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東京 入試情報
2021.11.10

〈2022年度入試〉 東京入試情報 「都立高入試(全日制)の状況」 -令和4年度

立川に創造理数科新設、 中高一貫校の両国・大泉は高校募集停止に 学級増は32校33学級、倍率変化に注意

都教育庁は、9月に入選抜実施要綱・同細目を、10月14日に令和4年度入試の都立高校の募集定員を発表した。
来春の公立中学校卒業予定者は、3,430人余り増加する。これに伴って、都立高校の募集人員は、全日制33学級1,140人増加した。
4年度では、改革推進計画に基づき、立川に創造理数科が新設される等に 加えて、中高一貫校の両国と大泉が募集停止となるなどの変化がある。
学校説明会や個別相談の実施が定員制や予約制となり、実際に高校へ行く機会も限られているが、志望校決定の時期が近づいてきた。

4年度入試、改善の基本方針が発表に

9月に都教育委員会の入試検討委員会の方針が発表された。この方針に基づき都立高校の入試の改善が実施される。
・出願方法は、推薦による選抜(以下推薦とする)及び分割前期(以下一般とする)では原則として郵送による出願となった。
なお、インターネットによる出願の試行が20校に拡大する。
・新型コロナウイルス感染症対策として、推薦では集団討論を止め、1日で実施する。また、一般入試も1日で実施する。
・新型コロナに罹患した生徒、濃厚接触者の再受験を可能とする。
・男女別定員制は、これまで実施していた109校で、10%の緩和措置を実施する。この結果を踏まえて今後の男女合同選抜が検討される。
・東京都中学校英語スピーキングテストは、5年度入試から採用する予定。
・5年度から白鷗の高校募集が停止となる予定。
などとなっている。

都立高校の募集人員増減は、40校に

都内公立中学校の令和4年春の卒業予定数は、7万6,490人となっており、前年と比較して3,428人減少する。(都内一貫校を含まず、公私連絡協議会資料より)
これに伴って、都立高校の全日制の4年度募集人員は168校で4万390人と前年より29学級1,140人増加した。
高校ごとでは、竹早、杉並、墨田川など32校で33クラスの学級増となる。また、都立高校改革推進計画により、小台橋(足立区)が昼夜間定時制の総合学科として誕生する。
全日制では、立川に創造理数科が新設、大島海洋国際の海洋国際科に2年次からのコース制(系)を導入、水産科に改編、田柄の外国文化コース、及び五日市のことばと情報コースを普通科に再編する。
また、中高一貫校の両国、大泉は、高校からの募集を停止する。
武蔵野北、小平では、文化スポーツ推薦を取りやめる。
募集クラスの増減は40校に及ぶ。募集停止や開校、定員の減少、更には男女別定員の緩和等は、各校の入試倍率を変化させるだけでなく、競合する学校の受験動向にも影響する場合が多いようだ。
なお、定時制課程において学年制で、町田1学級減となり36校、募集人員1,380人で30人の減、単位制の1学年募集は前述の小台橋の240人分が増加し2,835人となった。

4年度入試は、推薦・一般とも高倍率が続く

コロナ禍で行われた、今春の推薦入試では、全体で2・77倍、同普通科では3・17倍、一般入試では、全体で1・32倍、同普通科では1・36倍と、前年度入試と比較すると、推薦の倍率は上昇し、一般は、やや低下したものの、いずれも高倍率が続いていた。
特に、普通科の推薦入試では、平均3・17倍、学校によっては、5倍を超えるところもあった。
また、例年、中学3年生の在籍の増減に対して、募集人員の増減が実施されるため、入試全体としては、極端な倍率の変化はないと考えられる。
4年度入試でも、前年に続き、高倍率の学校が多くなると見られる。
一般による選抜の倍率がやや低下した理由は、都の私学入学者への助成金の拡大や、大学入試改革の実施により、現役進学率の高い私学志向になったこと、コロナ禍の中、早めに私学に進路を決めた受験生が多かったことなどが考えられる。

志望校の決定時期は、12月中旬に

12月中旬に、中学校で、都立高校への希望状況の調査が実施される。
この時期では、調査書が、ほぼ決定しており、私立高校の推薦や併願優遇などの制度の利用も、学校を通じて確定しているため、ほとんどの受験生の第一志望校は固まってきている。
結果は、1月上旬に新聞発表されるが、これは、受験生の動向を知るための、精度の高い資料として注目される。
公立の具体的な学校の決定は、出願の日程から、この資料を見てから決めることもできそうだ。
新型コロナ禍の中で、志望校の決定には、情報の収集がますます重要となる。
各高校の説明会は、定員制や予約制となる事が多いようだ。予約開始から数時間で定員が一杯になるなど、複数校への参加が難しくなっている。
予約が取れなかったり、説明会が終了の時には、希望校に資料請求をしたり、インターネットを利用して調べることが重要となる。
学校の特色、入試の仕組み、私立では入試制度やコースごとの基準を調べておきたい。
色々な高校を見て、調べ、第一志望の高校に巡り合って欲しい。