コロナ禍でも、計画を立てて夏を乗り切れ
新型コロナウィルスの蔓延が続き、いろいろな面で制約が出ていることだろう。
気が付けば、私立高校の入試まであと8カ月あまり。制約は続くが、勉強に、運動に、学校行事に頑張る時期が来ている。
受験生に必要なことは、「悔いを残さない志望校の選定」、「学力の向上のための努力」、「調査書対策」だ。
今から調査書確定の12月までの間、すべての教科で集中して授業に臨んでいきたい。
3年生の夏は忙しい。健康管理に注意して、計画をたてて梅雨時期を乗り切ろう。
出願者変化の要因には入口と出口の制度変化が
第一次・分割前期(全日制)‐以下一般入試と呼ぶ‐3年度入試の学力検査の受験者は、前年より2,529人減少し3万7500人となった。
受験倍率は、1・28倍、実質倍率(受験数÷合格者数)も、前年の1・34倍より低下し、1・32倍となった。
倍率が下がったといっても、推薦で約1万5700人、一般で約9,100人が不合格になる厳しい状況は続いている。
推薦出願者の増加、一般受験生の減少という変化の要因としては「少子化」に加え、コロナ禍での『挑戦意欲の低下』や『志望校に出会う機会の減少』があると言われている。
また、私立高校生に対する国と都からの学費助成の充実』や『大学での?入試改革の実施』、『来春からの高校学習指導要領の改訂』などといった入口と出口の制度変化があると考えられる。
前年春の都内高校生の現役大学進学率は66・6%になる。過年度卒業生を加えれば、7割を超える。
大変な高学歴社会になっていることになる。
進学実績の高い公立高校や、大学附属を含め私立高校への期待が大きくなっている。
公立高校も私立高校も、校内LANの設置、モバイル端末の配布と利用、補習・補講の充実、アクティブラーニングの実践・研究、授業時間の確保など大学入試の変化に対応するための努力を続けている。学校ごとの取り組みをいろいろな機会を通じて知ることが益々重要になっているのだ。
大規模な私学展や各校の説明会などは、新型コロナ感染症予防や、オリンピックが迫っていることもあり、日程や内容のの変化、定員制や、申し込み制になってはいるが、ホームページなどを見るようにして、機会をとらえるようにしてほしい。
評定の仕組みを理解して授業に集中しよう
都教育庁が調査した令和3年3月卒業生の2学期の評定調査では、評定「5」が13・5%、「4」は25・5%、「3」は46・6%、「2」は11・2%、「1」は3・1%となっていた。前年のコロナ禍による長期の臨時休校などの影響もありそうだが、評定「3」以上が85・6%となっており、「3」は、普通の評価とは言えなくなっている。
評定は、「観点に基づく評価」とされる。5月号で今年度からの観点の変化について説明したが、全教科「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に変更される。調査書や通知表も、これを基に改訂される見込みだ。
観点は、それぞれA・B・Cの3段階で評価される。
観点別評価の結果を評定に換算する仕組みは、各学校で定められる。
つまり、中間・期末テストの結果だけでは評定は決まらないということだ。平素の授業態度や宿題の提出などは、学習に取り組む態度となり、テスト結果は、知識・技能として評価される。考え方や発表する姿勢なども重要な評価項目となる。
既に令和4年度入試は開始されている
調査書の評定は、都立受験(全日制)の推薦では無論だが、第一次分割前期)でも、学力検査7に対し、3割の得点換算が行われる。また、実技4教科は、評定が2倍とされる。
(調査書は?)私立高校の単願や併願の優遇制度で、目安や基準として扱われることも多い。
テストで頑張るのは無論だが、積極的に授業に参加すること、積極的に考え、自分の意見を発表すること、宿題を忘れない、提出期限を守ることなどを心がけてほしい。
既に、入試は始まっているのだ。
令和4年度入試日程は、ほぼ前年度を踏襲
前年度は、コロナ禍による長期の臨時休校の影響で、学力検査の出題範囲から3年次後半部分の分野が除外されたが、4年度では通常授業が続いており、全分野が出題範囲になりそうだ。
5月末に4年度の都立入試の日程が発表された。曜日による変化以外は、ほぼ前年度の日程を踏襲している。
【推 薦】
出 願:1月12日~17日
実 施:1月26日~27日
合格発表:2月2日
【第一次・分割前期】
出 願:1月31日~2月4日
実 施:2月21日
合格発表:3月1日