片隅に追いやられた人形、傾きかけた古い家。8枚のモノクロ写真が無言で語りかけている。これは写真甲子園2018で準優勝に輝いた作品だ。全国500校がエントリーし、ブロック予選と本戦3回の公開審査を経て、手にした栄冠だ。
今回写真部を紹介してくれたのは、今年の総文(全国大会)に出場した副部長のK・Nさん(2年・横浜市立野庭中学校出身)と、U・Tさん(2年・横浜市立富岡中学校出身)、Y・Tさん(2年・横浜市立南が丘中学校出身)。
週2回の活動、月1~2回の撮影会では29名の部員が思い思いにシャッターを押す。入部とともにカメラの扱い方、光の捉え方など写真のイロハを学ぶ。デジタルはもちろん、フィルム撮影の技術も身につける。
Uさんは昨年、フィルムメーカー主催の「風景写真100人展」で入賞。商店街の表情をモノクロで表した。「見せたいものを白と黒の世界で表現できるのが面白いです」とその魅力を語る。Kさんは「写真部に入ってさまざまな出会いがありました。親子連れやサーファーのお兄さんなどから撮影許可をもらうのですが、人それぞれ、違った魅力があります」と言えば、Yさんは「今年の夏合宿で、撮影枚数が去年より格段に増え、成長を感じます」と話す。
顧問のI先生は「やるからには3年間必死に活動して、結果を残してほしい。そのためにもコンテストに積極的に参加しています。結構しんどい部活動ですよ」と笑う。
現在、全部員が9月に控えた高校写真コンテストに向け奮闘中だ。テーマを探しつつ、撮影スキルの向上に日々、余念がない。