2022年度の入試シーズンが終わりに近づきました。
これは新たな入試シーズン、すなわち2023年度入試の幕開けということでもあります。
本番まであと1年と考えている人も多いかもしれませんが、
約10か月後には次の入試が始まります。ぜひ早めにスタートを切ってください。
まずは前年度(2022年度)の入試状況から。公立高であっても、高校入試は各自治体で日程も仕組みも異なります。都県別(東京都、埼玉県、神奈川県)でお話します。
■東京都:変わる入試、情報収集怠らず
2月21日、都立高校の学力検査に基づく選抜(第一次募集及び分割前期募集)が行われ、3月1日、結果が発表されました。全日制168校で受検者は3万8,905人、倍率は1.29倍(前年度1.28倍)でした。2倍を超える高倍率校がある一方、66校96科が定員割れでした。
この後、二次募集等いくつかの日程を残していますが、令和4年度入試は、ほぼ終了しました。
4年度入試もさまざまな点で新型コロナの影響を受けましたが、前年度のような出題範囲の縮小はありませんでした。また、特に大きな制度変更等はありませんでした。ただし、入試の制度や仕組みは、年々少しずつ変化しています。5年度入試に挑む皆さんは、都立や私立の入試情報をこまめにチェックするようにしてください。
■埼玉県:前年に続きコロナ下での入試
埼玉県公立入試は、2月24日に学力検査、25日に面接・実技等、そして3月4日に合格発表が行われ、欠員募集など一部日程を除きほぼ全日程を終えました。
コロナ下での入試は3度目となりましたが、今年度(令和4年度入試)では、前年度(3年度入試)のような出題範囲の縮小などはありませんでした。また、制度・仕組みについても特に大きな変更はありませんでした。
ただ、コロナ以前は毎年行われていた「彩の国進学フェア」(さいたまスーパーアリーナ)がオンライン開催に変更されるなど、大規模な進学イベントが中止または縮小開催となりました。各高校が実施する学校説明会なども中止や開催方法の変更が相次ぎました。そのため、学校選びに苦慮した受験生も多かったようです。
■神奈川県:全国一早い神奈川県公立入試
令和4年度神奈川県公立入試が行われ、2月15日に共通選抜等の学力試験、3月1日に合格者の発表があり、追検査などを除きほぼ全日程を終えました。
日本全国を見渡すと、一般募集の学力検査は3月初旬から中旬にかけて実施されるケースが多く、神奈川県のように2月中旬に行われるケースは稀です。おそらく公立入試としては全国一早い日程でしょう(推薦入試・前期募集等は除く)。
神奈川県の公立高校受験生は全国でもっとも早く学力検査に臨むことになりますから、その分だけスタートの時期も早めなければなりません。
公私立とも、年々少しずつ入試の制度・仕組みや内容が変化しています。新しい情報のチェックを怠らないようにしましょう。
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毎年本番間際になると多くの受験生が「もっと早くから始めていればよかった」と後悔します。その一方、本気になるのが早過ぎたという声は聞いたことがありません。
ですから、受験を成功させたいと考えている人は一日も早くスタートを切ってください。スタートの合図は特にありません。あなた自身が決めた日がスタートの日です。幸いなことに陸上競技などと違ってフライングの反則はありません。「思い立ったが吉日(きちじつ)」という言葉があるように、やると決めたことは、すぐに取り掛かかるべきなのです。
中には後半追い上げるから大丈夫とのんびり構えている人もいます。
しかし、時間を考えてください。受験本番までは今日からカウントしても11か月ほどしかないのです。受験は、はるか遠い先の話ではありません。受験は「短期決戦」です。
さて、早期スタートが大事なことは分かりました。ただ、そうは言ってもいきなり全速力というわけにもいかないでしょう。まずはウォーミングアップ、準備運動からです。
では具体的に何から手をつけるかですが、おすすめは今年の入試問題をやってみることです。今年行われた学力検査問題は各都県の教育委員会のホームページに出ています。今年を含め過去の問題と正答を見ることができます。
まだ、出来るわけがない。
そうだと思います。また、それでいいと思います。
重要なことは、今何点取れるかではありません。入試問題とはどのような形式なのだろう。どんな内容なのだろう。それを自分の目でしっかり確認しておくことが大事なのです。要は目的地の下見のようなものです。一度でも下見をしておけば、どんな準備が必要なのかが、何となく見えてきます。そうすれば、受験勉強の方向性を大きく誤ることもなくなります。
勉強というのは、その日の気分でやったりやらなかったりというものではありません。1・2年生はそれでもよかったかもしれませんが、受験生になったら、毎日机に向かわなければなりません。
部活や行事で疲れているときもあるでしょう。気分的にいまいち乗らない日もあるでしょう。それでも、たとえ10分、20分でも机に向かう。それを自分に課してください。もちろん、体調不良のときはその限りではありません。
食べる、寝る、学ぶ。この3つを毎日欠かさず実行しましょう。
夏休み(お盆休み)や冬休み(お正月休み)は大人の世界にもありますが、春休みは小中高校生と大学生にしかありません。進学や進級など次のステップに進むための準備期間としてあるものです。
4月から受験生と呼ばれるようになる皆さんは、この期間を上手に使わなくてはなりません。
たとえば、自分の部屋や机の周りなどを受験生仕様に変えてみるというのはどうでしょう。1・2年生の教科書やノート、テストなどは、後々必ず必要になるものです。これらをいつでも取り出せるようにしておくことも立派な受験準備です。それほど長くない休みです。ただの休息期間にならないようにしてください。
(よみうり進学メディア編集部)
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