冬休み期間は、計画をたてて、実行すること
いよいよ令和4年度入試の志望校確定の時期が近づいてきた。
1月15日からの私立高校、12日からの都立高校の推薦入試への出願から、2月の都立第一次・分割前期(以下一般入試)の入試、3月1日の合格発表まで、1か月半に渡る高校入試の開始となる。
新型コロナ感染のリスクを考慮し三密を避け、健康に留意すること。志願校の高い倍率にくじけないこと、これからの日々に本気で勉強に取り組めるかなどが、受験に勝つための大きなポイントになるだろう。
志望校確定の時。併願作戦でワンランクアップを
12月中旬には、調査書が確定する。同時に、中学校校長会の「都立高校への進路希望調査」が実施され、冬休み空けには、学校ごとの希望人数が発表される。令和4年度入試の動向を知るための重要な資料だ。
志望校決定の時期となったが、都立希望者は推薦・一般と、2回の受験チャンスがある。私立併願を含め、受験戦略を立てて本番に備えてほしい。
私立の優遇制度を利用して、高倍率に備えよう
3年度の都立全日制の推薦入試では、平均倍率2・77倍、一般入試でも1・32倍となり、大変厳しい状況だった。
また、4年度入試では、男女別定員の緩和措置が実施されるため、倍率以上に厳しくなる学校が出現する可能性がある。私立高校の併願制度を利用した受験を検討しておきたい。
ただし、私立高校の併願受験は、2月10日から開始されるため、一般入試の出願の時点では、まだ受験前にあたる。
このため、都内私立高校の多くは「併願優遇制度」を設けている。
また、私立第一志望の場合は、単願・推薦制度があり、各校が設ける基準以上の生徒は、12月中旬から中学校を通じての(入試)相談を可能としている。
担任の先生への報告・連絡・相談を欠かさないことが何より重要だ。
教科書は、最高の参考書
新たな分野は要チェック
都立高校の入試問題の出題範囲は「中学校の3年間で学習した内容」とされている。また、各学年の内容がまんべんなく出題されることも特徴となる。
前年度は新型コロナの感染予防から、およそ3か月間、学校の臨時休校措置が採られた。
このため都立高校の入試では、3学年後半の単元の多くが出題範囲から削除された。
前年の問題を紐解く際には、このことに注意が必要となる。
さらに今年の中学3年生は、新しい学習指導要領の施行(移行期間を含め)にあわせ教科書が改訂されており、数学や英語などで、これまでにない分野を学んでいる。
数学では、中1の時に「累積度数・累積相対度数」、中2で「箱ひげ算」「四分位数・四分位範囲」「反例」などが加わった。
英語では、単語数の増加とともに、「感嘆文」「仮定法」「原形不定詞」「現在完了進行形」、理科では「ダニエル電池の実験」が加わっている。
また、新しい学習指導要領では教育の目標として、各教科の知識・理解は無論のこと、それに加えて思考力・判断力・表現力などを重視することが加わっている。
このため「資料文の提示」や「対話形式での出題」といった形式が増えてくるかもしれない。
したがって今年度の受験生は特に、教科書を中心に中学1・2年生の内容から見直しておきたい。
また、都立・私立ともに過去数年の入試問題を繰り返し解いてみることは参考になる。
同じ問題は出題されないし、新しい分野が加わる可能性はあるが、入試の出題方法や難易度に変化はないはずだ。
都立一般入試のマークシートに注意
都立第一次・分割前期の学力検査に基づく選抜では、独自問題実施校を除く全校で、マークシート方式が実施される。
マークシート方式では、記述式解答と異なる点があるので注意が必要だ。
・H、HBなど軟らかめの鉛筆を使用する。
・解答用紙に傷がつかないよう筆圧に注意する。
・書き直す場合には、消しゴムであとが残らないようきれいに消す。
・「消しゴムのかす」が残らないよう注意。
・解答欄のずれや、2重マークになっていないかを見直す。
などを特に押さえておいて欲しい。
冬休みは計画を立てて、無理なく実行しよう
私立高校の推薦の出願まで6週間、都立一般入試出願まで2か月余りとなった。
これから皆さんにやって欲しいことは、計画を立てて、それを実行することだ。計画が実行できたなら、それは将来にわたって、皆さんの実力の向上になり、自信となることだろう。
コロナ禍の中での受験は、健康管理から
冬の兆しが強くなってきた。入試当日だけでなく、今日から受験日まで、毎日の皆さん自身の健康管理も、重要な入試の対策のひとつだ。
無駄を省き睡眠時間を確保すること。外から帰ったら消毒液等で手を洗い、うがいを忘れないこと。外出時にはマスクを忘れず、三密を避けること。注意することはたくさんある。
風邪の症状や腹痛、発熱などがあった場合には、早めにお医者さんに行っておこう。担任の先生への報告も忘れずに。
岩佐教育研究所 岩佐桂一