新型コロナウイルスの蔓延により、変更を余儀なくされた令和3年度の入試に比べ、変更点が少なかった令和4年度の入試。
この4月、新たに3年生となった皆さんも「入試はどうなるのだろう」「学校訪問に行けるのか」「試験の範囲は変更されないか」と不安の種は尽きないだろうと思います。
しかし受験に向けて3年生が1学期にやることは、例年と変わりません。今はまず、第一歩を踏み出す、受験の土台を作る段階です。基本姿勢は、変わるものではありません。
大型連休明けに配布されるこの5月号では、受験への心構えを中心に、すぐに始めておきたい「受験生の基本」についてお話したいと思います。
3年生となった皆さんは、いよいよ「受験生」としてスタートを切らなくてはなりません。とはいえ1学期はまだ部活も継続中で、毎日忙しいという人も多いでしょう。
今はまだ、全てを受験中心にして生活する必要はありません。これから区切りとなる大会が終了となるまで、部活動に取り組みながら勉強と両立させましょう。修学旅行や体育祭を行う学校では、クラスメイトと一緒に楽しい思い出を作ってください。
3年生の1年間は受験勉強の大切な時期ではありますが、同時に一生の中で一度しかない14歳、15歳の時間です。充実した毎日を送ってほしいと思います。
さらに部活動やひとつの学校行事に納得いくまで取り組む経験は、今後の受験勉強へ向けて、やる気のギアを上げていくきっかけにもなります。
忙しい毎日であっても「学習の習慣づけ」は、いますぐ開始しましょう。部活動で疲れた日でも、気分が乗らない日でも、30分でいいので机に向かうように心がけてください。
最初は教科書やノートを眺めるだけでもいいのです。寝ない日がないように、食事をしない日がないように、それと同じように机に向かわない日をなくしましょう。
1学期での目標は、毎日1時間。頑張れそうな人は2時間にしてみましょう。
そして、受験の正念場、夏休みの目標勉強時間は6〜8時間です。急に始めるのではなく、今から助走をつけていく、体力づくりのイメージです。いきなり長時間から始めてしまうと続けにくいものです。「飽きないぐらいの時間から」がちょうどいいでしょう。
たとえ1日30分であっても、積み重ねていくと膨大な量となります。毎日コツコツと努力を続けられる人にはかないません。それが学習習慣を身につけるということです。
中間・期末試験をしっかりと
毎日の予習・復習に加え、定期試験にもしっかり取り組みましょう。
5月の中間試験と、夏休み前には期末試験があります。定期試験の結果は内申点につながります。都立高受験では、3年の1学期と2学期の内申点が高校に提出されます。
規則正しい生活を心がける
次に毎日の宿題などの提出物を忘れないこと、毎日の生活態度を整えることです。遅刻や早退、授業態度なども、内申点に関係します。規則正しく、まじめな生活を心がけることが大切です。
3年生になったら、1点でも多く内申点をとるよう、日々の努力を続けましょう。
起床時間を決め、守り続けることは、夏休みのパワーアップにつながります。試験も朝から開始されます。受験日に力を発揮するためにも、早起きの習慣は大切です。
高校は学び方のスタイルもたくさんあります
高校での学び方は、中学校のように毎日通学する全日制、夜間に通う定時制、またレポートとスクーリングで学ぶ通信制などがあります。
また、学びの内容も多岐に渡り、普通科だけでなく、商業科・工業科・情報科など、自分の興味・関心のあることを専門的に学べる学科もあります。
自分がこれから何をしたいのか、将来どんな仕事に就きたいのかも考えて志望校を決めなくてはなりません
。
都立高校入試・私立高校入試制度を確認しよう
入試は、都立高校では、主に推薦入試と第一次募集及び分割前期募集(一般入試)が行われます。また私立高校も、推薦入試と一般入試で行われます。
都立高校や私立高校の入試日程、どんな入試制度の下に行われているのかを早めに確認しておきましょう。
また、11月には、英語のスピーキングテスト(ESAT-J)が実施されます。試験結果は調査書に記載され、学力検査の得点と調査書点の合計にESAT-Jの点数を加え、総合得点を算出することになります。
こうした入試制度の変更点についても確認しておくことはとても大切です。
東京の入試制度や本年度の変更については、当紙面やWEBサイトでもお知らせしていきます。
各種検定や外部模試の日程確認を
私立高校では、英検や漢検などの外部検定が評定に加点される場合もあります。
日本英語検定、日本漢字検定とも、年間での試験日程が設定されていますが、コロナ感染症対策のために変更されることもありえます。確認しておくと安心です。
また、外部模試の日程なども詳細を確認しましょう。多くの受験生が受ける外部模試は、今の自分の実力や苦手な部分の確認もでき、強化ポイントなどの把握に役立ちます。模試は学習の進捗を確認しながら、定期的に受験していくのがコツです。
模試や検定を上手に活用できるよう、学習スケジュールを計画的に組みましょう。
各高校の特色を知ろう
これからの時期、3年生と保護者を対象とした私立高校の合同説明会が開催されます。
「どこの高校を受けるか決まっていない」「第一希望は都立」という受験生も参加してみましょう。
気になった学校のパンフを貰って眺めてみるだけでも1年後の高校生活のイメージが広がり、受験勉強の刺激になります。
さらに今の時期の合同説明会では、他校の3年生も来ます。別な中学校の同級生たちの受験への取組み姿勢を見ることも大切です。
今の時期の合同説明会の予定は
■5月28日…私立中学・高校進学相談会(会場/松坂屋上野店)
■東京私立中高進学相談会「ふれあい」5月29日(会場/浦和コルソ)・7月3日(会場/川口キュポ・ラ)
■6月5日…フェスタTOKYO(会場/淑徳巣鴨高校)
■6月26日…受験なんでも相談会(会場/新宿住友ビル)
※5月・6月の一部を掲載
これらの合同説明会は、コロナ感染対策として事前予約制で開催されます。また、今後の社会情勢によっては、変更も予想されます。実施状況や場所、日程などは必ず確認してから会場に向かってください。
中学3年生のみなさん、受験に向けてスタート出来ていますか?出来ていない方も今日からスタートしましょう!
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