よみうり進学メディア

千葉 入試情報
2020.11.6

〈2021年度入試〉千葉入試情報 「志望校決定の時節が到来、くじけず頑張ろう」-令和3年度

いよいよ11月、志望校の選定の時期に差し掛かった。今月号では、1回募集になる公立高校入試を見据えて、入試や教育の変化などを検証する。
既に、前年12月には入試日程、7月には入試選抜実施要項、学校設定検査の内容、学力検査の出題方針及び中学校の臨時休校を踏まえた「配慮事項」、8月には募集人員、各学校の選抜・評価方法等が発表され、令和3年度入試の内容が出そろっている。
コロナウイルスの影響で、大規模な入試相談会が軒並み中止や予約制等となり、受験生の学校選択に影響が出ている。
そんな中、ネット等を駆使して各高校を研究して、目標を持って、志望校を選択してほしい。

公立の入試変化を考える 全体倍率は1.2倍以下に

来春の県内の国・公・私立中学の卒業予定者は、51,370人、今春の卒業生から2,050人減少する。このため県公立高校・全日制の令和3年度募集人員は、31,080人と2年度より1,480人減少する。
卒業予定者の増減に合わせて募集人員を増減させているため、公立の倍率は、ほぼ一定で推移している。
ただし、私立高校への授業料助成制度が充実してきたこと、公立の1回募集による不安感、大学進学希望者の大学入試改革への不安などから、私立高校を第一志望とする生徒がやや増加傾向にあるようだ。
前年並みの公立希望者の割合と考えると、公立の倍率は、1.16倍前後になる。恐れる必要はないが、公立志望の人ほど私立の併願受験が必要になるだろう。

将来の志望を考えて進路選択をしよう

現在の高校3年生が迎える大学入試から、入試改革が実施され、仕組みや求める学力等が変わることが決定している。
中学3年生は、これまでより将来の進路を考えた上で、志望校選択をすることが必要となる。
高校への進学は、皆さんの最終目的ではない。目的に到達するためのひとつの過程に過ぎないだろう。自分を伸ばしてくれると確信を持てる学校を選択してほしい。

思考力・判断力・表現力の充実がカギに

受験生の皆さんが4期生となる大学入試改革では「グローバル」を合言葉に、「思考力・判断力・表現力」を重視し、「コミュニケーション能力」、「問題解決能力」などを問うという大方針が発表されている。
読み取ること、聞き取ること、それを基に考えること、自分の言葉で書くこと、英語では「読む、聞く、書く、話す」という力が求められる。
現在の公立高校の入試も、新しい教育に合わせた入試選抜に移行してきているということだ。国語の聞き取り検査、英語のリスニングテストもそれを先取りする形で実施している。
学力検査では、考えさせる問題、表現する問題が工夫され、出題される。
入試で重視される内容が変わったのだから、勉強の仕方も、単に言葉や事象を覚えるのではなく、内容を理解し、自分の言葉で組み立てられるようにしておく必要がある。
失敗が許されない入試だからこそ、過去の入試問題を解き、出題や解答方法などを知り、対策する必要があるだろう。

私立入学者への助成金は充実。実質無償化へ

現在の公立高校の授業料は、世帯年収がおよそ910万円という限度額が設けられ、それ以上では、月額約1万円の授業料が発生する。
私立高校入学者については、限度額は同じだが、国と県によって、750万円までは、これまでと同額の11万8800円。750万円未満640万円では、21万2400円、640万円未満では、全額減免となる。
それ以外では、県の制度として「入学金軽減」、「奨学金」などの制度がある。詳細は各高校へ。
授業料が「安い公立、高い私学」というこれまでの定評が大きく変わってきているのだ。(年収は標準世帯のもので、家族収入の合算。市町村民税にて)
受験生にとっては、学費にこだわらない学校選択が可能になったということだ。
軽減内容についての詳細は、各私立高校に問い合わせてほしい。
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)