高校募集人員の増加は、入試にも影響が
千葉県教育庁は、令和4年度公立高校の募集定員を発表した。
千葉県では、令和4年3月の国・公・私立中学校の卒業予定者は53,000人で前年度と比較して約1,630人増加する(教育庁発表)。このため公立高校・全日制の募集人員は31,480人と前年より10学級400人増加する。全日制課程では、千葉北、八千代東、松戸六実など16校で普通科1学級、640人の増となる。佐倉南が3部制定時制・普通科に移行し、全日制普通科4学級は募集停止となる。
また、市立稲毛は、附属中学校からの内部進学者のため2学級80人の募集減となる。定時制課程では、佐倉南(午前2・午後2・夜間1学級)の5学級の定員増により、佐倉東が募集停止になり、行徳は船橋と統合し募集停止、船橋は総合科3学級に再編、普通科は募集停止となる。学校の定員の増減は当該校の倍率だけでなく、競合する学校の応募者にも影響する。今後の志望者の動向に注意が必要だ。
学力検査問題も思考力を問う問題も授業内容から
県教育庁から、7月末に出題の基本方針と、学校選択問題で来春初めて採用される「思考力を問う問題」の基本方針が発表された。
学力検査問題の出題の基本方針では、「学習指導要領に基づき」とされ、基礎的な知識及び技能をみる問題とともに、思考力、判断力、表現力を問う問題が重視されることになりそうだ。学校選択問題での「思考力を問う問題」の採用校は、県立千葉1校が発表されている。「思想力を問う問題」では、国語・数学・英語のさまざまな事柄を関連付け、より正確に理解し、より深く思考する力が問われる。
前年度は、新型コロナウィルス感染予防のため長期の臨時休校があった。そのため各教科で出題しない単元があったが、本年度の現時点では、正常授業が実施できているため、全範囲から出題されることになる。出題の基本となるのが「中学校での学習内容」であることは変わらない。出題の基本方針には「学校の授業を大切にして欲しい」というメッセージが込められている。
各学校の学校設定検査の内容に注目
前年度から一般募集で欠員にならない限り、高校入試は1回の受験機会しかなくなった。しかし、見方を変えれば、これまで全日制の平均倍率で1・7倍を超えていた前期選抜、1・4倍の後期選抜が、前年度では、1・07倍となり、不合格者が大幅に減少した。入試機会は減るが、体調管理をしっかり行い、万全の対策を講じれば怖がることはない。
全日制一般募集2日目に、学校設定検査が実施される。面接、適性検査、自己表現、作文・小論文・学校独自問題による検査などが、全校・全学科で実施される。また、面接と自己表現、作文など複数の課題を採用する学校も16校20学科ある。検査の結果は、調査書等の書類審査を含め、得点化し、総合的に合否を決定するとされている。
説明会・相談会・体験入学に参加しよう
県内公・私学の高校募集するほぼ全校で、学校説明会や体験入学等が実施される予定となっている。申し込みを予約制にするなど密を避ける工夫がされ、制約は多いが、ぜひ参加しておきたい。また、私学では、12月中旬までに、生徒・保護者対象の個別相談を可能とする学校が多い。個別相談とは、通知表や各種検定、その他の資料などの実績をもとに「合格の可能性を判定する機会」として、「個人的な質問に答える場」とする高校がある。
説明会や相談会への参加は、合否の予測だけでなく、学校との相性や、高校生活の実態を垣間見る機会としても利用できる。さらにインターネット等も上手に利用して各高校を知り、志望校を探していってほしい。
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)