間もなく私立高校の出願期間に突入、中学3年生は令和4年度入試の受験本番を迎える。
2月9日から開始される公立高校への出願から、3月7日の合格発表まで、2か月半に渡る高校入試の開始となる。
新型コロナ感染のリスクを考慮し三密を避け、健康に留意すること。
志願校の高い倍率にくじけないこと、これからの日々に本気で勉強に取り組めるかなどが、
受験に勝つための大きなポイントになるだろう。
今月号は、受験直前のアドバイスをまとめた。
入試機会は減ったが倍率は大幅に低下した
本誌9月号で報告したように、令和4年度高校入試では前年に引き続き、一般募集で欠員にならない限り1回の受験機会しかない。
しかし見方を変えれば、2年度入試まで全日制の平均倍率で1・7倍を超えていた前期選抜、
1・4倍だった後期選抜が、前年では1・08倍と平均倍率が大幅に下がった。
入試機会は減るが、体調管理をしっかりとして、万全の対策を講じれば怖がることはない。
教科書は、最高の参考書 新たな分野は要チェック
公立高校の入試問題の出題範囲は「中学校の3年間で学習した内容」とされている。
また、各学年の内容がまんべんなく出題されることも特徴となる。
前年度は新型コロナの感染予防から、およそ3か月間、学校の臨時休校措置が採られた。
このため公立高校の入試では、3学年後半の単元の多くが出題範囲から削除された。
前年の問題を紐解く際には、このことに注意が必要となる。
さらに、今年の中学3年生は、新しい学習指導要領の施行(移行期間を含め)にあわせ教科書が
改訂されており、数学や英語などで、これまでにない分野を学んでいる。
数学では、中1の時に「累積度数・累積相対度数」、中2で「箱ひげ算」「四分位数・四分位範囲」
「反例」などが加わった。
英語では、単語数の増加とともに、「感嘆文」「仮定法」「原形不定詞」「現在完了進行形」、
理科では、「ダニエル電池の実験」が加わっている。
また、各教科の知識・理解は無論のこと、それに加えて思考力・判断力・表現力などの能力を問う出題が
されることになっている。
このため「資料文の提示」や「対話形式での出題」、「自分の言葉で説明する」といった形式が増えてくるかもしれない。
したがって、今年度の受験生は特に、教科書を中心に中学1・2年生の内容から見直しておきたい。
また、公立・私立ともに過去数年の入試問題を繰り返し解いてみることは参考になる。
同じ問題は出題されないし、新しい分野が加わる可能性はあるが、入試の出題方法や難易度に変化はないはずだ。
私立高校の優遇制度を利用しよう
県内私立高校も前期入試中心になっており、出願は、早い学校で12月中旬から開始される。
1月10日前後までを出願期間とする学校が多いようだ。
また、インターネットでの出願としている学校が多いことにも注意が必要だ。
私学の受験は、前期日程は1月17日、後期日程は2月5日からだが、私学第一志望の受験生だけでなく、
公立の出願(2月9日・10日・14日)の前に、私立の前期入試の併願での受験は必須だ。
県内私立高校の多くで、第一志望を対象とする入試や公立の併願を前提とする入試が実施されている。
それぞれに優遇制度を設け、受験生や保護者対象の入試説明会や個別相談を実施している学校が多い。
また、各校が設けている入試制度で一定基準以上の生徒は、中学校との12月中旬からの入試相談を可能としている。
志望校の決断の時、コロナ禍のため申し込み制や定員制などの制約は多いが、単願・併願を視野に入れて、私学の個別相談に臨み、皆さんの現在の成績や部活、生徒会や学級などでの活動状況を話し、合格の可能性を聞いてみることも必要だろう。
個別相談に臨んだ際や、志望校に迷う時など、担任の先生への報告・連絡・相談を欠かさないことがなにより重要だ。
計画をたてて、無理なく実行しよう
公立高校の出願まであと2か月余り、これから皆さんにやって欲しいことは、計画を立てて、それを実行することだ。
自分なりの勉強のスケジュールを作って欲しい。
そして、強い意志で実行していって欲しい。学校や塾での勉強とは別に、自学・自習の必要があるということだ。
計画が実行できたなら、それは、受験だけに限らず、今後の皆さんの自信につながることになるだろう。
コロナ禍の中での受験は、健康管理から
冬の兆しが強くなってきた。入試当日だけでなく、今日から受験日まで、毎日の皆さん自身の健康管理も、
重要な入試の対策のひとつだ。
無駄を省き睡眠時間を確保すること。外から帰ったら消毒液等で手を洗い、うがいを忘れないこと。
外出時にはマスクを忘れず、三密を避けること。注意することはたくさんある。
風邪の症状や腹痛、発熱などがあった場合には、早めにお医者さんに行っておこう。