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東京 入試情報
2021.3.15

令和3年都立高校入試 数学問題解説&勉強法

令和3年都立高校入試の数学の問題を、家庭教師のトライのプロ家庭の先生に解説していただきました。
また、中学3年生に進級する皆さんに向けて、これからの勉強を教えて貰いました。

解き方のポイント

【全体的な傾向】
今年度は、学校の臨時休業が長期化したことに伴い、「三平方の定理」と「標本調査」分野を除く範囲に変更となりましたが、問題量は例年通りの出題でした。
証明問題が2題とコンパスを使う作図問題も出題されました。三平方の定理以外の着眼点が求められたため平面図形の問題は難化していますが、その他の問題はほぼ例年並みの難易度になっています。

【大問1】 計算・基本問題(小問9題・46点)〔基本レベル〕
問1~問6は基本的な計算問題でした。問7は2次関数の変域、問8は確率に関する問題です。問9は作図問題で、コンパスを使った作図を整理して理解できていれば解ける問題でした。

【大問2】 平面図形・規則性(小問2題・12点)〔標準~応用レベル〕
「生徒や先生が作った問題」という設定で計算問題と証明問題の2問が出題されました。例年出題されている頻出問題です。文章量が多いため、図から速やかに題意と規則性を読み取ることがポイントです。

【大問3】 一次関数(小問3題・15点)〔標準~応用レベル〕
問1、2は基本的な計算問題、問3はグラフ中の面積に関する問題です。例年通りの出題傾向ですが、問3はやや難化しています。三角形の面積が等しいため、面積を求めようとすると計算量が多くなってしまい、多くの時間を使います。そこで2つの三角形の面積が等しいことから、高さが等しいと考えます。2直線が平行(傾きが等しい)と考えることができれば計算時間を短縮できました。

【大問4】 平面図形(小問3題・17点)〔標準~応用レベル〕
問1は円周角の定理を用いて角度を求める基本的な問題です。問2の①は例年通り証明問題で、平行線の同位角を使う証明問題でした。二等辺三角形であることの証明は珍しく感じますが、二等辺三角形になる条件を整理して図を観察することができれば解法が見えたでしょう。問2の②は面積を求める問題です。今年の出題範囲は三平方の定理を除くことから相似比を駆使するのですが、複雑で難度が高いです。わかっている角度を図中に書き入れて、相似な三角形を整理していくことがポイントです。

【大問5】 空間図形(小問2題・10点)(標準~応用レベル)
問1はねじれの位置にある直線の本数を求める問題です。実際にPQを書いて空間をイメージし、数え漏れがないように注意しましょう。問2は例年通り体積を求める問題です。四角すいの体積は、底面積×高さ÷3で求めることができるため、どの部分を底面積と高さにするかがポイントです。

【対策】
都立入試の数学は各分野からバランスよく出題されますので、苦手を作らないようにしておくことが大切です。大問1では基本的な問題が出題されますが、46点も配分されています。加えて、大問2~5の小問1問目もその分野の基本事項の問題となっています。これらをしっかり解答し得点することが点数向上につながります。証明問題や作図問題を苦手とする方が多いですが、これも基本を押さえていれば得点につながります。まずは教科書に載っている証明問題や作図を自分の言葉で説明できるようにし、そこから記述する練習をしましょう。

勉強法

入試問題だから特別な問題が出題される、ということはありません。都立入試の数学では、基本的な問題が大部分を占めます。分野ごとの特徴を理解しつつ、しっかりと基本事項を習得していきましょう。

【代数分野】:式をあつかう分野
方程式や関数などの代数分野では、立式と計算というステップがあります。式で表現するためには、問題文やグラフから必要な条件を見つけて整理する必要があります。この部分は「教えてもらう」「暗記する」だけでは、できるようにはなりません。必ず自分で考えて式を作る練習をしましょう。また、関数では図やグラフを自分で描くということも大切です。関数の応用問題として、「図形との融合問題」がありますが、自分で図やグラフを描くことでこれらの問題を解く感覚を鍛えることができます。

【図形分野】:図形をあつかう分野
図形分野では頻出のポイントを意識して図を見ることが大切です。ひらめきを期待してぼんやりと図を眺めているだけでは、運任せになってしまいます。例えば円の中に三角形が描かれた図があるとします。この場合、ポイントは「円周角・中心角・直径に対する円周角(90度)」などです。三角形があるということは「内角・外角・二等辺三角形・正三角形」なども、重要なポイントです。これらのポイントをどう使うかを意識して図を見ることで、解答までの時間短縮につながります。それぞれの図形の特徴を整理し、演習問題を通じて図形問題を解く感覚を養っていきましょう。

【計算力】
計算力は「正確に解く」、「速く解く」の2つに分けて考えましょう。正確さは、基本的な計算方法を覚えていくことや計算の見直しをすることで身につきます。速さは、計算過程を工夫することや、制限時間を設けて解く練習をすることで身につきます。これらを意識して問題演習をたくさん行い、計算自体に慣れていくことで、正確に速く解いていくことができます。

【応用力】(分野共通)
応用問題は様々な基本問題の組み合わせです。つまり、最初に意識するべきことは、基本的な問題を解ける状態にすることです。その後、基本事項が組み合わされた複雑な問題を解くわけですが、何と何の組み合わせかを毎回意識することがポイントです。解き終わった後に、組み合わされている基本事項を整理してからもう一度問題を見直す習慣をつけましょう。

【これからの勉強方法】

定期テストを目標とした勉強で基本事項を理解することに加えて、これまでに学習した分野で苦手なものがないかのチェックも行いましょう。満遍なく出題される都立入試では、苦手分野をなくすことが最も点数を取ることにつながりやすいです。苦手な分野がある場合、まとまった時間を確保して対策していく必要があります。苦手な原因として、その土台となる分野からつまずいているパターンもあり得ます。その際は「学習系統図」を意識したさかのぼり学習を行いましょう。たとえば、中2で学習する1次関数は中1の比例・反比例が土台となっています。その分野そのものが苦手なのか、それともその前の分野からつまずいていたのかを見極めてどの分野の対策を行うべきか分析しましょう。

出題:東京都教育委員会 解説:家庭教師のトライ
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