皆さん学校の授業をしっかり受けていますか。まさか、授業と受験は無関係などと思ってはいないでしょうね。授業は受験勉強のど真ん中です。授業をおろそかにしてはいけません。
そこで今号では正しい授業の受け方について考えてみます。
ときどき誤解している人が見受けられますが、授業と受験勉強は無関係ではありません。むしろ密接な関係があります。「授業=受験勉強」と言う人もいるくらいです。
では、授業を受けているだけで受験が乗り切れるかというと、そこはちょっと違うのですが、授業が大事であるのは間違いありません。部活や行事の関係で十分な勉強時間がとりにくいこの時期は、特に授業が大事なのです。
よく「(受験勉強は)教科書だけで大丈夫ですか?」と心配する人がいますが、問われる知識内容は基本的に教科書レベルですから、その点はまったく心配ありません。
ただ、同じ知識内容でも、問われ方によって出来たり出来なかったりということはあるので、問題集などで、いろいろな問われ方に慣れる必要はあります。
したがって、教科書で学んだ知識を、どんな問われ方をしても答えられるように問題集で練習するというのが正しい受験勉強のやり方ということになります。
教科書を中心に行われる授業の大切さが分かったところで、次は授業の受け方についてです。
真面目に授業を受けているのに点数に結びつかないという人がいますが、そういう人は「真面目に」の意味を勘違いしている可能性があります。
真面目に授業を受けるということは、真面目にノートを取ることではありません。
先生の説明を集中して聞いていますか。頭をフル回転させて考えながら聞いていますか。絶対覚えるぞ理解するぞという強い気持ちを保ちながら聞いていますか。
「後でノートを見ても分からない」。
それはそうでしょう。よく分からない話をノートに書き、それを後で見直したところで何が分かるというのでしょう。
極端な話、その場で完全に理解できれば、ノートは数行のメモで十分です。頭の中のノートにしっかり記録したのですから。
入試の出題範囲は1年から3年までの全範囲です。成績が伸び悩む人の多くは1・2年の基礎がおろそかになっています。そこで、いま学校で習っていることはその場で理解し、家では1・2年の復習をするという体制を作らなければなりません。いま授業でやっている内容を後で一からやり直そうと思っても、そんな時間はありません。授業をそのまま受験勉強にしてしまおうというくらいの気持ちを持つべきでしょう。
家での復習の仕方は、別の機会にもう少し詳しくお話しますが、授業で習った内容を実戦、つまり入試で使える力にまで高めるには問題練習が欠かせません。
ノートを読み返すだけでも効果がありますが、実際に問題を解くという作業をしてみないと、理解の程度が確認できません。毎日である必要はありませんが、少なくとも単元が終わるごとには、問題練習をしてみましょう。
ほんの少しでも予習をする習慣をつけると、授業の理解が深まります。「予習→授業→復習」でワンセットと考えましょう。
たとえば英語なら単語の意味を調べ、発音し、スペルを覚える。これくらいなら一人でも出来るでしょう。これによって授業の効果が倍増すること間違いなしです。