東京都教育委員会は「令和4年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書」を発表。
これは本年5月に設置された「令和4年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会」において
令和3年度(2021年)入学者選抜の検証を行う中で、
これまでの入学者選抜方法の成果と課題を明らかにするとともに、
令和4年度(2022年)入学者選抜以降の改善策等について検討してきたものです。
(1) 新型コロナウイルス感染症に係る主な対応
・令和3年度は、一斉の都内公立中学校の臨時休業を行っていないため「出題範囲への配慮」については実施しない。
・「学力検査に基づく選抜の実施方法は原則、検査を1日で実施」
「推薦に基づく選抜の実施方法については集団討論の中止」
「感染が疑われる者及び濃厚接触者への対応に関し、37.5度以上の発熱者については追検査を受検させる」
など、以上の項目は令和3年度(2021年)入学者選抜と同様の措置を講ずる方向で検討を進める。
・郵送出願・ウェブサイトによる合格発表を継続する方向で検討を進める。
・インフルエンザ等学校感染症罹患者等に対し、令和3年度入学者選抜と同様に追検査・追々検査による機会を設ける。追検査は各高等学校で、追々検査は東京都教育委員会が指定した会場で実施する方向で検討を進める。
<男女別定員制の緩和>
学力検査に基づく選抜において男女別定員制の緩和を10%、20%、推薦に基づく選抜を含めた男女合同定員制とする3段階を設定するなど、段階的に移行する方向で検討を進める。段階を経て進めるに当たり、混乱を最小限にする方法を検討する必要がある。
■参考ページ:〈2022年度入試〉 東京都「都立高男女定員」段階的緩和方針を発表
<東京都中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)結果の活用>
保護者、受検者、中学校側、高等学校側に趣旨等をしっかりと説明し、理解を得る努力を続けるとともに、得点化の方法等入学者選抜への具体的反映方法について更に検討するほか、不受験者への対応の詳細などについても、検討を進める。
<分割募集>
受検の機会を複数回提供できるということだけでなく、異なる尺度により、受検者の様々な力を評価することで、多様な生徒を入学させることができるため、継続するべきである。学校の様々な状況に応じて、分割前期募集と分割後期募集の募集人員の割合については、適切な割合となるよう検討を進める必要がある。
<マークシート方式の導入による採点誤りの再発防止><相互点検>など
<インターネット出願>
インターネットによる出願とすることで受検者の利便性は向上する。調査書等を含め、出願に係る資料について紙から電子に移行することで、将来的には受付事務に係る負担が解消できるため、全面実施に向けた計画について検討を進める。
<専門学科における選抜方法>
意欲をもって専門学科の高等学校を志望する受検者の進路を少しでも早く決定させるため、推薦に基づく選抜の募集人員の割合について、50%を目標に引き上げていく方向で検討を進める。
学力検査に基づく選抜において、5教科で広く基礎学力をみるという視点もある。学力検査の教科数を含め、応募者が増加するように検討は今後も続ける必要がある。
上記の報告を踏まえ、本年9月に、令和4年度東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目で詳細を定める。令和4年度(2022年度)入学者選抜においても、新型コロナウイルス感染症対策について、感染の状況に注視し、様々なケースを想定した上で、対応策について検討を引き続き進めていく。
(※発表文章を抜粋・加筆)
■詳しくは
東京都教育委員会「和4年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告について」
■別添
令和4年度東京都立高等学校入学者選抜検討委員会報告書PDF
(2021年9月24日)