長かった連休が明けて、中3生は、いよいよ2020年度入試に向けて本格的に始動する時節が来た。
2018年度の都立入試から、進学指導重点校と進学重視型単位制高校で各校独自問題での入試が行われた。元号は変わったが次年度では大きな変更はない模様だ。
都立の改革推進計画の新実施計画がスタートし、多様な教育内容の改善や具体的な学校の改編があることに注目したい。
今回と次回、2回に分けて、2019年度の都立高校入試を総括する。
2019年度入試に臨む受験生は、前年より約680人減少した(18年教育人口等推計)。
このため都立全日制では、6学級分240人の募集人員の減が実施された。学校ごとでは、広尾、竹早、東大和の3校で1学級の増、向丘、青山、江戸川など9校で9学級の減となるなど12校の増減があった。
志望校の選択には、前年の倍率や、募集人員の増減が影響することも多いようだ。
2020年度入試では、公立中学校の卒業予定者が前年より1,100人程度減少する(18年度学校基本調査)。このため、都立高校の募集人員は、16~17学級程度減少すると見られる。
募集人員は例年、10月中旬に発表される。
東京オリンピックを来年に控え、東京都の人口は、急速に増加している。2018年5月と12月では中学3年生だけで、およそ300人程度増加したようだ。人口増も入試に変化をもたらす。
2016年度に策定された都立高校改革推進計画・新実施計画に基づく学校改編が開始されている。
一昨年(18年度)入試の全日制で、赤羽商業が募集停止(21年度に家庭・福祉科校に改編)、中野工業がエンカレッジスクールになり、葛西工業と多摩工業にデュアルシステム科が新設となっている。
2020年度入試では、前年に引き続き、2016年度の入試改善の定着を図る年度とされ、大きな入試変更の予定はない。
東京都中学校長会が実施した今春の卒業生に対する「進路希望調査12月14日現在」では、全日制希望者は、卒業予定者7万6641人の91.6%、都立高校志望者はこのうちの73・5%だった。
東京都では、例年、都内私学と公立中学校の進学希望者に対して、募集人員の割合を話し合う機会(公私連絡協議会)が設けられている。
2019年度の募集の割合は、都立対私立が59.6対40.4、これに従って、都立高校の募集人員が決められていた。
都立高校進学を目指す受験生は、前年の約75%よりやや減少し、73%となった。募集人員は進学予定者の約60%のため、都立受験には、この差13%分の不合格の可能性があることになる。
推薦入試の受験倍率は2018年度の2・78倍から2・61倍に緩和したが、依然として、厳しい入試が続いている。
学科別に見ると、芸術科5.63倍、家庭科3.37倍、国際科3.35倍、普通科2.92倍、などだった。
選抜方法は、内申、面接、作文・小論文などの総合評価とする選考となる。学校により方式が異なることに注意が必要だ。
第一次・分割前期募集の実倍率(受験者÷合格者)でも、全体で1.35倍(前年度1.38倍)と低下し、普通科も、1.40倍(前年度1.44倍)と低下していた。
しかし、不合格者は10,696人と依然として厳しい入試となっている。