について、公立は3万9550人程度、私立は1万4450人程度を目標とした。
公立中学校卒業予定者数は6万5108人で昨年の1680人減に対し2007人減の見込みとなっている。
各公立高校の募集定員は、地域(地区)生徒数の動向、志望校動向等を考慮しながら策定され、10月27日に2021年度(令和3年度)神奈川県公立高等学校生徒募集定員について公表した。全日制は県立132校と市立14校の計146校で、前年度より1550人減の40279人を募集する。
※募集定員は9月の公私合意の入学定員目標に県外等、特別募集等の合計などの数値となっている。
再編・統合による募集停止ほか
県教育委員会は、県立高校改革実施計画Ⅱ期に基づき、来年度から瀬谷西(昨年募集数320名)、逗子(同240名)、相模原総合(同240名)の三校の募集を停止。市立川崎は外部募集(同40名)を停止する。四校で840名の募集がなくなる。また、神奈川総合高校に「舞台芸術科(30名)」を設置する。そのため、個性化コースが40減。
他には、横浜地区で保土ヶ谷・霧が丘・田奈、横須賀/湘南地区で横須賀大津・深沢・寒川、県央/県西で秦野曽屋・厚木東・厚木北・綾瀬西が各40減。単位制では三浦初声・大師が各40減。総合学科では麻生総合・秦野総合が各40減。また、厚木商業が40減だが、これは厚木東との再編統合を見据えたものといる。
本誌9月号でも書いたが来年度入試日程だが、追検査…インフルエンザ等のやむを得ない事情で学力検査を受検できなかった者に対する措置があるのは今まで同様だが、今年はコロナウイルス禍の中の対策として、コロナ罹患者および濃厚接触者を対象とした追加の検査がある。2月に実施する検査(追検査を含む)を受検できなかったものを対象に、追加の検査を実施する。日程は、3月10日(水)に認定された受検者を対象に追加の検査、3月17日(水)に追加検査の合格発表。
今年は、コロナ禍で多くの高校が文化祭・体育祭の一般公開を行わなかった。そういった中、県教委は、Webサイトで「神奈川県立学校の学校紹介動画一覧」を配信、入試の際に必ず受ける面接への対応のためにも各学校の魅力や特色をこの動画や各ホームページで調べることも大切だ。
私立高校 受験パターンは
神奈川県の私立高校では、推薦入試は1月22日以降、一般入試は2月10日以降に行われる。
受験パターンとしては、私立第1志望ならば、推薦の受験。今年度は神奈川の私立56校のうち、50校が推薦入試を実施。県内私立の推薦は単願のみで、本番では面接、作文などが課され、学科試験は行わない。
他には、一般入試の「併願受験」がある。各高校の内申基準などを満たせば12月の「入試相談」でほぼ合格とされる。ただし公立など他校に不合格となったらその高校に入学することが条件だ。最近は、一般入試に「書類選考」を導入する高校も年々増えている。各校の内申基準などを満たして「入試相談」を経れば、試験を受けることなく合格が決まる入試方式。多くの実施校では「併願可」としている。今年度は併願可の書類選考は県内29校、来年度はさらに広がることは間違いない。ただ、慶應義塾など一部では併願受験や併願可の書類選考を行っていない。
一般入試では、「オープン入試」がある。内申を使わずに本番のテストで合否を決める枠が、併願受験などの実施校ではオープン入試と総称される。今年度は、30校で実施。学力勝負のオープン入試も拡大は必至だ。
私立高校、今まで以上に就学支援金が拡充
私立高校は、安定した受験者を集めている。その背景に学費支援の拡充があがる。対象世帯の年収が700万円未満であれば授業料補助額が最大44万4千円となり、県内私立の授業料の平均額は43万8千円ほどなので授業料が実質無料化したといえる。また、入学金も10万円(非課税世帯までは20万8千円)の補助がある。ただし、授業料以外に施設費などが必要だ、そういったことも調べておくことも大切なことといえる。
(かながわ民間教育協会 掛川忠良)